最近の天気予報は当たりますね。こちらは現在も雪が降り続いています。雨戸の戸車を買いにホームセンターに行こうと思っていたのですが様子見となりました。松坂牛の霜降り肉をいただいたので、昨晩は珍しく「すき焼き」にしました。改めて感じたのは「すき焼き」って甘いししょぱいし、脂っこいしで、若者向けのメニューですよね。量をセーブしたつもりでも食べ過ぎた感があり、体を動かすことのできる戸車交換を思いついたものの、今日は無理かなあ、という感じ。

その代わりに、というわけでもないけれど、最近見始めた「アウトランダー」について語ってみたいと思います。何となく1回で話を完結できない感じがしますので、本日は「思考と感情とエゴ~エロ満載海外大河ドラマ『アウトランダー』が教えてくれること(1)」とします。

私は“出演者つながり”で作品を見ていくことが多い。この作品では、トバイアス・メンジーズ(『ROME』のブルータス役、『ゲーム・オブ・スローンズ』のエドミュア役)が、主人公クレアの20世紀の夫である歴史学者の “フランク” と、18世紀にタイムスリップしたクレアと18世紀におけるクレアの夫ジェイミーをいたぶる、“フランク” の先祖にあたる邪悪で倒錯的な軍人 “ジョナサン” を一人二役で演じています。

その話に入る前に「エロ満載海外大河ドラマ」と書いた点について若干の解説を。ラブシーンや拷問シーンが多く、多いだけでなく尺が長いです。私は気になりませんが「そういうのはちょっと」という方は、その手のシーンの間に周囲の片付けをするとか、床に掃除機をかけるとか、料理の下ごしらえをするとかするといいのではないでしょうか。家族と観るドラマではないのは確か。原作はハーレクイーンロマンス的な小説らしいです。

トバイアス・メンジーズが演じるジョナサン(18世紀イングランドの軍人)は残虐性が目立つ、美徳の欠片もない男。サディスティックな同性愛者です(一応子孫を残したのでバイセクシャルなのかもしれない。⇒追記:瀕死の弟の頼みにより、弟の妊娠した恋人と結婚したということが、ドラマの続きを見て分かりました)。一方、ジョナサンの子孫にあたるフランク(20世紀の歴史学者)は知的で穏やかなジェントルマン。一人二役なので同じ顔をしています。しかしキャラクターが大いに異なります。

フランクとジョナサン、ふたりの違いについて、彼らを演じたトバイアス・メンジーズは以下のように語っています(引用元https://www.harpersbazaar.com/culture/film-tv/a12462031/outlander-tobias-menzies-frank-randall-death-interview/)。

“The inside of these people are not that different, it’s just how they express those insides. They both still have needs and wants and drives and they both also have damage in them. One, obviously, acts out on those urges in a much more extreme way than the other person. I think the way the fleshing out or the feeling out of the inside is still the same sort of material. “

(これらふたりの内面はさほど違わない。彼らの内面を、彼らがいかに表現するかが違うだけだ。どちらにも必要性と欲求と動機があり、痛みも負っている。片方は明らかに、ずっと極端な方法で衝動を表現するが、内面から生まれる具体的なものや感覚のあり方は依然として同種の要素からなっていると私は思う)

何かが生じたとき、AさんはA’という反応をする。同じことが起きてもBさんはB’という反応をする。それを個性とか、性質とか、その人の傾向とかと呼ぶことが多いわけですが、AさんにはAさんの思考回路とそれに伴って自動的に生じる感情的傾向があり、BさんにはBさんの思考回路とそれに伴って自動的に生じる感情的傾向がある、という事実を示しているに過ぎません。

そしてざっくりと表現すると、感情という主観的体験を伴う主観的な思考が “心” であり、さらに仏教的に見ると “心” のもつ働きが、すなわち人間の根絶しがたい病(苦しみ)の源である、ということになります。

①あるパターンに伴った、ある程度決まった解釈、ある程度決まって生じる感情があり、②それらを含んだより大きなパターンに対して解釈が生まれ、それにまた別の感情のラベルが付く。もっている仕組みは、人間みな同じです。

トバイアスさんの言っていることは、「あるパターンに伴うある程度決まった解釈」「ある程度決まって生じる感情」は人それぞれ違うけれど、そのような各人の解釈や感情や行動に至らしめる原因や動因は皆同じ、ゆえに善人のフランクも邪悪なジョナサンも、内面はほとんど同じ、ということだろうと思います。彼はこうも言っています。

” You’re still building it out of anger and rage and disappointment and longing and desire and passion and all those universal human feelings and instincts. ”

(やはり怒り、憤怒、失望、願い、欲望、情熱、そしてすべての普遍的な人間の感情や本能から、表現が構築されている)

「何かが生じたとき、AさんはA’という反応をするが、BさんはB’という反応をする」ことの主体になっているのが自我(エゴ)であり、そのベースには、トバイアスさんの言う通り「怒り、失望、願い、欲望、情熱、そしてすべての普遍的な人間の感情と本能」がある、ということになります。ベースには普遍性の高いものがある。そういった普遍的なところに乗っかる “ふりかけ” や “味付け(調理法)” は人それぞれ、ということでしょう。

「アウトランダー」はエロ要素が多いです(まだシーズン2の途中までしか見ていませんけれど)。グロさで言えば、もっとグロい海外ドラマはたくさんあると思います。人間は「これは健康なエロ、それは不健康なエロ」と分類します。エロを通して、 人間の健康的な普遍的要素が表現される場合と、不健康な感情や本能が表現される場合があり、“エロ” に限らず、根底にあるものは具体的な行為やあり方を通して表現されるしかありません。あくまでも根底にあるものの表現のための “通過点” です。“エロいこと” 自体が問題ではない、ということです。

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