「ザ・ディプロマット」のシーズン2がNetflixで公開されました。
シーズン1は8エピソードありましたが、シーズン2は6エピソードからなっています。本作にはシーズン3が用意されていることがわかっています。
導入部あらすじ
イギリスの保守派議員メリット・グローヴの車がノッテングヒルで爆発したところで終わったシーズン1。シーズン2はその続きから始まります。事件当時、米大使のケイトはローマン・レンコフへの対処を巡り、交渉のためパリにいました。
爆発によってメリット・グローヴは死亡、彼と接触しようとしていたハル・ワイラー(ケイトの夫)、ハルに思い止まらせようとしていたスチュワート・ヘイフォード、ロニー・バックハーストが重傷を負います。
イギリスの保守党はロシア(ローマン・レンコフ)から献金を受けており、その橋渡しをしていたのがメリット・グローヴだったことを知るケイト。レンコフと繋がっているのはロシア政府ではなく英首相(あるいは、それに近い内部の人間)ではないかとの疑念をもちます。一方、トロウブリッジ首相の元ブレーンであるメグ(マーガレット)・ロイリンの所在がわからなくなります。
COBRA会議においてトロウブリッジ首相は英空母と議員の車の爆発、いずれもロシアによるものだと息まきます。MI5長官は車の爆発に使われた爆薬がロシア製でもイラン製でもなくイギリス製であることを明かします。
トロウブリッジ首相はスコットランドとの関係改善に向けて動き、駐英アメリカ大使のケイトをその舞台に引っ張り出そうとします。
ケイトとハルは相変わらず揉めています。しかし離婚はしていません。ハルはどうしてもケイトを副大統領の座につけたいようです。
主な登場人物
シーズン1で登場した人たちは除いています。
アメリカ側の人たち
- ニール・バロー:アメリカ大使館政治部長ステイシーの部下。米大使ケイト、首席公使スチュワートの不在により、ステイシーのもと爆発事件対応を行う
- アン・レグランデ・アームストロング:別名 “ルジャンドル”。元大使で15年前に他界。名前だけ出てくる
- テス:CIA職員(?)。議員の葬式で一役買う人
- ブラッド・チャップマン:独立記念日祝賀会の支援者。ウェールズの土地を所有しているがメイン州出身
- ジョージア:本名不明。CIA職員
- グレース・ペン:現副大統領
- ノラ・コリエム:副大統領の側近
イギリス側の人たち
- トム・リビー:MI6長官。シーズン1にも出ていた
- フィリッパ・ペンバートン:MI5長官。シーズン2のエピソード1にしか出てこない
- リディア・トロウブリッジ:英首相の妻。陰の権力者であり、政治力をもつ
- スティーブン・クライン:保守党院内幹事長。名前だけ出てくる
- レナード・ステンディグ:極右の議員。名前だけ出てくる
- ジェマ・ダウド:スコットランド首相
- ランダル・タイラー:トロウブリッジ首相の補佐官(?)
感想・メモ
シーズン1と同じような感想になってしまいますが、私は国際外交に疎く、このドラマで展開されている外交政策や手腕が優れたものなのかどうかがわかりません。
本来、駐英米大使ケイト・ワイラーとその夫ハル、彼らを取り巻く人々の頭脳・立ち回り・交渉センスに感心すべきなのかもしれません。しかしその点の優劣がわからないので、その視点から評価することができません。
諜報ものに付き物の派手なアクションがあるわけでもないので、どちらかというと大人向けという印象です。外交官の職務や生活に準拠したリアリティが担保されているならば「それなりに面白い」はずなのですが、彼らの職業的世界に疎く、ドラマで描かれている会話や展開のリアリティに疑問をもっていること、出来事(空母爆発、議員爆死、副大統領の暗躍など)が仰々しいことから “作られた(=フェイク)感” のほうが強いです。
それはそれとして、手前勝手な動きばかりしているかのようなハルが実は超優秀な外交官で諜報活動もお手のものらしいことがわかってきます。見かけ以上に妻ケイトへの愛情が深いのかもしれません。
一方で彼がメリット・グローヴ議員と面会することをゴリ押ししなければ米大使館員たちが大怪我をすることもなかったし、彼の独断で空母爆発事件の真相を明かす相手を変えたことでアメリカの政局は大きな転換期を迎えることになりました。
ハルにしかできない動きをする代わりに、その代償も大きいのが本作品の特徴です。
夫婦関係や政治が絡む点で「ハウス・オブ・カード 野望の階段」に少し似たところがありますね。「ハウス・オブ・カード」(ケヴィン・スペイシーが出演していた頃)のほうが面白かったとは思いますが。
しかし「ザ・ディプロマット」もIMDbのスコアは8.0辺りを推移しており、評価の高い作品といえます。私も脱落することなく最後まで視聴できたので、それなり以上の出来だと思います(「ここが特に面白い」というふうに強く言えないだけ)。