本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(10)

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エピソード1~17の続きです。今回は最終エピソードです。

本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(1)
視聴に先立って本家を見直すのはだるいので、本作を入口にして本家をつまみ食いしようと思います。
本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(2)
エピソード3・4についてのまとめです。
本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(3)
エピソード5・6についてのまとめです。
本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(4)
エピソード7・8についてのまとめです。
本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(5)
エピソード9・10についてのまとめです。
本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(6)
エピソード11・12についてのまとめです。
本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(7)
エピソード13・14についてのまとめです。
本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(8)
エピソード15・16についてのまとめです。
本家「ツイン・ピークス」はさておき「リミテッド・イベント・シリーズ」を観る(9)
エピソード17についてのまとめです。

各エピソードのまとめ

エピソード18(君の名前は?)

あらすじ

●赤い部屋。イスに腰掛けたロン毛クーパーが燃えています。金の玉がイスに置かれます(ロン毛クーパーが形を変えたものはどうかは不明)。「電気だ」と “マイク” は言い、恐らくは病室でクーパー捜査官から渡された髪を触れさせます。髪と金の玉が一体化して宙に浮きます。金の玉はクーパーに姿を変えます。

●「自分はどこにいるんだ?」とクーパーは “マイク” に訊きます。

●ランスロットコートの赤いドアのダギーの家。チャイムが鳴り、ジェイニーEがドアを開けるとそこにはクーパー(ダギー)が立っていました。サニー・ジムも駆け寄ります。「家だ」とクーパー(ダギー)

●暗がりでクーパーはローラの手を引いています。「クルックルッギリギリッ」みたいな音がします(「ジリッジリッ」とも違うような…)。大きな悲鳴を上げてローラの姿が消えます。

●赤い部屋。“これは未来か、それとも過去か” と言い、“マイク” はイスから姿を消します。

● “マイク” は赤い部屋の角に立っています。カーテンの向こうへ行く彼の後にクーパーが続きます。通路らしきところを抜けて、もうひとつの部屋へ入ると “進化した腕(話す木)” がいました。「ジリッジリッ」という音がします。「私は腕だ」「私はこんな音をたてる(急須でお茶を注ぐような音)」「この物語は、あの少女についての話か」「彼女は通り沿いに住んでいた?そうなのか?」

●エピソード2によれば “進化した腕(話す木)” は “ボブ” や “ドッペルゲンガー” については多大な関心があるようでした。しかしここで「あの少女の件か」と尋ねるということは、これまであまり関心がなかったように思えます。

●赤い廊下の後に赤い部屋。ローラがクーパーの耳元で囁き、その後、大きな悲鳴を上げて空中へ引っ張られていくシーン。ローラは消えますが、クーパーはそのままイスに座っています。

●クーパーは赤い部屋へ入ってきます。そこにはリーランド・パーマーが座っています。彼は「ローラを見つけろ」とクーパーに言い、この部分もエピソード2と被っています。クーパーは赤い部屋から出ていきます。

●右手を伸ばしてクーパーが前に進むと右側の赤いカーテンが揺れます。クーパーはカーテンの向こうへ足を踏み入れます。葉を付けていない木々があり、円形の水たまりのようなもの(池と呼ぶには小さい)がありました。

●その向こう側に赤い髪のダイアンが立っていることに気づくクーパー。近づくと「あなたなの?本当にあなた?」とダイアン。「そうだ」とクーパー。彼は「本当に君か?」と尋ね、ダイアンは「そうよ」と答えます。

●葉を付けていない木々と、円形の水たまりのようなもの。その後、背景は赤いカーテンから暗闇へと変化します(私のモニターではそのように見えました)。

●赤い髪のダイアンを助手席に乗せて車を運転するクーパー。「本気でやるの?その結果どうなるか…」とダイアンが言うと「わかっている」「じきに着くぞ。私は感じる」とクーパー。

●「見ろ。走行距離はほぼ430マイル」と言い、クーパーは車を停めて「きっかり430マイルだ」と告げます。エピソード1で “消防士” または “巨人” が彼に言っていたのは「忘れるな。430」「リチャードとリンダ」「2羽の鳥と1つの石」でした。

●ダイアンは「よく考えて、クーパー」と言います。彼は引き返せない何かをこれからなそうとしているのでしょう。助手席にダイアンを残し、クーパーは車から外に出ます。そこには送電線があり「ジリッジリッ」という音がしていました。車に戻ったクーパーは言います。「ここがその場所だ」

●「キスしてくれ」とクーパーは言いますが、ダイアンはためらいます。「ここを超えたら、すべてが変わる」と言うクーパーをじっと見つめるダイアン。その後ふたりはキスします。

●「行きましょう」とダイアン。クーパーは車を発進。ジリジリ音をたてる送電線の脇をゆっくり走行します。430マイル地点を超えた時点で、ふたりの生きる世界がシフトしたと私は考えます。

●夜の道路。クーパーとダイアンは車で移動、やがて古びたモーテルに到着します。クーパーはオフィス(フロント)のドアを開けて入っていきます。ダイアンは柱の陰に髪や服装が自分にそっくりな女性を見ます。オフィスからクーパーが出てきます。“7” の部屋の前で立ち止まります。ダイアンも車から降りて部屋に向かいます。

●モーテルの室内。「明かりを消せ」とクーパーは指示。「次はどうする?」とダイアン。「こっちへ来い」と彼は言います。その後はクーパーと赤ダイアンのラブシーンが続きます。ダイアンは両掌でクーパーの目を覆います。その覆われ方が、目を塞がれたナイドと被ります。

●翌朝、モーテルのベッド。クーパーはいますが、ダイアンの姿はありません。メモ書きが残されていました。「リチャードへ。私は出ていきます。探さないで。もうあなたがわからない。私たちが共有したことは終わった。リンダより」という内容です。「リチャード、リンダ」とクーパーはつぶやきます。

●クーパーが部屋から出てきます。チェックインしたモーテルは1階建でもっとボロボロに見えました。出発するモーテルは2階建でややキレイです。クーパーは車のドアを開け、部屋の方向へと振り返ります。そして車を発進させます。近くには “進化した腕(話す木)” に似た植栽、被さっていた繭にも似たガーデンライトがありました。

●テキサス州オデッサ。クーパーは “JUDY’S” というコーヒーショップを見つけて立ち寄ります。コーヒーをサーブしにテーブルにやってきたウエイトレスに尋ねると「ほかにもウエイトレスはいるが、休んで3日になる」とのことでした。

●ウエイトレスに嫌がらせをするカウボーイたちを制止するクーパー。うちひとりに銃を突き付けられ、外に出るよう言われます。クーパーはまとめてカウボーイ3人を成敗します。

●銃をもったクーパーは不穏な空気を店内にもたらします。「もうひとりのウエイトレスの住所と名前を書け」と指示。彼女が書いている間にフライヤーにカウボーイたちの拳銃を入れるクーパー。

●クーパーはメモに書かれた住所の家を訪ねます。1516番地、近くの電柱のナンバーは “324810-6” でした。お金持ちの感じがしないというか、貧乏そうなエリアです。電柱のトランスがジリジリという音をたてています。

●ノックすると「誰?」という女性の声。「FBIだ」とクーパーが言うとドアが開き「彼を見つけたの?」と言います。クーパーは「ローラ」と声をかけますが、彼女は「見つけてない?」。再度「ローラ」と言うと「家を間違えている」と言われます。

●「君はローラ・パーマーではないと?」とクーパーが問うと「ローラって?」と問い返されます。彼女の名は “キャリー・ペイジ” とのことでした。

●「“ローラ” と聞いて何も感じないか?」とクーパーが聞いても「何を調べているか知らないけど私はその人じゃない」と全否定。「父の名は “リーランド”、母の名は “セーラ”」とクーパーが言うと、“セーラ” のほうに多少の反応がみられました。「説明することは難しいが、君はローラ・パーマーのはずだ。君を以前住んでいた母の家に連れていく」

●キャリーには今の家を出ていかねばならない事情があり、FBIと一緒であるのは好都合と踏んだようです。室内のソファには頭を撃ち抜かれた男の死体がありました。青い飾り皿の前に白い馬のオブジェが置いてあります。電話が鳴っているような音がします。

●クーパーとキャリーは出発します。「本当にFBIの捜査官なの?」とキャリー。クーパーはバッジを提示します。

●夜、ふたりの車は走り続けます。後続の車のライトに気づきます。「誰かがつけているの?」とキャリーはクーパーに尋ねます。後続車はやがて左折して消えます。

●「オデッサ。私は家をきれいにして、全部きちんとしようとした」と語り始めるキャリー。そして「あの頃、私は若く何もわかっていなかった」と “神田川” 的心情を吐露。

●ふたりの車は夜のガソリンスタンドに停まっています。用を済ませたふたりは車に乗り込みます。車は橋を越え、ツイン・ピークスのRRカフェ(ダイナー)の角を曲がります。

●「何か見覚えは?」という問いに「ないわ」と答えるキャリー。セーラ・パーマーの家の前に車を停め「あの家に見覚えは?」と訊きますが、やはり「ない」と首を振ります。ふたりは車から降り、明かりを灯しているセーラ・パーマーの家へと歩いて向かいます。

●ノックすると中から長い金髪の女性が出てきました。クーパーはバッジを示し、FBIの人間であること、セーラ・パーマに用があってきたことを伝えます。戸口の女性はセーラ・パーマはいない、彼女を知らない、自分たちはこの家の所有者だと言います。「誰から買ったのか?」とクーパーが問うと、女性は夫でしょうか、姿の見えない人物に尋ねたうえで「ミセス・チャルフォントよ」と答えます。

●「彼女の前の所有者は?」と質問を続けるクーパー。「わからない」とのことでした。戸口の女性に名前を訊くと「アリス・トレモンド」と答えます。クーパーとキャリーはパーマー家だったはずの家を後にします。

●ふたりは708番地の邸宅を見上げます。「今年は何年だ?」とクーパー。キャリーは家の方角から聞こえてくる「ローラ!」という呼び声に悲鳴を上げます。邸宅内の明かりはすべて消えます。

登場人物メモ

※本家に登場している人は一部を除き、割愛しています。

[テキサス州オデッサ関係者]

キャリー・ペイジ:ローラー・パーマーに瓜二つの女性。 “JUDY’S” というコーヒーショップでウエイトレスをしている

[ワシントン州ツイン・ピークス関係者]

アリス・トレモンド:セーラ・パーマーの住んでいた708番地の邸宅の所有者。演じるメアリー・リーバーは実際にあの邸宅の所有者であるそうだ。本家シーズン2のエピソード2に “トレモンド夫人” が孫のピエールと登場するが、住んでいたのはもっと貧しそうな家だったし「パーマー家の今の住まいは昔、私の家だったのよ」的な気配はまったくなかった。さらに別人 “トレモンド夫人” がエピソード9に登場。トレモンド夫人’s はマジシャン的存在。なお「Twin Peaks: The Missing Pieces」の配役をみるとエピソード2に出てきたトレモンド夫人のところに(チャルフォント)とある。同作を見ていないのでわからないが、トレモンド夫人は「ミセス・チャルフォント」なのか?

結局、どういうことなの?

数々のトラップ

「ツイン・ピークス」シリーズは難解とされ、実際のところ咀嚼しきれないところが多々あります。それなら小細工しなくていいようなものですが、わざわざトラップを設けている節が見受けられます。

[トラップいろいろ]

私が嵌ったものを挙げておきます。

●名前と見た目のトラップ

エピソード1: “消防士” または “巨人” の言葉「リチャードとリンダ」

  • “リチャード” とは “リチャード・ホーン”、“リンダ” とは “NEW FAT TROUT TRAILER PARK” に住んでいる “リンダ” かと思っていました。
  • “リチャード” とは “420マイル線” を超えたクーパー、“リンダ” とは “420マイル線” を超えたダイアンなんじゃないかと思います。最終のエピソード18まで回収されませんでした。

エピソード3・4のジーン&ジェイク(ダギーを狙う殺し屋)とエピソード6のジミー&トミー(ダギーの借金取り)

  • ひとりは萎んだ感じのやせ形でおでこが広くて髭づら。もうひとりはしっかりした体躯でツルンとした顔で髪を後ろで結んで髭づら。
  • どちらもそのような二人組にしたのはわざとだと思います。

エピソード2ほかのダンカン・トッドとエピソード4ほかのワリック

  • ダンカン・トッドはロン毛クーパー陣営。ワリックはカジノの従業員でミッチャム兄弟陣営。同じラスベガスにいますが、対立する立ち位置にあります。
  • 違う人と認識してしまえばもちろん別人なのですが、惑わされる程度には似ています。

ビル&ビリー

  • 私ごときが申し上げるまでもありませんが、ビル、ビリーはウイリアムの愛称です。
  • ウイリアム(ビル)・ヘイスティングスは比較的大きな役割を担っていますが、男性端役の中でもさらに端役が “ビル” か “ビリー” です。例えばジェイドによってカジノに送り込まれたダギーが遭遇する友人がビル・シェイカー。FBIゴードンがデニス・ブライソンに会いにいったとき、ゴードンと近況を話しているのがビル・ケネディ。オードリー・ホーンが探していたのはビリー。面倒なのでまとめて “太郎” にした、みたいな感じでしょうか。

●日本人の目の特性を考えていないことから生じるトラップ

画面が暗すぎる

  • 暗がりのシーンでは何が起きているのか、誰なのかが非常にわかりづらいです。わざわざモニターの明るさ調整をすることまではしませんでした。

●物語を勘違いさせるトラップ

“リトルフィールド案件“ と不正と保険金

  • ダギー(クーパー)が「嘘をついている」と指摘した案件があり、それによってミッチャム兄弟に保険金が支払われなくなったと誤解するような展開になっている
  • 「嘘をついている」案件とミッチャム兄弟の案件は無関係だった
装置あれことれ

解釈は私によるもので公式のそれではありません。

  • 赤い部屋:中間地点。地上へ行くときも、死んだときも通過する。最終到達地や永続的に滞在する場ではない。周波数が違いすぎる場にいきなりシフトしたり、次元の違うもの同士が対面することが困難なので中間的なステップとして使われるところ
  • 緑の指輪:指輪をすることで次元移動できる。乗り物みたいな役割をする
  • 金の玉:クーパーは “種” と言っていた。髪と触れさせることで、その個体を生み出すことのできるエッセンス。存在が消失することで金の玉にすることができる
  • 進化した腕(話す木):意図をもつ送電線。「何かすごい存在なのかも」と当初は思ったが、最終話に至り、世界を統合・統一するような大物感は感じられない。“知識の木” みたいな感じで、全知かもしれないが全能ではない印象
  • 円形の水たまり:濁っているが、天窓に姿を変えてビジョンを映し出す
  • ブエノスアイレスにある受信機:メッセージなどを転送する装置と思われる。誰が管理している物品かがわからない
  • “324810-6” の電柱:少年が交通事故死した場所、キャリーの家のそばにあった。アンディもビジョンを見ている。何かの中継スポットではないかと思う
で、結局、どういう話だったの?

クーパーからの依頼により、金の玉(“種”)とクーパーの髪でもうひとりのクーパー(ダギー)が生成され、彼はジェイニーEとサニー・ジムのところへ戻ります。ダギーはラスベガスで保険調査員として幸せな家庭生活を送ることでしょう。

これでダギーの物語はハッピーエンド。めでたし、めでたし。「そんなふうに簡単に分身を作れてしまうんだ」と驚きつつ、ファンタジーのハッピーな側面として理解しました。

残されたのはクーパーの物語。もう少し広げて言うとクーパーとダイアンとローラの物語です。

クーパーとダイアンは、どこから起算しているのかわかりませんが「420マイル」の地点へとやってきます。そこを超えると後戻りはできず、すべてが変わる。それを理解したうえでクーパーは “ジュディ” 探しを決断、そんな感じでしょうか。

彼らは夜目に古めかしい平屋建モーテルの7号室に宿泊します。もうひとりのダイアンが姿を現します。ダイアンが「420マイル線」を超えたところではリンダであることを示すものだと私は思います。

クーパーはクーパーとしての意識を保っているようですが(ダイアンも同じかも)「420マイル線」を超えた世界ではクーパーはリチャード、ダイアンはリンダであり、リンダはリチャードに別れを告げます。「420マイル線」を超えてしまった男と、ともに居続けることは無理との判断でしょう。

夜より新しい外観になっているモーテルを、クーパーはひとりでチェックアウトします。おそらく光の加減によるものでしょうが、クーパーの顔つきが随分とおじいさんに見えます。

テキサス州オデッサでローラ・パーマーと思われるウエイトレスのキャリーを見つけます。“ジュディ” とは女性の名前だと思い込んでいましたが、そうではなく店の名前でした。彼女を連れてツイン・ピークスへ戻るクーパー。

クーパーとキャリー(ローラ)を見ていると、歳をとるとは顔のフォルムからエッジが失われていくことなのだと改めて気づかされます(他人のことは言えない)。

さて、キャリー(ローラ)をかつて暮らしていたセーラ・パーマーの家へ連れていきますが、彼女はその場所に見覚えがなく、住んでいたのはセーラではありませんでした。

混乱したクーパーは「今は何年だ?」と訊きます。キャリーは家のほうから「ローラ!」という声を聞き、叫び声を上げます。そこで全18エピソードが終了。

私の想像力の欠如によるものかもしれませんが、結末の解釈はシンプルです。

クーパーはあたかも直線的に存在している時間軸を(“1989年2月23日” 深夜にローラが林の中で姿を消したことによって変わったはずの世界線上を)移動しているつもりだったかもしれません。実はそうではなく「420マイル線」を超えたことでパラレルワールド(平行世界)へとシフトしたのだと思います。

したがって同じ姿形であっても名前や設定はまったく異なり、異なる設定の平行世界の自分のことなど知らないわけです(クーパーは平行世界を自分の意思で移動してきたため元の意識を保っている)。ただし、この世界と平行世界の間には結節点があり「ローラ!」という呼び声に何かが反応してキャリーが悲鳴を上げたのはそのためです。

“平行世界” と書きましたが “反転した世界” と言えるかもしれません。キャリーが叫んだことで “ジュディ” (極度にネガティブなフォース)が起動。708番地の邸宅の明かりが消えたのはそれを示しています。

エピソード8によれば “ローラ” はポジティブな種子として地球に投下されています。“ジュディ” はそれに対立するフォースです。“善” であるからこそ “極度にネガティブなフォース” を呼び覚ますことができます。光と闇、善と悪の二元的対立はどこにでも、重箱の隅を突けばどんな細部にもみられます。しかし視点を広くもったところで「一事が万事」「相似形のように」二極として存在し続けています。

…という感じで終わりかな、と思いました。

順序としては逆ですが、本家も少し見直してみます。「ああ、そういうことだったんだ」というところがあるかもしれません。時間がたくさんあるわけでなし、2017年の本作を先に観たかっただけです。

「リミテッド・イベント・シリーズ」“回収されていない謎”一覧(おまけ)
「リミテッド・イベント・シリーズ」を観て「結局なんだったの?」と思った伏線を取り上げました。
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