さあ、博物館の内部に入りましょう。
とりあえず美しく、落ち着いた雰囲気です。



展示物は数多く、ひとつひとつ追っていくわけにもいきませんので、心に残ったもののみ紹介します。

ジョージア人を多数粛清した彼は、嫌悪されているから白塗りにされているのでしょう。
「ラヴレンチー・ベリヤ」とは
- スターリンからの信任が厚く、彼の体制を支えた人物
- 民族的にはミングレル人(ジョージアのサメグレロ地方に住む少数民族。同国の多数民族であるカルトヴェリ人の支族に分類されることが多い)。つまりはジョージア人
- 大粛清の主要な執行者とされている。秘密警察とのパイプが太い。彼の影響力は、第二次世界大戦後からスターリンの死後にかけて最大となった。“エジョフシチナ” のニコライ・エジョフを失脚させて権力を握った
- スターリンの死について、決定的な証拠は存在しないものの、当時からベリヤらによる謀殺説が根強く存在している
- スターリンの死後は実質的な最高権力者として(それまで主導してきたことと相容れないところのある)自由化を推進しようとしたが、失脚して銃殺刑に処せられた。享年54歳
- 性的に無軌道であったとされる(漁色家で性的暴行、小児性愛、何でもあり)。死後は、地獄の業火によってじっくりと焼き上げられていることだろう
ガイドさんからは
- ジョージアの人たちは、基本的にスターリンが大嫌い(世代によっても違いがあるそうだ)
- ゴリの人たちは、世界的に影響力をもったスターリンの生地であることに誇りをもちつつ、それをあまり大っぴらにできない
と聞きました。
ベリヤについては「ジョージアについての責任者だった」という説明でしたが、後に調べてみると上記のように政治欲と性欲のオバケであったらしいことが判明しました。そりゃあ、白塗りにして消したくもなるわ。
ジョージアの生んだ有名人という意味でしょうが、詩人ショタ・ルスタヴェリの肖像画もありました。生まれたのはジョージアでタマル女王に仕え、死んだのはエルサレム。謎に満ちた詩人です。100ラリ札紙幣にも載っていますが、100ラリ紙幣は単位が大きいようで、ちょっとした買い物では「おつりがない」と断られることが多かったです。
なぜ、この肖像画が気になったかというと、ガイドさんと顔だちがよく似ていたから。

さて、共産主義ということで中国との関係はそれなりに深く、スターリンは中国から専用列車を贈られました。中に入ることができます(博物館内と異なり、特に料金はかからない)。






