「ラグナロク」(原題: “RAGNAROK” )にはマンガもゲームもありますが、私が取り上げるのはノルウェー&デンマーク制作によるドラマです。
シーズン1・2と視聴していました。面白かったのですが、特に何も書いていませんでした。このたびシーズン3がリリースされたということで、遡って「ラグナロク」シーズン1~2についてまとめます。
当初、シーズン1~3までまとめて一投稿にしていました。しかし縦スクロールが長すぎるので分割することにしました。ロケ地情報も別ページに移動しました。
北欧神話がベースのドラマ「ラグナロク」(シーズン3)を観た:ロケ地情報あり
こちらはシーズン3について。架空の街を舞台としていますが実在の街で撮影しており、そのロケ地情報もまとめました。
ファンタジーものに対する好き嫌いがはっきりしている私ですが「ラグナロク」は好きです。
ドラマの舞台
「ラグナロク」とは北欧神話における “終末の日”。ドラマの冒頭で「天災から始まり、最終的に神々と巨人の決戦を迎える」と解説されています。「 “神” は秩序を “巨人” は混乱を象徴し、両者の闘いで均衡が保たれていた。しかし神々は滅び、巨人は行方知れずになった」とのこと。
このドラマでは「エッダ」という架空の街が舞台となります。地名は、1222年頃にアイスランドの詩人スノッリ・ストゥルルソンが著した北欧神話等を解説した本「エッダ」にちなんでいると思われます。架空の街ですが、作中の高校の授業では「ノルウェーで最後にキリスト教が浸透した街」と言っています。
撮影か行われたのは “Odda(オッダ)“ という街です。ノルウェーのヴェストラン県ウレスヴァン市にあります。ロケ地情報はコチラへ。
シーズン1(2020)
高校生活をベースに物語が展開し、学園ファンタジーのテイストを強く感じます。その点でドイツのドラマ「ダーク」に少し似ています。
エッダへの引っ越しを機に能力の一端を開かれ、天候の変化を予知したり、とんでもない力持ちになったり、視力が上がってメガネが要らなくなったりと、自分の能力の変化に気付く主人公マグネ。一方でエッダの有力者であるヨツール一家の普通でなさすぎる一面も描かれます。
クラスメイトが物語に絡むことが多いシーズンです。マグネがクラスメイトのイゾルデの死の真相に迫るなどサスペンスドラマとしての要素もあります。
登場人物
- マグネ・サイエル:主人公。大柄でガッシリした身体つき。エッダ高校の転校生。ディスレクシア(失読症)。友だちができず “ぼっち” のイゾルデと仲良くなる
- ラウリッツ・サイエル:マグネの弟。飛び級しており兄と同じクラスで学ぶ。社交的な性格の優男
- フィヨル・ヨツール:ヨツール工業の跡取り息子。エッダ高校3年生。イケメンで女子に人気がある
- サクサ・ヨツール:サイエル兄弟の同級生。美人で男子に人気がある。フィヨルの妹
- グリー:サイエル兄弟の同級生。フィヨルやマグネの憧れの対象。母親は美容室経営、父親はかつてヨツールの工場で働いていた
- イゾルデ・エイズヴォル:サイエル兄弟の同級生。環境活動家で友だちがいない。趣味はパラグライディング。母はガンで他界している
- イマン・レザ:マグネ&ラウリッツの後にやってきた転校生
- トゥリド・サイエル:マグネとラウリッツの母。マグネが6歳のとき、夫アスヴョルンを事故で亡くしてエッダを離れる。息子ふたりを連れて戻ってからはヨツール工業の経理部で働く
- ラン・ヨツール:エッダ高校の校長で英語の教師。高身長でモデルのようなルックス。フィヨルとサクサの母
- ヴィダル・ヨツール:ランの夫。フィヨルとサクサの父でヨツール工業の経営者。やはり高身長のイケメンだが、獣のような一面をもっている
- エーリク・エイズヴォル:エッダ高校の教師でイゾルデの父。北欧神話に詳しい
- シンドル・シルマー:エッダ高校のスクールカウンセラー
- 黒い眼帯の高齢男性:ところどころで登場する
- スーパーのレジ係の高齢女性:額に触ってマグネの能力を開く。謎めいた言葉を告げる
導入部のあらすじ
- 主人公マグネは弟ラウリッツとともに母の故郷エッダへ引っ越す。そこで黒い眼帯をした高齢男性に出会う。彼とともにいた高齢女性に額を触れられ、マグネの瞳は青色に変化する。そのときからマグネの不思議な能力が開花していく。彼は常人では不可能な飛距離でハンマーを投げるようになる。
- マグネの能力に気付いたヴィダル・ヨツールは、息子フィヨルと娘サクサにマグネを見張るよう指示する。その後マグネが “神族” なのか “巨人族” なのかを確認しようとする。
- ヨツールの工場排出物がフィヨルドの水質を汚染しているとの批判もあるが、地元がヨツールから受けている恩恵が多大であるため、地域住民がそれを口にすることはない。
- 転校してからマグネが唯一仲のよかったクラスメイトのイゾルデが死ぬ。警察は事故として処理するがマグネはヴィダル・ヨツールの関与を疑う。
みどころ/知っておくとよいこと
- [北欧神話の神族:トール]「天候を操る豪勇の神。法と秩序の象徴として文明の敵と戦う」と解説されている。トールは農耕の神でもある。神々の敵である巨人とも対決する。オーディンの息子でミョルニル(世界最強の武器のハンマー、投げると必ずトールの手に戻る)をもっている。北欧を含むゲルマン地域で広く信仰されていた神である。⇒ マグネ
- [北欧神話の巨人族]「北欧神話に登場する超自然的存在。向こう見ずで乱暴な種族として知られる。北欧の神々の宿敵」⇒ ヨツール一族
- [北欧神話の混沌の怪物]「 “巨人” に加勢し神々と争った魔獣たち。ミズガルズ蛇、フェンリルガルムなどが有名」
- [北欧神話の巫女]「魔力と予知能力を持つ。世界の支配者に影響力を持ったと言われる」⇒ スーパーのレジ係の高齢女性
- [環境汚染とヨツール工業の関連]このシーズンはマグネが自身の能力に目覚める黎明期。その流れと同時にヨツール一族の悪どさや陰謀が「環境汚染(割と流行りのテーマ)」を通して描かれる。
- [資産家御曹司フィヨルの不思議すぎる私服]お金持ちでイケメンなのに、ヤンキー上がりの田舎の自営業者みたいな私服(ブランドロゴやマークの入ったジャージみたいなもの)をエピソード5・6で着ている。ノルウェーのお金持ち男子はあのような恰好をするのだろうか(スポンサーの要望という大人の事情があるにしても)。髪の盛りや分け方も現代人と思えない。
- [ヨツール家の身長差の不条理]父ヴィダルの身長は190㎝、母ラン184㎝、息子フィヨル179㎝。フィヨルを演じるヘルマン・トメラスは身長(あくまでも公称)179㎝あるにも関わらず、両親役と並ぶとやけに背が低く見える。
シーズン2(2021)
主人公マグネが “神族(青い目)” vs “巨人族(黄色い目)” の戦いに向けて準備を進めるなか、弟ラウリッツが “神族” と “巨人族” のどちらに付くのか曖昧なまま物語が進行します。
作戦半ばにして「何のために?」という目的意識が揺らぎ、マグネは “神” の力を取り上げられます。鎚を最強の武器トールハンマー(ミョルニル)に変えねば “巨人族” に勝つことは不可能とマグネたちは力を尽くします。
登場人物(変化した点)
- マグネ・サイエル: “巨人族” との戦いに向けて準備に入るが、何かと不十分。弟ラウリッツがヴィダル・ヨツールとの距離を縮めるのを好ましく思っていない
- ラウリッツ・サイエル:出生の秘密を知らされる。不思議な能力が発現する。ファストフード店で働くイェンスに一目ぼれする
- フィヨル・ヨツール:掟を破って人間と恋に落ちたため、ヨツール一族からハブられかける
- サクサ・ヨツール:兄フィヨルが横道に逸れたので、繰り上がりでヨツール工業の後継者の座を狙う
- グリー:フィヨルと交際。父の逝去に伴いエッダの街を離れる
- イマン・レザ:スリランカ出身。 高校に通いながら介護施設で働いている
- シグニー:サイエル兄弟の同級生。シーズン1では “その他大勢” のひとりだった。シーズン2の終わりにマグネと親しくなる(唐突感あり)
- イェンス:ファストフード店「Edda-Grillen」の店員
- トゥリド・サイエル:経済的に困窮している。亡きイゾルデの父のエーリクと仲がよい
- ヴィダル・ヨツール:トゥリッドから秘密を打ち明けられる。ラウリッツを利用しようとする
- ラン・ヨツール:サイエル家とスーパーのレジ係の高齢女性(ヴェンケ)に敵意を向ける
- スーパーのレジ係の高齢女性:マグネに「今日、神に出会う。その神に橋の上で巫女の予言の冒頭を告げよ」という伝言を残す。ヴェンケという名前であることが判明
- 黒い眼帯の高齢男性:介護施設にいる。ヴェンケからペンダントを譲り受ける。ヴォータン・ワーグナーという名前であることが判明
- ガソリンスタンドのメカニックの男:マグネとイマンの依頼を受けて鎚を製作する。名前はハリー・クリステンセン
- 介護施設で働く小さな男性:「小さき身体の中で熊の心臓が脈打つ。闇の妖精よ」とヴォータンに告げられる。名前はハルヴォル・ランゲ
- キーウィ:ヴォータンをボスと呼ぶ男
導入部のあらすじ
- ヴィダル・ヨツールはマグネの息の根を止めることを宣告。フィヨルはヨツール一族から “知りすぎた女” グリー殺害の命を受けるが、マグネとヴィダルの戦いのどさくさに紛れて彼女に逃走の機会を与える。
- マグネ(トール)は “神族(青い目)” vs “巨人族(黄色い目)” の戦いに向けて仲間を集める。
- ヨツール工業による水質汚染問題は実際の廃棄物が見つかったことにより社会問題に発展。
- マグネとラウリッツが兄弟でありながら、まったく異なるタイプであることの理由が判明。
みどころ/知っておくとよいこと
- [北欧神話の女神:フレイヤ]「愛と豊穣、魔術、戦争と富を司り、その美しさですべての者を魅了する」⇒ イマン
- [北欧神話の巨人の血を引く神:ロキ]「悪賢くてイタズラ好き。オーディンの義兄弟、ミズガルズ蛇の父」⇒ ラウリッツ
- [北欧神話の神々の王:オーディン]「片目を代償に知恵を得て過去、現在、未来を見通す。トールの父にしてロキの義兄弟」⇒ 黒い眼帯の高齢男性(ヴォータン)
- [北欧神話の軍神:テュール]「その強さと勇気で知られる。自らを犠牲にした行為で片手を失う」⇒ ハリー
- [北欧神話のミズガルズ蛇]「北欧神話で最も危険な怪物。ロキの子で巨人の末裔。ラグナロクの際、トールに倒された」
- [北欧神話のドワーフ]トールのハンマー(ミョルニル)を作るのに必要な存在 ⇒ 介護施設で働く小さな男性ハルヴォル・ランゲ
- [フィヨルの「人間になりたい」現象]人間のグリーと愛し合ったり、ヨツール工業による環境汚染に問題提起したり、意外に人間っぽいところがある。父ヴィダルも獣みたいで残酷な面はあれどラウリッツにほだされそうになるなど、ヨツール家の男性は意外に情にもろい。
- [ヨツール家内の権力争い] 息子フィヨルが人間と恋に落ちて日和っている間、ヨツール工業で大きな役割を果たしていた娘サクサの実力を認めようとしない母ラン。母と兄がタッグを組んだことによって劣勢となったサクサは、彼らが嫌う異母弟ラウリッツを味方に引き入れようとする。
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