ジョ―が迎える結末とは「YOU-君がすべて-」(シーズン5)

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サイコスリラー「YOU-君がすべて-」は吹き替えがオススメ
ブラックユーモアが効いている本ドラマは吹き替えで観るのがオススメです。おかしな人たちもこのように描写すると、行動にそれなりの理由があるように見えて、面白いドラマになるから不思議。
サイコスリラー「YOU-君がすべて-」シーズン4(パート1)はまずまずの滑り出し
「シーズン2→3→4」と進むにつれて主人公ジョーよりも周辺人物の異常性が目立つようになります。それにより新たな展開が生まれていきます。シーズン4(パート1)はロンドンが主な舞台です。
「おおっ、そうくるか!」の連続だったサイコスリラー「YOU-君がすべて-」シーズン4(パート2)
パート2のエピソード8くらいから、物語は思いも寄らぬ方向へと急展開を見せます。

「YOU-君がすべて-」のシーズン4は次のような感じで終わっていました。

  • ジョ―・ゴールドバーグとケイト・ロックウッドは互いの後ろ暗いところを共有してパートナーとなる
  • ケイトが相続した生家の資産で慈善事業家となることを決める
  • 教授ジョナサン・ムーア(ジョ―の世を忍ぶ仮の姿)の教え子ナディアは恋人エドワード殺害等の冤罪で服役する
  • ジョ―のかつての恋人マリアンはナディアの尽力で死を免れ、娘のジュリエットとフランスで暮らしている

そしてシーズン5は次のような前提で進行していきます。

  • ケイトは “T・R・ロックウッド社” のCEOであり、ジョ―は彼女を支えている(“T・R・ロックウッド” には “Corporation(会社)” と “Foundation(財団)” があって後者の慈善事業の財政の一部を支えているのが “Corporation” であるようだ)
  • ケイトの悪辣な父トムのネットワークを駆使し、ジョ―はジョ―・ゴールドバーグの名で問題なく暮らすことができるようになっている
  • 同様にラブとの間に生まれた息子ヘンリーを取り戻し、3人で暮らしている
  • シーズン4では「(父に)子どもは7人いる」と言っていたケイトだが、双子の妹(レーガン&マディ)とケイトの3人姉妹、加えて隠し子テディの合わせて4名が物語のメインとなる
  • ケイトのお金で書店 “ムーニーズ” をビルごと購入したが営業しておらず、過去との決別のためにジョ―は売りに出している

【音声/字幕について】

シーズン5では、ジョ―の潜在意識(別人格)の語り(シーズン4では妄想上のリース・モントローズの役割だった)について日本語/英語ともに音声バージョンでは、ジョ―自身のことを二人称の「お前(you)」と言っています。なのに日本語字幕では顕在意識のジョ―になっています(一人称の「僕」で統一されている)。英語字幕をみると “you” と “I” を使い分けています。この整合性のなさは意図的なものでしょうか?

<ジョ―の脳内トークにおけるジョ―自身の表現(シーズン5)>

音声字幕
英語 “you” と “I” を使い分け “you” と “I” を使い分け
日本語「お前」と「僕」を使い分け一人称の「僕」で統一

念のため確認しましたが、シーズン1から4までジョ―の脳内トークは音声/字幕ともに一人称「僕(I)」でした。ジョ―による音声の主語や目的語に「お前(you)」が使われるのはシーズン5のみ。どうでもいいようなことですが、製作者目線では重要なポイントだった気がします。

とりあえずジョ―の心の声における「お前(you)」は、彼の精神活動が作り上げた妄想上のリース・モントローズの声と思って視聴するとわかりやすいと思います。

ロンドンからニューヨークに戻って3年が経過。実業界でも社交界でも華々しい注目を浴びているケイトとジョ―。善人として善行を積んできたはずが、隠ぺいしているパイプライン建設の不祥事についてケイトの後ろめたい過去を探る記者が現れます。目の上のたんこぶケイトに反感をもつ異母妹レーガンが仕組んでいるのではとジョ―は疑います。COOのボブもケイトがCEO(最高経営責任者)であることに不満があるようです。

レーガンの娘グレッチェンは、ジョ―の息子ヘンリーの母親について「人殺し」と学校で吹聴。ヘンリーがグレッチェンを殴ったことでジョ―&ケイト、レーガン夫妻の間の不協和音が大きくなります。

ジョ―はケイトを守る目的で彼なりの手を尽くしますが、善人として生きることを決めていたため、まずは殺人衝動を昇華しようと実在の人物を題材に殺人小説を書きます。しかし小説を書くことで自分とケイトの身の安全/社会的な安定が保証されるわけではないため、ジョ―は過去の経験値をもとに危ない橋を渡り始めます。ケイトはジョ―と異なり正攻法で対処しようとする傾向にあり、夫ジョ―と利害の一致をみながらも彼女らしい手段を選択していきます。

ジョ―は閉鎖中の書店 “ムーニーズ” に侵入して寝泊まりしていたブロンテに出会い、本を愛する者として共感するところのあった彼女を雇います。どこか魅了されるところもあるのですが、変わり者で言行が奇妙であることから違和感も感じるジョ―。ふたりは距離を縮めていきます。一方で彼女は “ムーニーズ” の地下にガラス張りの檻(いろんな人たちを監禁していた場所)を見つけます。

ケイトは、夫のジョ―がブロンテと浮気していること、明かされていなかった過去の彼の殺人について不信感を募らせます(シーズン4でケイトが知ったのは一部の犯行のみ)。

ブロンテにもジョ―に隠していたバックグラウンドがあり、彼はブロンテを守るため、彼女の知り合いのクレイトンを死に至らしめます。ケイトとは離婚話が進み、ジョ―は息子ヘンリーと引き離されます。

ケイトはロンドンのブラックヒース刑務所を訪れ、冤罪で服役中のナディアに面会。刑務所から出すことでナディアと結託し、ジョ―の犯罪を暴こうとします。

シーズン5が終わりに近づくにつれ、「ジョ― vs ロックウッド家」の対立図式が明確になり、ジョ―のみならずケイトも常軌を逸していきます(ニューヨークに戻って以降の3年間は牙を抜かれた状態だったケイトも、父トムの冷血な暴君で人殺しをも厭わぬDNAが開花)。最後の2~3エピソードでは、似た者同士が惹かれ合った後に反発し合うというわかりやすいフェーズとなり、ジョ―との闘いが繰り広げられます(←ジョ―も不死身ですが、闘うことになる側のフィジカルも強くて驚きの連続)。

結局のところ、ジョ―の認知の偏りは生涯修正されることがなさそうです。愛する対象から愛を得られなくなると怒りに転じ、それだけで十分な束縛や殺害の動機になる、そのパターンは世のストーキングやDVと変わるところがありません。

女性の側からすると、深い受容と忍耐強い愛情に包み込まれた体験から男性に心理的に依存することとなり、気づけば逃れたくとも逃れることができない籠の鳥状態。しかしそこから一旦解き放たれると、女性のほうが自由に自分の人生を謳歌する感じも伝わってくるエンディングでした。

[主な登場人物]

レーガン・ロックウッド-ジェイコブズ: “T・R・ロックウッド社” のCFO(最高財務責任者)。ケイトとは異母姉妹。マディとは双子。攻撃的で高飛車な性格。夫ハリソン娘グレッチェンがいる

マディソン・”マディ”・ロックウッド:パートナーと3回の離婚歴、1回の死別あり。社交界で活躍。役割は“T・R・ロックウッド社” のPR。レーガンと双子だが遊び人で気は強くない。レーガンの夫ハリソンとも関係あり。ひとり二役でアンナ・キャンプが演じていて目のメイク等で性格の違いを表現している

“バッファロー”・ボブ・ケイン:ケイトらから「ボブおじさん」と呼ばれている。 “T・R・ロックウッド社” の最高執行責任者(COO)

セオドア・”テディ”・ロックウッド:ケイトの父トムの隠し子(家政婦との間の子)でゲイ。3姉妹のなかで仲がよいのはケイトのみ。CEOケイトの補佐を務める

ブロンテ/ルイーズ・フラナリー:書店 “ムーニーズ” に忍び込んでいた本が好きな女性。ジョ―に雇われる

クレイトンドミニクフェニックス:ブロンテの昔の知り合い

ナディア・ファリーディ:ジョ―に仕組まれた殺人(冤罪)により、ロンドンの刑務所に服役中。ジョ―の “ジョナサン・ムーア” 時代の教え子

書店 “ムーニーズ” は “Logos Book Store” を使っていたようですね。

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