年度末ということで本業があまりに忙しいため、ほかの先生方にお任せしてしまっている状況ですが、日本語教室の学習者の作文を読む機会があります。
文章とは文法や用法が正しければ人の心を打つというものではありません。
平仮名ばかり。助詞が間違っています。こういう場合、こういう語をこんなふうに用いません。
そういう文章であっても、生き生きとした光景が浮かんで感じ入るものがあります。書き手の人生が皮膚感覚で伝わってくる文章です。
「稚拙さ」は「素朴さ」に通じ、「素朴さ」とは文字通り「素」であるため人の心を打ちます。「稚拙」であっても「素」であることの前に敵うものはありません。フリーエネルギーがダイレクトに伝わってくるから。学習者たちは意識していないでしょうが。
自分のライフスタイルに合った形式としてボランティア教師の道を選択しています。あたかも何かを無償で提供しているかのようですが、私のほうが「ハッ」とする瞬間をたくさんいただいています。
超久しぶりに「日本語教育」について書きました。