“カツヒピラー(Katskhi Pillar)” は、ジョージア西部のイメレティ州にあり、この地域には青銅器時代に住居として使用されていた洞窟など、興味深い考古学的遺跡もいくつかあるそうです。
高さ約40mの石灰岩で、その上に教会と修道院(修道士の住居)があります。2007年に発見された碑文によれば “真の十字架の象徴” として岩を崇拝する伝統の流れに則ったものです。
[“カツヒピラー” を巡る歴史]
1944年:自然にできたと思われる柱が専門家によって調査される。その結果、6世紀に異教(キリスト教以外)の寺院として使用され、後にキリスト教会に改築されたと考えられた。建築専門家ヴァフタン・チンツァゼは、この遺跡はキリスト教のスタイライト(禁欲主義の一形態でシリアの伝統)の実践と関連があると報告している
1995年:チアトゥラ出身の修道士マキシム・カヴタラゼの到着により新たに教会活動が再スタート
1999~2000年:専門家による体系的/本格的な研究がなされた
2006年:さらなる研究と考古学的発掘に基づいて、ジョージア国立博物館の美術史家ジョルジ・ガゴシゼが建造物の年代を9~10世紀に修正。カツヒピラーは①修道院の教会と、②隠者(修道士)のための3つの独房からなる、③ワインセラーの存在は極端な禁欲主義ではなかったことを示すと結論付けた(キリスト教においてはワインは重要な意味と役割を果たすので、ワインを造っていたとしてもおかしくないと私は思う)
2007年:ジョージア文字の碑文が刻まれた小さな石灰岩の板(13世紀のもの)が発見される。隠者(修道士)のための3つの独房の建設を担当した人物名が明らかになる
2005~2009年:柱の上にある修道院の建物がジョージア国立文化遺産保存庁の支援を受けて復元された
駐車場からの遊歩道を歩いて向かっていった右手に見えるのが教会です。




柱の上には何がある(あった)のでしょう?
- 聖マクシムス告解者教会(最南東の角)
- 4.5m x 3.5mのホール教会
- 石造りの中世の教会を復元(1200年前のもの/オスマントルコの侵攻によって放棄された)
- 教会の下と南に地下室(倉庫のような機能)
- 教会はふたつあったそうなので、その片方と思われる
- ワインセラー
- 掘り起こしたところ、クヴェヴリとして知られる8つの大きな容器が発見された
ほかの特徴は、ざっと調べた範囲では次の通りです。
- 頂上から約10m下の岩の垂直面に入り口と2つの天窓を備えた長方形の地下室の洞窟がある
- 柱の根元に浮き彫りの十字架があり、ジョージアの他の場所(特にボルニシ)で見られる中世初期の描写(ジョージアの国家シンボルとして使用されるようになったシオニ教会の5世紀の装飾品から取られた十字架のシンボルと思われる)との類似点が認められる
「頂上から約10m下の岩の垂直面」を写真のみから特定するのは難しいのですが、こういう所(穴ぼこ)は内部に何かありそうですよね。そもそも専門家の発掘調査が行われた2000年代まで存在が判明しなかったのですから、一個人の私が特定できなくて当然です。柱は3面からは眺めたものの、裏側は見ていませんし。


「柱の根元には浮き彫りの十字架」とは、これかな。

「柱のふもとには、新しく建てられたシメオン・スタイライト教会と古い壁と鐘楼の遺跡があります」とのことです。


「古い壁」とは?柱を囲うようにある石(あるいはレンガ)積みの塀のことですか?それとも柱の手間にある廃墟みたいな部分ですか?(と虚空に問いかける)後者のほうが古そうですが。


死んだ愛犬に面影が似たワンコ(妊娠中)がいました。

確定的な情報に辿り着けず、考えるほどに謎の深まるカツヒピラーなのでした。