「ROME」も、以前はAmazonプライムビデオで追加課金なく見られたのですが、HBO作品であり、現在はお金がかかるようになってしまいました。残念です。
ローマ軍第13軍団の百人隊長ヴォレヌスとその部下の軍団兵プッロを中心に、内乱期のローマ共和国が描かれています。基本的には史実に登場する人物にまつわる物語であり、歴史をなぞっていますが、フィクションとしての創作・脚色もあります。
ヴォレヌスとブッロのほかに、カエサルとオクタヴィアヌス、アントニウスとクレオパトラ、ブルータスやアグリッパなどが登場します。ドラマを最後まで観ると「うぉっ、そうか(びっかーん!)」的ネタも仕込まれていて一興なのですが、本当にあったことなのかどうかは分かりません。大昔のことですからね、細かなエピソードは創作と思われます。
このドラマの面白さは以下の通り。
- 今の日本社会が体裁だけ上品なので(事なかれ主義とも言う)、何かと野蛮で事を荒立てる社会が新鮮。カッとしてすぐに殺してしまったり、特に上流社会では結婚が政略に基づくことが多く、ナチュラルに不義密通が行われていたり。家族にもあまり隠し立てしていない。家の継承問題と個人の恋愛の別立て感が興味深い。とりあえず性的に放縦な感じ
- セット、大道具が古代ローマ時代で見ていて楽しい
- 歴史的事実のなかに創作エピソードが入れ込まれていて、どちらも生き生きとした描写で観る者の期待を掻き立てるし、その期待を裏切ることがない
実際どうだったかは別にして、オクタヴィアヌスやクレオパトラってこんな人だったんだとか、ローマの街中で政治広報みたいな内容を大声で告知し続ける太っちょのおじさんがかわいいなとか、上流社会の女性ってヒマそうだなとか。
古代のローマやエジプトのことなどは世界史で勉強したことはあっても、私の場合はそれ以上ではないので、このドラマによって立体的なコンテンツになった面があります。
どの登場人物も個性があり、嘘くさくなく、魅力的です。個人的に関心のある配役だけ挙げてみます。
- ヴォレヌの妻ニオベ ⇒ インディラ・ヴァルマ/「ゲーム・オブ・スローンズ」のエラリア・サンド役。寒いところから暑いところまで、いろんな気候の舞台があるなかで、エラリア・サンドは温暖っぽいエリアにいる
- オクタヴィア ⇒ ケリー・コンドン/「ベター・コール・ソウル」のステーシー・エルマントラウト役
- 少年時代のオクタヴィアヌス ⇒ マックス・パーキス/「ROME」では母親に性の教育係として娼婦をあてがわれたり、倒錯的な嗜好に成長したりと、アタマがいいけれど変な方向に資質を伸ばされる人という役柄に見えたが、当人はケンブリッジ大学で神学を専攻し、積極的に俳優業をしなくても暮らしていける模様
- カエサルの愛人でブルートゥスの母親であるセネウィリア ⇒ リンゼイ・ダンカン/演技派と思われるが、口周りの小じわが年齢を感じさせ、カエサルは熟女好きだったのかと思う
- ブルータス ⇒ トビアス・メンジーズ/「ブラック・ミラー」「アウトランダー」「ゲーム・オブ・スローンズ」「ザ・クラウン」などに出演
- アントニウス ⇒ ジェームズ・ピュアフォイ/ローマ人だったはずが、クレオパトラとねんごろになってエジプトで暮らすようになってからの目張りメイクがすごい。お笑い芸人の渡辺正行に似ている気がしてならない。俳優になる前は、高校を早々に辞めてヨーロッパ各地を働きながら放浪していたとのこと
- アグリッパ ⇒ アレン・リーチ/「ダウントン・アビー」のトム・ブランソン役、「ボヘミアン・ラプソディー」のポール・プレンター役など
[ロケ地]イタリア、ブルガリア