「ダーク」がリリースされた直後は「ドイツ版『ストレンジャー・シングス』」と表現されたりもしましたが、果たして両者は似ているのでしょうか。話の入口と主要な枠組みは似ていますが、それ以外はあまり似ていないと思います。
【似ている点】
- [物語の始まり]少年が失踪するところから物語が始まる
- [研究と企み]子どもを実験台にして何やら研究をしている人たちがいる
- [並行世界]自分たちのいる世界に対して、影のような裏世界があるという二元的な並行世界の発想
- [並行世界との間ですること]ふたつの世界の通路を見つけようとしたり、塞ごうとしたりする
【似ていない点】
- [群像もの]「ストレンジャー・シングス」は子どもたちの群像ものだが、「ダーク」は子どもがいろいろ登場しても個々が勝手に動いているだけで群像として描かれてはいない
- [家族もの]「ストレンジャー・シングス」は親と子の関係性にも焦点を当てているが、「ダーク」は “こんな親“ と “こんな子“ というキャラの組み合わせが示されるだけで、親は親、子は子でやはり勝手に動いている。家族の物語というよりは家系の話になっている
- [並行世界の関係性]「ストレンジャー・シングス」では裏世界との攻防が繰り広げられるが、「ダーク」はそれぞれの世界に繰り返される共通のパターンに気づき、両者を統合することで根本的な解決を図ろうとする
- [超能力者]「ストレンジャー・シングス」には “イレブン” という超能力少女が登場するが、「ダーク」では装置が超常的な現象を起こすだけで主体的な超能力者はいない
「ストレンジャー・シングス」はシーズン1~2は面白いです。シーズン3も面白くはあるのですが、シーズン1~2のようなドキドキワクワク感は少なめで、大掛かり&よくある娯楽ものテイストが強くなります。シリアスな展開の一方でコメディ要素もあります。
挿入音楽は「ダーク」のほうが好きかな。重め、暗めが多いけれど。総じて「ストレンジャー・シングス」のほうが大衆的。しかし、それも悪いことではないでしょう。
「ストレンジャー・シングス」は、ダファー兄弟という絵に描いたようなナードによって制作されているため、そっち系の方が観ると、また違った味わいやツボがあるのかもしれません。私はナードではありませんので、舞台が1980年代ということで己の若かりし頃のムードを回想できるところがツボです。
2016年がシーズン1の配信で、2022年にシーズン4が公開される「ストレンジャー・シングス」ですが、制作期間が5年以上にもなると子役たちの成長スピードがただごとでなく、その点で2017年が最初の配信、2020年のシーズン3で完結した「ダーク」のほうが不自然さが少ないです。
個人的には「ストレンジャー・シングス」の陰キャラ・ジョナサン役のチャーリー・ヒートンが、以前「コマネチ」というバンドに在籍していて、メンバーのアキコ・マツウラさんとの間に子どもがいる、という話を興味深く感じています。「コマネチ」というバンド名はビートたけしの「コマネチ」から採っていて、イギリスのパンクバンドです。私が観た動画では、アキコさんがすごいコスチュームを着てドラムを叩きながら歌っていました。チャーリーは「ストレンジャー・シングス」で共演したナタリア・ダイアーと現在交際しているようです。ナタリアはお人形のように可愛らしい女性ですが肉感的なところが皆無ですし(首から下が子どものよう)、アキコさんも個性的なので「いかにも女っぽい人」以外が好みなのかもしれません。チャーリーは早い時期に父親になったのか、実はまだ27歳と若いんですね。