リー・チャイルドによるジャック・リーチャー・シリーズのうち「宿敵」を原作としています。
リーチャーが、DEA(Drug Enforcement Administration:麻薬取取締局)やATF(Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives:アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)と噛んで動きます。
シーズン1~3のなかで、私は本シーズンが最も好きです。
導入部あらすじ
メイン州アボッツヴィル。リーチャーがレコードを売ろうと中古レコード店へ入ったところから物語が始まります。近くにヘイヴンハースト大学があり、学生街のようです。
男子学生が芸術学部の建物から出てきて、黒のアウディに乗り込みます。それを見張っていた、トラックの男が車同士を衝突させ、動きを取れないようにします。トラックから降りた男は後部座席にいた男子学生を拘束。異変に気づいて店外に出たリーチャーはトラックの男と撃ち合います。連れ去られそうになった男子学生を救出して自分の車に乗せますが、追ってきた警官を誤って射殺してしまいます。
どういう判断によるものか、リーチャーは男子学生を連れて現場から逃走。パトカーが彼らを追跡しますが、どうにか免れます。誘拐されそうになった男子学生は資産家の息子リチャード・ベックを名乗ります。5年前にも誘拐されたそうです。リーチャーはリチャードの前から姿を消そうとしますが、彼は父親に会わせてお礼をしたいと譲りません。
リチャードは単なる資産家にしては警備の厳重な家に住んでいました。「息子の命を救ってもらったので借りができた」と言うザカリー(リチャードの父)に対し、リーチャーは当面の隠れ家と偽のIDを買う資金を用意してくれるよう打診。ザカリーはリーチャーの信用と肝を試すため、ロシアンルーレットを強います。リーチャーはテストに合格し、怪しい資産家のお抱え組織の一員として動くことになります。
実は、ここまでの流れはリーチャーがザカリーの組織に潜入するための手段(芝居)でした。利害の一致により、リーチャーはDEAの捜査に協力。DEAとリーチャーは、同じ人物を追っていたのです。
主要な登場人物
[軍警察第110特別捜査部隊の関係者]
ジャック・リーチャー : 放浪者。かつて軍警察(CID)の第110特別捜査部隊のリーダーだった。シーズン1・2に引き続き、大柄で逞しく力がある男。頭脳明晰で推理や分析に長けている
フランセス・ニーグリー : 元特別捜査官。現在は警備コンサルタント
パウエル:第110特別捜査部隊の准尉。リーチャーからターナー少佐への窓口
ウェイド:第110特別捜査部隊の少佐。パウエルの上官
ドミニク・コール:一等軍曹。リーチャーが軍警察に在籍していた当時、武器機密に関するスパイ行為捜査で彼の助手を務めた
アンソニー・トニー・フラスコーニ:一等兵。リーチャーやドミニクと動いていた
レオン・ガーバー:准将。リーチャーらの上官で親しそう
マツダ:准将。リーチャーらの上官でよそよそしい
[DEA関係者]
スーザン・ダフィ:連邦捜査官でリーダー
スティーブン・エリオット(痩せている)/ギジェルモ・ヴィラヌエヴァ(太っている):連邦捜査官
テリーサ・ダニエル:連絡員であり情報提供者。“ビザール・バザール” に潜入後、姿を消す
ディック・グルナート:ニューヘイブン警察の警官。スーザンの知人
[ベック家関係者]
リチャード・ベック: 資産家の息子。過去にも誘拐されたことがある。母親は4歳のときに死別
ザカリー・ベック:リチャードの父。“ビザール・バザール” という絨毯の輸入業者
ポーリー(ポール・ヴァンホーヴァン) : 巨体をもつ、屋敷の用心棒
チャップマン・デューク:警備主任で元警官
ジョン・クーパー:リチャードの護衛
フランシス・ゼイヴィア・クイン:元中佐。軍の情報部に籍を置いていた。中東地域に詳しい
ダリエン・プラド:麻薬売買を取り仕切っている
エンジェル(アンヘル)・ドール/ハーリー:組織の手下
アネット/アグネス:ベック邸のハウスキーパー
ジュリアス・マケイブ:ザカリー・ベックのボス
[違法取引の関係者]
ローランド・ゴロフスキー:極秘兵器の機密売買に関わっていた軍人
サフワン・カシム:シリアの軍事関係者。表向きはシンクタンク職員
タクタロフ:ジュリアス・マケイブと取引するロシアのマフィア
コストプロス:ニーグリーのもとに殺し屋を差し向けた人物
[ATF関係者]
ダグ・シアーズ:ATF(Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives:アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)の管理官
ウォルコット:ダグ・シアーズの部下
シーズン3のポイント
[優れているところ]
- アクションてんこ盛りの内容。ゆえに緊迫感が高まる。私は好んでアクションものを見たりしないのだが、格闘/撃ち合いなど多種多様なので、多くの人において、どれかは好みにヒットすると思われる
- ベック家の用心棒をしているポーリー(ポール・ヴァンホーヴァン)とリーチャーが対決するも、なかなか勝負がつかない。大昔の「アントニオ猪木 VS アンドレ・ザ・ジャイアント」の対決を見ているみたいで目が離せない(※私は年寄り)。大男のプロレスを見ているかのようなアクションシーンが壮大なエンターテイメントになっている。演じているふたりは生傷が絶えなかったのではないかと推察する
ポーリー(ポール・ヴァンホーヴァン)を演じているのはボディビルダーでもあるオリヴィエ・リヒタース。「オランダの巨人」と呼ばれており、身長218センチ。彼と向かい合うと、身長191センチのアラン・リッチソン(リーチャー役)が小柄に見える
- シーズン1はリーチャーのフランス語を話す母が微妙だったり、沖縄の場面がまったく沖縄に見えなかったり、シーズン2は義理人情に寄っていたりしたが、シーズン3はかつての部下の敵討ちに立ち上がるリーチャーでありながらも、細かな要素(湿度高めの機微)を切り捨ててアクションと懲悪に振り切っている
- 生活文化、行動様式もアメリカ的大味さに満ちている
- (ここはシーズン2と同じ)主人公リーチャーにまつわるLOVEネタがくどくない。導入部の体育会系の動きがよい。その先の描写がないのも大変よろしい
[微妙なところ]
- アクションを楽しむドラマだと思っているので、リーチャーの恋愛ネタは要らない
- 前半のエピソードまではLOVEアフェアの香りがしなかったので「そのままでお願いします」と思っていたが、「やっぱり一応あるんだね」という展開に。シーズンの終わりに女性側がキレイに立ち去るのはお約束通り
[トリビア(ってほどでもない)]
- シーズン4が予定されている
- ニーグリーを主役とする、スピンオフドラマが製作される模様(ニーグリーは好きなキャラなので楽しみ)

