まだ2019年は終わっていないけれど、今年見た海外ドラマの中で一番心に残る作品(実話のドラマ化)。
いろんなことを考えさせられました。人の強さと弱さ、人の醜さと美しさ…。子を守ろうと戦う親、子を守るつもりで自分の弱さに負ける親。結論ありきになっていて、偏見を排除して物事を見ることの難しさ。人と人とが赦し合うことの難しさ。
簡単に書けることだけ書くと、地獄の果てにも奇跡はある、奇跡は起きないより起きたほうがいいかもしれないけれど、奇跡が起きたからといって、その人のその後の人生が幸せなものとなるわけでもないんだな、となります。人生は過去の影響から逃れられない。痛みはなくならない。それでも新しい一日がやってきます。
ニューヨークのセントラルパークで起こった悲惨な事件。その犯人として冤罪を被った5人の少年(有色人種)。そのひとりであるコーリー(16歳だったため、ひとりだけ成人の刑務所に送られ、筆舌に尽くしがたい酷い目に遭った)の母は獄中の息子に言います。
「敵のために祈るのよ」
これは世の中で最も難しいことなのではないかと思います。イヤな目に遭わされた人の幸せなど祈れないのが普通でしょう。母親が敵を赦し祈ったからなのか、十数年を経て信じがたい奇跡が起こり、少年たちの無罪が証明されます。
昨年イランに旅行したことによりESTAが使えなくなり、この先私がアメリカに行くことはないと思っています(ビザ取得に手間がかかるし、ビザが取れたとしても入国できるとは限らない)。しかしアメリカは、小学生のとき、生まれて初めて行った海外だったということもあり、不思議なくらい懐かしさを覚える国でもあります。
嘘か本当か知らないけれど「黒人はあまり自殺しない」と聞いたことがあり、人種が違うということは(差別とは別)精神性や気質、文化などに違いを生む土台をもっている、という面があるのかもしれませんね。
歴史において長く虐げられてきた人たちには(黒人、ユダヤ人など)、受け継がれたストレス耐性があるのか、強いバイタリティを感じます。
スペシャル番組の “オプラ・ウィンフリーPresents: 今、ボクらを見る目” もオススメです。当事者たち、演じた俳優たちが出てきて、事件や現在、「ボクらを見る目」(原題 “When They See Us” )制作について語ります。