私たちは、過去の出来事を通じて獲得した反応を日々、繰り返し体験しています。



つまり、過去を生きているのです。今感じている感情の多くは、過去のパターンの再体験ということになります。それが自分にとって好ましい反応の場合はよいでしょう。

生活運営上問題となるのは好ましくない反応、いわゆるネガティブな反応です。

「自分は○○な人間だ」

「自分はダメだ」

「自分にこんなことは出来ない」

「こんなことになったのは××のせいだ」

など。

思うようにならない自分について、自分を否定したり、他者を恨んだり、罵倒したりしてしまう、あの反応のことです。

そのように過去の心の傷、何らかの後悔の念がベースにあって、今の物事に対する反応がある、ということについては、いとも簡単に気づくことができる部分もあります。

しかし微妙なレベルに存在していて、そうとは気づかない場合もあります。

私の場合、母親との関係性において、自分に埋め込まれた反応は気づきやすいし、ブロックも外しやすいのですが、父親とのそれには困難を感じます。

私は父親っ子だったので、彼との間には、よい思い出の方が多いのです。それもあって父親との関係で生まれ、私のなかに深く沈み込んでいったネガティブなパターンを見つけにくいように感じます。よって、ブロックを外しにくい。

「人間の多くは、既に終わった過去を生きていて、今を生きることがない。そのようななかから、新たな体験・創造が生まれることはない」

ということは、いろんな方が言っていまして、私の敬愛するクリシュナムルティもその一人です。この人の言っていることが、なかでも最も的を射ていると私は思っています。実際のところ、彼が促すように生きるのは甚だ難しいのですけれどね。

毎日を、過去のパターンの繰り返しのなかで過ごし、新たな体験に目覚めることがない、それを 「普通の人」 と言い、そういった日々は本来の 「生」 ではないそうです。

この瞬間、今までの記憶を失ったとしたら、いろんな物事への反応や態度がまったく異なるであろうことは想像がつきます。

「好き」「嫌い」も「得意」「苦手」も「あれしちゃいけない」「こういう時は、こうしておいた方がいい」といった価値観や処世術も、一気に失うわけですから。

私たちは、よくも悪くも過去の産物です。サイコサイバネティクスを開発したモルツ博士(事故などで傷を負った顔を治す形成外科医)は

「98%の人は、顔に怪我がないにも関わらず、過去の心の傷によって、心に歪んだセルフイメージをもっている」

と言っています。

そして、私たちの人生を表面意識では望んでいないはずの、暗い側面へと誘導していくのが、癒されていない「心の傷」なのです。

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