本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(8)

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エピソード1~14の続きです。

本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(1)
視聴に先立って本家を見直すのはだるいので、本作を入口にして本家をつまみ食いしようと思います。
本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(2)
エピソード3・4についてのまとめです。
本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(3)
エピソード5・6についてのまとめです。
本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(4)
エピソード7・8についてのまとめです。
本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(5)
エピソード9・10についてのまとめです。
本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(6)
エピソード11・12についてのまとめです。
本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(7)
エピソード13・14についてのまとめです。

各エピソードのまとめ

エピソード15(手放すのが怖い)

あらすじ

●ネイディーン・ハーリー(黒い眼帯の女性)が微笑みながら金のシャベルを担いで道路沿いを歩いてきます。彼女はガソリンスタンドへ行き、エドと話をします。彼を愛しながらも身勝手であったこと、彼がノーマと相思相愛であるにも関わらず嫉妬からふたりを引き離してきたことなど。ネイディーンはエドへの束縛を解くことを宣言。“ドクター・アンプ” ことジャコビー先生のメッセージにインスパイアされたようです。彼女はシャベルを担いでエドの元を後にします。エドは何かを思いながら、ネイディーンの後ろ姿を見つめます。

●RRカフェー(ダイナー)。エド・ハーリーはトラックで乗り付けます。そしてノーマに手を振ります。ネイディーンが自分を自由にしてくれたことを喜び勇んで伝えます。

●そこにウォルターがやってきて、ノーマは彼との約束を優先します。ウォルターはノーマに花を贈ったようです。放心して立ち尽くすエド。カウンター席に腰掛け、シェリーにコーヒーをオーダーします。

●ノーマはウォルターに話があるようです。「店名を “ノーマのダブルR” に変えるんだな」とウォルター。それは先日、彼が提案していたことです。ノーマは「そうではないの。フランチャイズ権を買い取ってほしいのよ」と言います。

●傷心のエドはRRカフェー(ダイナー)のカウンター席でじっと目を閉じています。

●ウォルターはノーマの意向に驚きます。店名を変えるつもりはなく、1号店のみを自分の店として大切にしていきたいと彼女は語ります。「君は大きなミスをした。きっと後悔することになる」と言い残してウォルターは店から出ていきます。

●目を閉じて地蔵状態のエド。後ろから肩に触れる手に気づきます。ノーマでした。エドは「結婚しよう」と言います。ふたりはキスをし、その様子を微笑みながらシェリーが見ています。

●ツイン・ピークスの空と雲。

●夜、車が道を走っています。運転席にはロン毛クーパー。黒い男の待っている廃墟のようなガソリンスタンドに車を停めます。男とロン毛クーパーは外階段を昇ります(2階はないけれどね)。ジリジリという音がし、階段の途中でふたりの姿は消えます。

●真っ暗な室内。「フィリップ・ジェフリーズは?」とロン毛クーパー。浮浪者風の男(ウッズマン)は装置のようなものにスイッチを入れます。一瞬周囲が明るくなります。彼はスイッチを切り替えます。男はドンと音を立てて杖をつき、案内人のような黒い影の男がロン毛クーパーを部屋の奥へと誘います。現れた階段を昇り、扉を開けるとそこにも黒い人影がありました。

●“8” と書かれたドアの前に進んで行くロン毛クーパー。振り返ると女性風の人(身体は女性っぽいが男顔。役名は “胸の大きな女性” で演じているのは男性)がいます。ヘンテコな活舌&イントネーションで「あなたのために、ドアの鍵を開けてあげる」と言います。鍵が開きます。ロン毛クーパーは中に入ります。

●点滅する蛍光灯のもと周囲を見回します。釣鐘状のものがあり、突き出た管のようなものの先に浮いた球があります。「ああ、お前か」という声。「ジェフリーズ。レイに俺の殺しを依頼したな」とロン毛クーパー。「電話はした」とジェフリーズの声。「5日前、俺に電話したか?」とロン毛クーパーが尋ねると「お前の電話番号を知らない」という答えが返ってきました。「では、ほかの誰かだったのか」とロン毛クーパー。

●回想シーン。フィリップ・ジェフリーズは「先に言っておくが、俺はジュディの話はしない」と言い、若きクーパー捜査官は振り返ります。

●ロン毛クーパーは「1989年、フィリップ・ジェフリーズはFBIフィラデルフィア支局に現れ『ジュディに会った』と言った」と語ります。ジェフリーズの声は「つまり、お前はクーパーか?」と尋ねます。そのときジェフリーズがジュディの話をしたがらなかった理由を知りたがるロン毛クーパー。「ジュディとは誰だ?彼女は俺に用があるのか?」と問うロン毛クーパーに対し、フィリップ・ジェフリーズは「直接ジュディに訊け」と言います。

●「俺からお前に教えよう」という声に、メモを内ポケットから取り出すロン毛クーパー。武闘派に見えて事務系グッズについても準備万端でマメな男です。白い球の中に数字が浮かびます。“485514” という番号のようです。再度「ジュディとは誰だ?」と問うロン毛クーパー。「お前はもうジュディに会っている」とジェフリーズ。「もう会っているとはどういう意味だ?」

●部屋の黒電話が鳴ります。フィリップ・ジェフリーズは何も答えず、ロン毛クーパーは黒電話の受話器を取ります。闇夜のガソリンスタンドに白いモヤがかかり、併設のコンピニ前の電話ボックスに彼は瞬間移動。しかし公衆電話は切れていました。

●電話ボックスから離れると、銃を構えたリチャード・ホーンが立っていました。「農場で見てすぐにわかった。FBIだな」とロン毛クーパーに話しかけます。リチャードは彼のスーツ姿の写真を見たことがあると言います。「その写真はどこで見た?」という問いに「お袋が持っていた」と返します。そして母の名はオードリー・ホーンであると告げます。

●ロン毛クーパーはリチャードを倒します。経験値が違いすぎるので当然の結果でしょう。リチャードにトラックの助手席に乗るよう言います。ロン毛クーパーは携帯電話から「ラスベガスは?」というテキストメッセージを送信。

●リチャードを乗せたロン毛クーパーのトラックは発進。ガソリンスタンドのコンビニエンスストア内で光が点滅。白い煙が噴き出します。やがてガソリンスタンドごと消失します。

●ツイン・ピークスの山の中。犬を連れた男性が獣道を歩いています。

●山中ではジャンキーのスティーヴンと女性(浮気相手のガーステン・ヘイワード)が身体を寄せ合っています。女性は理由を訊き、スティーヴンは「理由なんかない。俺がやった」と言います。「彼女がやったのよ」「いや違う。俺がやった」というやりとりが続きます。彼は銃に弾を装填。

●そこへ犬を連れた人物がやってきて、銃を持った尋常ではないカップルを見て逃げ出します。女性はスティーヴンから離れ、木の陰で銃声を聞きます。

●犬を連れた男性が “NEW FAT TROUT TRAILER PARK” に早足で戻ってきます。管理人のカール・ロッドに森の中で目撃したことを話します。そこにいたのはトレーラーパークの住人スティーブンだったと証言します。

●バンバン・バー。司会者はZZトップの “シャープ・ドレスト・マン” を紹介。フロアで客たちが踊ります。

●ボックス席にはレネーがいます。そこへジェームズ・ハーリーとフレディ・サイクスがやってきます。ジェームズはレネーに挨拶します。気分を害した彼女の夫チャックとその友人がジェームズに暴行を働きます。フレディが手袋をした腕で彼らを倒します。

●FBIラスベガス支部。ウィルソン捜査官がランドール・ヘッドリー特別捜査官の部屋に入ってきます。ダギーとジェイニーEを連れてきたことを知らせます。「子どもたちには手こずりました」とウィルソン捜査官。ふたりに子どもはサニー・ジム、ひとりしかいないはず。ドアを開けると4人の子どもを連れた三世代家族がいました。

●ラスベガス。ダンカン・トッドのオフィス。呼ばれてロジャーがやってきます。アンソニー・シンクレアから何の連絡もないことを知り、彼を捜し出すようトッドは指示。ロジャーの背後に黒いスーツの女性(シャンタル)が現れ、トッドとロジャーを銃で撃ちます。ダギー殺しに失敗したため、トッドと事情を知るロジャーが消されることになったのでしょう。

●殺し屋シャンタルは電話で「もしもし」と話し出しますが、うめき声のようなものを耳にして部屋へと戻ります。とどめを刺した後「ハニー。あと1人やるだけ。フライドポテトがいい。ケチャップ追加で」と電話しながら立ち去ります。

●ツイン・ピークス保安官事務所。留置所の8号にフレディ・サイクス、7号にジェームズ・ハーリーが収容されます。レニーの夫とその友人は集中治療室行きになったそうです。フレディとジェームズは奇声を発しながら空中で手を動かし続けているナイドに気づきます。

●暗がりの車中でシャンタルとハッチがハンバーガーを食べています。殺し屋という仕事について雑談しています。

●ランスロット・コートにあるダギーの赤いドアの家。テーブルについたスーツ姿のダギーにジェイニーEはチョコレートケーキをもってきます。彼は目の前にある調味料ケースを動かし、リモコンのボタンを押します。何度目かでテレビにスイッチが入ります。

●白黒映画「サンセット大通り」が画面に映ります。「ゴードン・コールに言え」というセリフに反応したダギーは目を見開きます。

●壁のコンセントに目をやるダギー。四つん這いになって近づきます。フォークの柄をコンセントに差し込むと電流がほとばしり、家中の明かりが消えます。

●マーガレット(丸太おばさん)はホーク保安官補に電話をします。自分が死ぬこと、死は変化であって終わりではないこと、これ以上は電話で話せないことを伝えます。そして「ブルーパイン山にかかる月の下にある “あれ” に気を付けて」と言います。

●夜空に三日月が出ています(二十六夜月くらいかな)。ツイン・ピークス保安官事務所の会議室。トルーマン保安官がパソコンに向かって何かしています。そこへアンディ、ルーシー、ボビーがやってきます。ホーク副所長に集まるよう言われたとのこと。ホークも遅れてやってきてマーガレット・ランターマンがこの世を去ったことを伝えます。

●オードリー・ホーンと夫チャーリーの家。「電話を待つのは、もううんざりよ」とオードリー。「この人、まだ同じことを言っていたんだ」と驚きます。考えてみれば延々といろんな場面がつながっているので長く感じますが、本ドラマは数日間についてのお話です。ふたりはロードハウスへ浮気相手のビリーを探しに出かけるかのようでしたが、チャーリーは外出を取り止めます。何かにつけ不平不満が多く、夫チャーリーに当たり散らすオードリー。このおばちゃんは、なぜこうなのでしょう。息子リチャードがグレたくなるのもわかる気がします。

●バンバン・バー。今宵パフォーマンスを披露するのは The Veils、楽曲は “Axolotl” です。イギリスのバンドのようですが、ツアーでアメリカにやってきたのでしょうか。ならず者っぽい二人組がひとりでボックス席にいたルビーに席を譲るよう圧力をかけます。彼女は床からバンドの演奏を見つめて叫びます。

登場人物メモ

※本家に登場している人は一部を除き、割愛しています。

[ワシントン州ツイン・ピークス関係者]

シリル・ポンス:犬を連れて山歩きしていた年配男性。脚本を書いているマーク・フロストが演じている。ウィル・ヘイワード役ウォーレン・フロストの息子

[バンバン・バー関係者]

チャック:レニーの夫。ビリーの車を盗んだチャックと同一人物か、別人かは不明。ただし年恰好の釣り合いから言って、オードリー・ホーンと話をする仲であるとは私には思えない

結局、どういうことなの?

エド・ハーリー、ネイディーン・ハーリー、ノーマ・ジェニングスの三角関係が解決へ。本家からずっと観ている人にとっては回収されなくてはならない材料かもしれませんが、私にとってはすごくどうでもよい話題です。ネイディーンがエドに自由を約束する決心に至るには “ドクター・アンプ” ことジャコビー先生の存在が必要だったのでしょう。退屈なので、この界隈の話はこれで終わりにしてほしいものです。

状況の描写から、ジャンキーのスティーヴンは山中で拳銃自殺をしたように思われます。彼周辺、シェリーの娘ベッキーの話にも関心が湧きません(清潔感がなく騒々しいので)。スティーヴンはトレーラーパークの人たちによって助けられるのかもしれませんが、彼らの話もこれで終わりにしてもらって問題ありません。

ロン毛クーパーは古いガソリンスタンドで、浮浪者風の男(ウッズマン)の仕切りでフィリップ・ジェフリーズと話をします。レイの話に出てきた “ダッチマン” とはここのことでしょうか。ジェフリーズは “ジュディ” を探すようロン毛クーパーに言い、ヒントになる数字を教えます。

ガソリンスタンド前にはリチャードが立っており、ロン毛クーパーに銃を向けていました。ロン毛クーパーはリチャードの母がオードリー・ホーンと知り、彼を倒して無力化したうえでトラックに載せて自分に同行させます。出発前に携帯電話から「ラスベガスは?」というテキストメッセージを送信。

[続・『ロン毛クーパー ⇔ ダイアン』のメールのやりとり]

  • “古いガソリンスタンド前” から “?”「ラスベガスは?」(エピソード15)<午後9:34> ⇒ 「俺たちが最後に会った夜のことを訊いてきたか?」の意味?

※ エピソード12の「ラスベガスは?」とは別の「ラスベガスは?」なのか、時間軸の前後関係を入れ替えて描写しているのかは不明

ジェームズ・ハーリーとフレディ・サイクスはバンバン・バーで暴力事件を起こします。留置所で汚職保安官補チャド、酔っ払い、そしてナイドに出会います。

ラスベガスのダンカン・トッド、側近のロジャーは殺し屋シャンタルに射殺されます。指定された期限内にダギーを殺すことができなかったことの落とし前と思われます。

ダギーは家のテレビで見た白黒映画のセリフに出てきた “ゴードン・コール” という名前に反応。壁のコンセントにフォークの柄を差し込んだことにより感電して意識を失います。

マーガレット・ランターマン(丸太おばさん)がこの世を去ります。

エピソード16(ノックもなく ベルも鳴らさず)

あらすじ

●暗い道路をロン毛クーパーはリチャード・ホーンを乗せて走ります。目的地に着いたようで車から降ります。ロン毛クーパーは「俺はある場所を探している。それがどんな場所かわかるか?」「3人の人間から、その場所の座標を聞いた。うち2つの座標が一致した。お前だったらどうする?」とリチャードに訊きます。「2つが一致した場所を調べる」と答えるリチャード。「お前は賢いな。その場所はすぐそこだ」とロン毛クーパーは言い、ふたりはその地点を目指して登っていきます。

●山中の木々の間からジェレミー・“ジェリー”・ホーンが走り出てきます。トラックが道に停まっていることに気づきます。双眼鏡を取り出して目に当てます。

●岩のところまでやってきたロン毛クーパーは「これを持って岩の上に乗れ」「近づくと音がピーピー鳴る。音が長くなったらその場所だ。何か見つけたら知らせろ」とリチャードに指示。

●リチャードは大きな岩に近づいていきます。ジェリーは遠くから、その様子を眺めています(ジェリーが気づいていたかどうかは不明だが、リチャードは親戚)。リチャードは大きな岩の上に登ります。「よし、ここだ!」と叫んだその瞬間、閃光で包まれ、叫び声を上げながら彼の身体は消えていきます。その光景に驚いたジェリーは膝から倒れこみます。ロン毛クーパーは「じゃあな、息子よ」と言い、トラックに戻ります。ジェリーは「なんて悪い双眼鏡なんだ!」と双眼鏡に当たります。

●トラックのヘッドライトのもと、携帯電話にテキストメッセージを入力するロン毛クーパー。「:-) すべて」と入力しましたが送信に失敗します。:-) は笑顔を表す顔文字のようです。ロン毛クーパーも顔文字を使うんですね。

●黒のワンボックスカーでシャンタルとハッチがランスロット・コートの住宅地に到着。ダギーの家を見張っています。そこへ黒のセダンが2台やってきて、スーツ姿の男たちが降りてきます。彼らは赤いドアのダギーの家へと向かいます。

●うち2人はFBIラスベガス支部のランドール・ヘッドリー特別捜査官とウィルソン捜査官でした。ドアをノックしても誰も出てこないので、ラッキー7保険を調べに行くことにします。

●病室。感電したダギーは昏睡状態でベッドに横たわっており、妻ジェイニーEと息子サニー・ジム、ラッキー7保険社長ブッシュネルが付き添っています。そこへミッチャム兄弟と3人の女性が見舞いにやってきます。ロドニー・ミッチャムはジェイニーEから自宅の鍵を借ります。食べ物を彼らの家に運んでおくとのことでした。

●1Fは “O’DONONAN’S RESTAURANT & PUB”。セキュリティシステム機器等が積まれた部屋にFBIゴードンはいます。

●病室。ジェイニーE、サニー・ジム、ブッシュネルが見守るなか、ダギーにつながれた計器が数値を刻んでいます。ジェイニーEはサニー・ジムをトイレへ連れていきます。病室の付添人はブッシュネルのみ。彼の携帯電話に部下フィルから連絡が入ります。FBIがダギーを訪ねてきたというのです。病院にいることを伝えたそうです。

●ランスロット・コートの住宅地に駐車している黒いワンボックスカー内に待機するシャンタルとハッチ。正面から車が1台やってきて停車。FBIラスベガス支部の二人組です。次いで白いリムジンと黒いワンボックスカーが到着。彼らは食べ物をダギーの家の中に運び入れます。

●白のベンツがハッチ&シャンタルの車の前までやってきます。車のボディには “ZAWASKI accounting. Inc” とあります。降りてきた男(ポーランドの会計士)は自分の車を駐車スペースに入れられないのでお前たちの車を移動しろと言いますが、ハッチ&シャンタルは拒否。男は自分のベンツで押して、ふたりの車をバックさせようとします。両者は銃で撃ちあい、その様子をFBIが見ています。

●ハッチ&シャンタルは現場から逃走しようとしますが、男に銃弾を撃ち込まれて絶命。ダギーの家から出てきたミッチャム兄弟は物々しい光景に銃を手にして警戒。ポーランドの会計士はFBIによって身柄を拘束されます。

●病室。不思議な音が聞こえてきます。ブッシュネルは音の出どころを探して病室から出ていきます。イスに “マイク” の顔が浮かび、ベッドのダギーは意識を取り戻します。

●「目を覚ましたな」と “マイク”。「完全に目覚めた」とクーパー。もはや “あのダギー” ではありませんでした。「もうひとりは戻ってこなかった。まだ外にいる」と “マイク”。「これを受け取れ」と緑の指輪をクーパーに渡します。「種は持っているのか?」とクーパー。“マイク” は小さな金の玉を示します。クーパーは後頭部から何かを取り(髪ですかね?)「もうひとつ作ってもらいたい」と依頼します。それを受け取って “マイク” は消えます。ジェイニーEとサニー・ジムがトイレから戻ってきます。

●ダギーに意識が戻っているのを知って妻と息子は喜びます。それまでのダギーではない超マトモな成人男性クーパーがそこにいました。ラッキー7保険社長ブッシュネルとも的確なコミュニケーションをとり「FBIが君を探しているそうだ」と聞かされたクーパー(ダギー)は「ちょうどよかった」と答えます。

●めっちゃ指示が的確な男クーパー。退院を決めるとさっさと病院を後にする準備に取り掛かります。社長ブッシュネルから32口径の銃を受け取り、電話を借りてミッチャム兄弟と会話します。ブッシュネルよりクーパー(ダギー)のほうがあたかも上位者のようであり「段取り上手な男は仕事ができる」という、どこかで聞いた言葉が思い出されます。

●クーパー(ダギー)はミッチャム兄弟にワシントン州スポケーンへの足を融通してくれるよう依頼。ロドニーはプライベートジェットを用意すると言います(スポケーンには空港がある)。彼らはカジノのロビーで20分後に待ち合わせる約束をします。ダギーとクーパーはキャラも能力も天と地ほど違っているのですが誰もそこに突っ込みません。不思議です。

●クーパー(ダギー)はFBIゴードン・コールへの伝言をブッシュネル社長に託します。感謝の意を伝え、握手をしてふたりは別れます。

●病院の前に白いBMWのオープンカーを停めて待っているジェイニーE。病院から出てきたクーパー(ダギー)が運転を代わります。これまで自分で運転するなど考えられなかったのに切れ味のよい運転技術を見せつけます。彼らはシルバー・ムスタング・カジノへと向かいます。

●クーパー(ダギー)の車と入れ替わるようにFBIの車が病院へやってきます。

●ホテルのバーカウンターにダイアンがいます。時刻は16時32分。携帯電話を見ると「:-)すべて」というメッセージ通知が画面に表示されていました(ロン毛クーパーが現場近くから送ったメッセージは “送信失敗” になっていたはずだし、時間帯も夜中だった。どこかから再送信したのかな)。

●メッセージを見たダイアンは動揺します。「クープ、思い出したわ」と独り言を言い「48551420117163956」と16時44分に返信。恐らくそれはフィリップ・ジェフリーズがロン毛クーパーに教えた “ジュディ” に関するヒントと一致します。

●ダイアンはバッグの中の銃を確認して立ち上がり、エレベーターに乗り込みます。FBIがオフィスとして使っている部屋に向かいます。

●部屋にはゴードン、アルバート、タミーがいました。ダイアンはクーパーが訪ねてきた夜のことを話し始めます。長いので箇条書きにします。

  • 音信が途絶えて3~4年後のある夜、当時まだFBIの捜査官だったダイアンのところへノックもせず、ドアベルも鳴らさず、クーパーは入ってきた
  • リビングのソファに腰掛けてふたりは話をした
  • ダイアンはクーパーがどこで何をしていたのかを知りたかったが、彼はFBIフィラデルフィア支局で何があったかを聞きたがった
  • 彼はダイアンに近づきキスをした
  • 彼はダイアンが違和感と恐れを感じているのを見抜いた
  • 彼は微笑み、ダイアンをレイプした
  • その後、古いガソリンスタンドへと連れ出された

●感情を高ぶらせながらひとしきり語ると、ダイアンは携帯電話の「:-)すべて」というテキストメッセージを見ます。受信は今日の15時50分となっています。先ほど同じメッセージには返信しましたし、受信時刻も異なるので別のものでしょうか。

●「私は保安官事務所にいる」「彼に座標を送ったの。なぜなら私は私じゃないから」とダイアン。バッグから銃を取り出して構えますが、いち早くアルバートによって撃たれます。撃たれたはずのダイアンの身体がイスから消えます。「本物だったのね、今のが本物のトゥルパ(化身)」とタミー。

●ダイアンは赤い部屋にいます。「誰かが作ったのだ、お前を」と “マイク” が言います。「わかってるわよ。くそったれ!」とダイアン。彼女の顔が破れ、内側の暗闇から金色の玉が現れます。金色の玉を残し、ダイアンは白い煙となって赤い部屋から消えます。

●シルバー・ムスタング・カジノのロビー。ミッチャム兄弟がクーパー(ダギー)たちを待っています。クーパーは「しばらく遠くへ行くことになった。君たちと過ごした時間は楽しかった。お陰で心が満たされた。私たちは家族だ。私は必ず帰る」とジェイニーEとサニー・ジムに言います。「あなたはダギーじゃないの?」とジェイニーE。「嘘だ。僕のパパだよね」とサニー・ジム。「赤いドアから帰り、ずっとそばにいる」とクーパーは約束します。

●ミッチャム兄弟の車の中。「ダギー、もう一度整理させてくれ」とロドニー・ミッチャム。「お前は保険会社の人間ではなくFBI捜査官であり、25年間失踪していた。これから行くのはツイン・ピークスという町の保安官事務所。我々のような者は保安官のような人たちに歓迎されないんだ」という言葉に「友よ。これからは違う。君たちが黄金の心をもっていることは私が保証する」とクーパー(ダギー)。

●バンバン・バー。司会者はエドワード・ルイス・セバーソン3世を紹介。彼はギターを弾き語ります。そこへオードリー・ホーンとチャーリーがやってきます。「さんざん揉めて、結局来たのかい?」という感じです。

●カウンターでマティーニを掲げ、乾杯するふたり。そこで司会者によってオードリーが紹介されます。彼女は怪しい音楽(ジャズ。本家でよくBGMで流れていた曲)に合わせて不思議なダンスを踊り始めます。ホールで男同士が喧嘩を始めたため、オードリーは「ここから連れ出して」とチャーリーに懇願します。次の瞬間、白い部屋の丸い鏡の前に彼女はいます。

登場人物メモ

※本家に登場している人は一部を除き、割愛しています。

[バンバン・バー関係者]

エドワード・ルイス・セヴァーソン3世:現実世界ではエディ・ヴェダーという名でパールジャムというバンドのボーカルをしている人。そのパフォーマンスはオルタナティブロックに属するようだが、本作中の楽曲 “OUT OF SAND” にはフォークやカントリーの雰囲気を感じる

結局、どういうことなの?

正しい座標を知りたかったロン毛クーパーは、その検証にリチャード・ホーンを利用します。リチャードは岩の上から姿を消しましたが、異次元のどこかに移動して存在し続けているのかもしれません。

ロン毛クーパーが座標情報の情報源とした3人の人物とは誰でしょう。確実なところはわからないのですが、①ヘイスティングスの秘書ベティ(レイ・モンローを通じてメモ)、②図書館司書ルース(ダイアンの記憶に基づく)、③フィリップ・ジェフリーズ(座標というより “ジュディ” に関する情報として提供されたもの)辺りと思われます。ほかにあるとすれば少佐でしょうか。

ロン毛クーパーとダイアンはテキストメッセージを通して、何かを伝えあっているようです。

[続続・『ロン毛クーパー ⇔ ダイアン』のメールのやりとり]

  • “2つの座標が一致した場所近く” から “?”「:-)すべて」(エピソード16)<午前2:05> ※ ただし、これは送信に失敗したようである。
  • “?” から “ホテル”「:-)すべて」(エピソード16)<午後4:31> ⇒ 文字通りに解釈すれば「座標の数字をすべて教えろ」だが、「嬉しい」を示す顔文字を使った理由は不明
  • “ホテル” から “?”「48551420117163956」(エピソード16)<午後4:44>
  • “?” から “ホテル” 「:-)すべて」(エピソード16)<午後3:50> ⇒ ダイアンは返信していない。時間も<午後4:31>より前を示している

病室に現れた “マイク” は「もうひとりは戻ってこなかった。まだ外にいる」と言っていました。「戻るはずだったが、戻ってこない」感を感じます。

エピソード2で “進化した腕(話す木)” はクーパーに、 “ボブ” に憑りつかれた自分のドッペルゲンガーを思い出させようとし、「まず彼が戻らねばならない。そうすればお前はここを出ていける」と言っていました。

戻ってこなくてもクーパー捜査官は覚醒できているじゃないか、悪いほう/いいほう両方生きているじゃないか(ダギーは消えたけれど)、筋の通った説明をもっと詳しく教えてほしいと思いましたね。

とにかく、ロン毛クーパーにはダギーを消すという確固たる意思があります。

赤い部屋で「お前は作られた」と “マイク” に言われたのはダイアンだけでなく、ダギー・ジョーンズもそうでした。つまり彼らは便宜上必要とされた存在。ダギーもダイアンも小さな金の玉になってしまいました。“マイク” は金の玉を作ることができるようですね。

“ロン毛クーパー(=悪いクーパー)が生じたので善きクーパー(スピリット)の引き換えとしてダギーが必要となった” のであれば、“ロン毛クーパーの協力者として作られたダイアンに対して善きダイアン(スピリット)の乗り物になっている人物がいる” はず。その人物がツイン・ピークス保安官事務所にいることになります。

またジョーンズ親子(ジェイニーEとサニー・ジム)の元を去るとき、クーパーは「君たちと過ごした時間は楽しかった。お陰で心が満たされた」と言っています。ダギーとして過ごしていたとき、あたかも知能や認識力が低下しているかのようでしたが、何が起きていたかを認知できていたということでしょうか。ともあれ、クーパーの心が満たされたのであれば、けっこうなことです。

本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(9)
エピソード17についてのまとめです。
本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(10)
エピソード18(最終話)についてのまとめです。
「リミテッド・イベント・シリーズ」“回収されていない謎”一覧(おまけ)
「リミテッド・イベント・シリーズ」を観て「結局なんだったの?」と思った伏線を取り上げました。
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