私は長年にわたり、リサーチ(主にマーケティングリサーチ)の仕事をしています。



しばしばグループインタビュー(座談会)のモデレーター(司会のような役割を果たす人)を務めます。

駆け出しの頃はあまり思わなかったのですけれど(脳みそをバリバリに使っていたから)このところモデレーターはチャネラーに似ているなあと思います。

まずは「自分がない」。

個人的な考えや感情、思いはあるにはありますけれど、それとは随分離れたところに存在しています。強固な「自分視点」があると、参加者たちの話にうまく乗っていけません。そして彼ら彼女らの目線になりながら、場を進行していきます。

そして「今しかない」「今ここの世界」。

報告書には書き直しもありえますが(もちろん避けたいですけれど)モデレーションにやり直しは利きません。今が本番で、この瞬間にベストを尽くすことが求められています。その瞬間、その瞬間に自分のすべてがあるのです。

さらに「頭を使っているようで、そうでもない」。

参加者の話を聞きながら情報を整理したり、仮説を立てたりして、そこからまた質問をしたりしますけれど、普段の頭の使い方とは違っています。かなりの部分が自動的なのです。次の質問がフーっと脳裏に浮かんできますので、それを参加者にぶつけていきます。

でも「総括する」。

参加者の発言がなだれ込んだ自分を通し、クライアントにおおよその結果を総括します。「自分」が何かを通すパイプのような感じなのです。「自分」というものが、「あるようでない」方がうまくいきます。面白い仕事だと思います。

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