国際政治とパートナーシップのせめぎ合いードラマ「ザ・ディプロマット」(シーズン3)

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久しぶりの海外旅行について長々と綴っていて「ザ・ディプロマット」(シーズン3)の視聴&記事投稿が遅くなりました。

外交視点からの諜報ものードラマ「ザ・ディプロマット」(シーズン1)
ベテラン外交官のケイトが駐英大使に任命され、やはり有能な外交官である夫ハルに振り回されながらも国際問題において手腕を発揮していきます。
爆破事件の黒幕は誰?-ドラマ「ザ・ディプロマット」(シーズン2)
駐英米国大使ケイト・ワイラーとその夫ハル。不協和音と大事件に巻き込まれながらも彼らなりの外交活動を展開していきます。

導入部あらすじ

シーズン3はウイリアム・レイバーン米大統領の突然の死から始まります。それに伴い、副大統領グレース・ペンが大統領に繰り上がります。

彼女が大統領の座に就くことでケイト&ハル・ワイラー夫妻は危機感を覚えます。グレース・ペンがイラン沖の偽旗作戦に関与したことを掴んでいたからです。

「祖国アメリカを守らねばならない」とハルは妻ケイトを副大統領に推しますが、ペン新大統領は新副大統領にハルを指名。妻を副大統領にし損なったハルは、彼女の今後について彼なりの交渉を進めます。最終的に、ケイトは副大統領夫人であるとともに駐英大使というポジションに収まります。

表向きにはケイトとハルは依然として夫婦であるものの、実質的な夫婦関係は終わりを告げます。ケイトには新しい恋のターゲットが複数おり、どの男性とどうなるかはドラマ視聴者の関心を引くところです。もちろん形式的な夫となったハルも、その動向に気が気ではありません。ハルと別れたがっていたケイトですが、心の底では彼を求めているのではないかと思わせます。

ケイトとハルの公私にわたるパートナーシップのあり方が、過去に遡って一部描かれます。

イギリスの空母カレイジャスがイラン沖で爆発した事件について、米国の関与を知るロシア人がCIAにコンタクトをとってきます。アメリカ政府ならびにワイラー夫妻は、知られたくない事実が明るみに出ぬよう、どのように工作/折衝、立ち回っていくのでしょうか。

そしてふたりの関係は紆余曲折を経て、どのように変わっていくのでしょうか。

登場人物

組織におけるポジション等に異動があるため、改めて整理しておこうと思います。

アメリカ側の人たち

アメリカ人とは限りません。

  • ケイト・ワイラー: ベテランのアメリカ外交官。シーズン3でも駐英大使
  • ハル・ワイラー: ベテランのアメリカ外交官。野心家でトリッキーな動きをする。規律を無視しがち。新しい副大統領となる
  • ボブ・サイナー:ペンシルベニア州知事で、もうひとりの副大統領候補
  • ウイリアム・レイバーン: アメリカ大統領。ハルとの通話中に突然死。気の毒なことに濡れ衣を着せられる
  • ビリー・アッピア: アメリカ大統領首席補佐官。次期副大統領はケイトが適任と思っている
  • グレース・ペン:副大統領から大統領に繰り上がる。トッドという、金持ちらしいが今ひとつ冴えない夫がいる
  • ノラ・コリエム:副大統領首席補佐官
  • スレシュ・メノン:大統領のスタッフ
  • スチュワート・ヘイフォード: 在英アメリカ大使館の首席公使。ケイトの補佐役。将来は大使になりたいと考えている
  • ミゲル・ギャノン:国務長官。ケイトの上司にあたる
  • エイドラ・パーク: CIA支局長だったが窮地に追い込まれる。スチュワートとは微妙な関係が続く
  • ハワード: CIA職員
  • テオ:CIA職員
  • ダイアン・クラック:名前しか出てこないが、CIA長官
  • ニール・バロー:スチュワートの元で働いている
  • フランシス・マニング: アメリカ大使公邸の管理責任者。公邸ではほかにペンシーが世話係として働いている
  • バイロン: 大使であるケイトの警備を担当していた人物
  • ユリシーズ:新しく、ケイトを担当するシークレットサービスたちのリーダー
  • キャロル・ランゲッティ: ケイトとは旧知の間柄。イラクにいるCIA分析官
  • アイビー・グリフィン:シーズン2にも登場しているシークレットサービス責任者
  • エイブリー・キャンベル:イラクでケイトらと動いていたエージェント
  • マット・ピコルスキー:上院議員(エピソード3で催しの場でケイトと会話する)

イギリス側の人たち

イギリス人とは限りません。

  • ニコル・トロウブリッジ: イギリスの首相。リディアという妻がいる ※ 今さらな情報ではあるが、トロウブリッジ夫妻はプライベートでも夫婦
  • オースティン・デニソン: イギリスの外務大臣。テマ・アシエドゥと結婚する
  • メグ(マーガレット)・ロイリン: トロウブリッジ首相の元ブレーン。アメリカのCIAによって匿われている
  • トム・リビー:MI6長官。地味に引き続き登場。CIA局長のエイドラと情報交換をしている
  • ノーラン・グリーン:気候・環境・エネルギー担当大臣
  • カラム・エリス:ケイトの新しい恋人。海洋/生態系問題の専門家。いっぽうでロシアと通じており、機密にも詳しい。かつて労働党政権で外交を担当
  • ベリル・テンリー:鳥類の生態系の専門家。実はMI6のメンバー

ロシアの人

  • ボリス・アンドレーエフ:CIA支局長エイドラ・パークに情報を持ち込んだ大佐で、レンコフの元部下

中国の人

  • ウー・ジジュン:外務大臣

感想・メモ

シーズン3に至り、ようやく「ザ・ディプロマット」のツボがわかってきました。“外交官による国家間の駆け引き、国際情勢や国家的事件” が物語の主テーマではなく、“ケイトとハルの関係性や駆け引き、ふたりを取り巻く人間模様を描くこと” がメインであり、政治的な駆け引きは人間模様を引き出すためのツールのように感じられます。

ケイトと夫のハルは職業面では本来ライバル。どちらも外交官、大使経験あり。夫は妻を副大統領にしたいと考えていたものの指名されたのは夫のハル。

ケイト目線で言うと、彼女はハルの行動特性に長年のイライラを抱えつつも、彼の個性や言行をフォローして活かす道を模索してきました。そろそろ我慢の限界にきていますが、きれいさっぱりと関係を解消できる状況にありません。このドラマがパートナーシップにおける愛、理解、協力、反目を国際情勢や国際政治に絡めて描こうとしている物語であることを、ようやく理解しました。

ハルの彼らしいアイデアに対し、ケイトが機転と豪胆さを駆使して軌道修正を加え、困難な局面を乗り越えようとします。しかし想定外の出来事が起き、さらなる知恵が求められます。ふたりのパートナーシップと国際政治(陰謀含む)が縦糸と横糸になって編まれていくところが作品の魅力。

シーズン4が予定されています。

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