カヴァザン(垂れ下がった柱/揺れる柱)
906年に建てられた、聖なる三位一体に捧げられた記念碑。高さは8~9mあり、上端にハチュカルが付されています。

[“ハチュカル” とは]
中世キリスト教アルメニア美術を特徴づけるものであり、十字架が付いた彫刻が施された記念碑を指す。ロゼット、インターレース、植物モチーフなどのモチーフが付加されていることが多い

揺れても崩壊することがなく、地震発生を知らせる役割があるそうです。修道院のなかでも、何世紀にも亘って唯一存続できている建造物と言われています。しかしハチカルの交換ほか、まったく手を入れることなく存続しているわけはなく、フィクションと思われます。
柱の基部構造により、地表に対して一定の角度を維持することでバランスと安定性を確保していると説明されていますが、科学的根拠を欠いています。
タテヴ大学跡(司教館)
修道院は1390~1434年に大学を主催。指導者と学生、両方の人材を育成しました。
①アルメニア語と外国の経典の研究(人文社会/哲学/文法/文学/歴史など)、②経典芸術の研究(カリグラフィ/書籍デザイン/壁画など)、③音楽の研究(古代音楽など)の3部門を保有するタテフ大学は、当時の学びと研究の中心地でした。
しかし大学は有能な運営指揮者の死により勢いを失い、政治的および経済的な状況も悪化。1434年のシャー・ルクの侵攻後、大学としての機能を停止しました。
建物には迷路のように通路が作られているそうです。


