エピソード1~16の続きです。これまでは2エピソードずつ投稿してきましたが、最後の2エピソードについては1話ずつに分けます。
各エピソードのまとめ
エピソード17(過去が未来を決める)
あらすじ
●銃を見つめるFBIゴードン。「どうしてもダイアンを撃てなかった」と言います。彼、アルバート、タミーはワインで乾杯。
●「アルバート、25年間君に隠していたことがある」とゴードン。長いので箇条書きにします。
- ブリッグス少佐は姿を消す前にゴードンとクーパーに「ある存在を発見した」と言った
- それは極度にネガティブな力で、かつて “ジャオディ” と呼ばれた。だか時を経て、その名は変わり “ジュディ” となった
- ブリッグス少佐とゴードンとクーパーは “ジュディ” を探そうとしたが、少佐に何かが起きた。さらにはクーパーにも起きた。フィリップ・ジェフリーズは、通常の意味で既にこの世に存在しない
- フィリップは「その存在に気づいた」と言い、姿を消した
- クーパーの最後の言葉は「ほかのみんな同様に僕が消えたら、あらゆる手を尽くして見つけ出してほしい。僕は一石で2羽の鳥を狙う」だった
- 今 “2人のクーパー問題” が起きている
- 最近、情報屋をやっていたレイ・モンローが「刑務所にいたクーパー(ロン毛のほう)が座標を知りたがっている。その座標を知っているのがブリッグス少佐であるらしい」という謎のメッセージを残している
●ゴードンはこの件を隠してきたことをアルバートに謝罪し「計画が順調なのか見当もつかない。我々のデイル・クーパーからまだ連絡がない」と述べます。
●そのとき電話が鳴ります。かけてきたのはFBIラスベガス支部のランドール・ヘッドリー特別捜査官で、ダグラス・ジョーンズを見つけたが居場所が不明との報告でした。病院のベッドはもぬけの殻。そこへラッキー7保険社長のブッシュネルがやってきます。電話の相手がゴードンであることを確認し、ダギーからの伝言があることを伝えます。
●電話はブッシュネルに代わります。「私はトルーマン保安官のもとに向かう。今ラスベガスは2時53分。その3つの数字を足すと完成の数字である10になる」とダギーからの伝言を読み上げます。
●電話を切ったゴードンは「ダギーがクーパーだと?どういうことだ」と叫びます。「ダギーは車を爆破され、職場の建物前で殺し屋に襲われたようです」とタミー。アルバートが「組織犯罪の大物2人といたという目撃情報もある」と付け加えます。「自宅のコンセントにフォークを刺して感電した」とタミーが言うと「クーパーにしては妙です」とアルバート。
●「これは間違いなく “青いバラ事件” だ」とゴードン。タミーが、ダギーが感電して直前まで昏睡状態にあったことを伝えると、ゴードンはツイン・ピークス保安官事務所への出発を命じます。
●ツイン・ピークス保安官事務所の留置所。10号に入っているチャドは酔っ払いが眠っているのを確認。ところが彼はすぐに目覚めます。
●夜道。ロン毛クーパーがトラックを運転しています。
●留置所のナイドは横たわった状態で奇声を上げています。その様子を見つめてジェームズは「あれはいったい何なんだ?」と言い、フレディは「全然わからない」と返します。ナイドは宙に手を伸ばします。
●グレート・ノーザン・ホテル。ベン・ホーンは電話で「ワイオミング?」と聞き返します。弟のジェリーが保護されているようです。電話の相手はジャクソンホール警察のウィリアムズと名乗ります。ということはロン毛クーパーとリチャードがいたのはワイオミング州だったのかな?資産家かもしれませんが問題が多いですね、ホーン家は。
●夜が明け、林道にはロン毛クーパーの黒いトラックが停まっています。林の先には白いモヤ、煙のようなものが立ち込めています。その地点に向かってロン毛クーパーが歩いていきます。そこには葉を付けていない白い木、円の水たまりのようなものがありました。
●木々がうなり始め、空中に渦が現れます。そしてロン毛クーパーの姿が消えます。
●暗い室内。ブリッグス少佐の大きな顔が浮かんでいます。スクリーンには林の中の白い木、円の水たまりのようなものが映し出されています。そこへ “消防士” あるいは “巨人” が登場。スクリーンにはセーラ・パーマーの家も映し出されます。“消防士” あるいは “巨人” が右手を動かすと次のスライドへと送られるようです。
●檻に入った男(ロン毛クーパー?)が釣鐘の下から吸い上げられ、金色の管が伸びていきます。次いでスクリーン内にロン毛クーパーが現れます。“消防士” あるいは “巨人” がスクリーンのロン毛クーパーの後ろ姿を見つめています(ロン毛クーパーは女子のような髪留めをなぜ使っているのだろう?)。
●何かに打たれたように留置所のナイドが起き上がります。
●ロン毛クーパーが振り返ります。彼は自分の意図と無関係にツイン・ピークス保安官事務所の駐車場にいて「どういうことだ?」と訝しんでいるようです。
●アンディ保安官補かバスケットを車から降ろしています。ロン毛クーパーを見つめて「クーパー捜査官ですよね?」と話しかけます。「やあ、アンディ」とロン毛クーパー。
●時を同じくして留置所にいるナイドは何かを察知して動揺。その様子をチャドやフレディがじっと見つめています。酔っ払いが寝落ちしたので、チャドは靴の踵から缶切りのようなものを取り出します。
●ツイン・ピークス保安官事務所の駐車場で、アンディ保安官補とロン毛クーパーは再会を喜びます。ふたりは事務所に入っていきます。ルーシーもロン毛クーパーとの再会を喜びます。そこへフランク・トルーマン保安官がやってきます。アンディはロン毛クーパーを前所長ハリーの兄フランクに紹介。フランクは所長室へロン毛クーパーを招き入れます。
●アンディとルーシーがいます。画面が揺れ、アンディは廊下を走ってどこかへ行きます。アンディの脳内に降りてきたビジョンかもしれません。
●チャドは入れられていた檻の鍵を開け、留置所から出ます。そして事務所内の保管庫から何かを取ろうとします。
●トルーマン保安官の部屋。アンディがロン毛クーパーにイスを勧めます。「ホークにも知らせてきます」とアンディはその場を後にします。
●留置所ではナイドが騒ぎ出します。その音で酔っ払いも目覚めます。
●「クーパーか」とトルーマン保安官。「俺がそうだ」とロン毛クーパー。
●留置所のナイドはますます騒々しくなります。迫りくる危険を伝えているかのようです。
●チャドは保管庫から銃を取り出し、弾を込めます。
●受付のルーシーに対してアンディは「一大事だ」と言って走り去ります。彼の後ろ姿を見つめるルーシー。
●留置所の酔っ払いは顔の絆創膏を剥がします。銃を持ったチャドが戻ってきます。そこへホークを探すアンディがやってきて「ここにいるのか?」と声をかけます。アンディに向かってチャドは銃口を向けます。そのときフレディが怪力で檻のドアを開け放ち、ドアはチャドを直撃。彼は倒れ、アンディによって手錠をかけられます。
●かかってきた電話を受付のルーシーがとります。「誰って?」と言ってイスから立ち上がります。
●所長室。「なぜツイン・ピークスに戻ったのかね?」と保安官。「仕事を片付けに」とロン毛クーパー。そこにルーシーが電話を取り次ぎます。電話の向こうからは「FBI特別捜査官のデイル・クーパーだ」という声。彼は車で移動中。「ツイン・ピークスに入ったところだ。コーヒーはあるかね?」(気分が高揚しているのか声が明るい)クーパーからの電話を受け、訝しげに目の前のロン毛クーパーを見つめる保安官。
●トルーマン保安官、ロン毛クーパー、双方が銃を抜きます。ロン毛クーパーのほうが銃弾に倒れますが、彼を撃ったのは事務員のルーシーでした。電話の向こうで銃声を聞いたクーパーは「今のは?」と尋ねます。
●留置所にいるアンディ保安官補は「全員、上に移動するぞ」と指示を出します(でもたぶんチャドと酔っ払いはそのまま留置所)。
●所長室。「ひとりは死んだようだ。クーパー捜査官」とトルーマン保安官。「決してその身体には触るな。離れていろ」とクーパーは電話で指示します。
●アンディ保安官補に連れられたナイド、フレディ、ジェームズが所長室に入ってきます。後からホークが駆けつけます。彼はロン毛クーパーを本物のクーパーと思い込みますが、保安官が「違う」と言います。アンディはナイドをジェームズに任せて所長室から出ていきます。保安官は受話器を置きます。
●黒い男たちの影がロン毛クーパーを蘇生させようとしています。レイ・モンローに撃たれたときと同じ状況です。
●そのときツイン・ピークス保安官事務所にクーパー捜査官が到着。事務所へ駆け込み、受付前で待機していたアンディに向かうべき場所を訊きます。
●3人の黒い影の男によって蘇生させられようとしていたロン毛クーパー。白い煙が立ち込めます。そして男たちの姿は消え、黒い球(ダークなエナジー)がロン毛クーパーから離れて宙に舞い上がります。球の中には “ボブ” の顔が見えます。
●ミッチャム兄弟も所長室へやってきました。ナイドは手を動かしながら奇声を上げます。クーパー捜査官は「君がフレディか?」と声をかけ、フレディは「そうだ。そしてこれは僕の運命だ」と答えます。黒いボールはぐんぐん大きくなっていきます。
●ボール “ボブ” はフレディに襲い掛かり、フレディは手袋をはめた右腕でパンチを食らわせます。怪力により床が抜け、ボール “ボブ” は落下。そこから火の手が上がります。床の穴から火の着いた炭のような(=内部の赤い)ボール “ボブ” が浮上してきます。やはりしぶといですね。しかし渾身の力でフレディがボール “ボブ” に再度パンチを入れたことにより、彼は粉々に砕け散ります。お疲れ様、フレディ!
●“ボブ” の除霊に成功したら、次のステップとしてロン毛クーパーの死体を次元移動させねばなりません。クーパー捜査官は緑の指輪をロン毛クーパーの左薬指にはめます。病室で “マイク” から受け取っていたアレです。
●ロン毛クーパーの身体から立ち上る白い煙が濃くなり、彼の身体は跡形もなく消えます。ブラッドリー・ミッチャムらは一連の出来事を茫然として見ています。
●赤い部屋。緑の指輪が転がり落ちます。ドッペルゲンガー(ロン毛クーパー)は跡形もなく消えています。
●クーパー捜査官はトルーマン保安官にグレート・ノーザン・ホテル315号室の鍵を渡すように言います。「ブリッグス少佐が、トルーマン保安官が持っているはずだと言った」(いつ言ったんですかね?)クーパーは鍵を受け取ります。
●車でFBIフィラデルフィア支局のみなさんがやってきます。所長室のナイドは落ち着いたのかジェームズの横で静かにしています。クーパーはナイドをじっと見つめます。そこへボビー保安官補が「何の騒ぎだ?」とやってきます。「俺も同じことを訊きたいよ」とブラッドリー・ミッチャム。
●このあたりから、別次元のクーパーの意識が同時並行で起動し始めます。エピソード14で夢の中のモニカ・ベルッチが言っていた「私たちはみんな夢の中に生きる夢見人のようなもの」「でも、その夢を見ているのは誰?」という言葉と被る気がします。
●「ボビー、君の父上(ブリッグス少佐)はこうなることがわかっていた」、「いったい何が起きている?」とボビー。「君の父上が何年も前に集めた情報が父上とゴードン・コールを引き合わせた」「今、時間通り到着だ」と言ったところでFBIのゴードランらが部屋へ到着(見事なMCを披露するクーパー)。
●「ゴードン!」「クープ!」とふたりは再会。「結果、我々もこうして導かれ、そしてこの先、変わりゆくものもいくつかある。過去が未来を決めるのだ」とクーパーはクールなスピーチで締めくくります。キャンディら3人娘が軽食を持って入室します。
●ナイドが急に騒ぎ出し、クーパーに駆け寄ります。彼女は右手を、クーパーは左手を差し出し、ふたりは手を合わせます。ナイドから黒い煙が立ち昇ります。赤い部屋に浮かんだボールのなかに顔が浮かび上がり、所長室のナイドはダイアンへと姿形を変えます。その様子をクーパーの別の意識が観照しています。クーパーは彼女に笑顔を見せます。
●「ダイアン!」とクーパー。ダイアンは白かった髪が赤い髪になっています。ふたりは抱き合ってキスします。「クーパー。ただひとりの人」とダイアン。「すべて覚えているのか?」「ええ」。壁の時計の針は2時52分と53分の辺りを行ったり来たりしています。
●「我々は夢の中に生きている」という声が別次元から響きます。クーパーの別の意識からの呼びかけと思われます。「君たちにまた会えることを願っているよ」と肉体のあるほうのクーパーは言います。周囲が暗くなります。「ゴードン!」「クープ!」とふたりは叫びあいます。
●暗がりをクーパー、ダイアン、ゴードンが歩いていき、それを眺めている別のクーパーがいます。
●不思議な音のする室内。グレート・ノーザン・ホテルのボイラー室近く、先日ジェームズが見回りに行った場所です。クーパーは315号室の鍵を使ってドアを開けます。
●ダイアンとゴードンに「僕を追って、このドアを入らないでほしい」と言います。「カーテンコールでまた会おう」とヘンテコなイントネーションで言い、クーパーは暗い部屋へと入っていきます。最終的に夢芝居は終わるのだから、登場人物が勢ぞろいする舞台のカーテンコールを待っていろ、ということではないかと思います。
●ドアの向こうには “マイク” がいました。赤い部屋ではヘンテコな活舌&イントネーションでしたが、今回は通常の人間と同じように話します。同次元の存在同士であるならば、普通の会話が可能なのでは。異次元同士だとヘンテコな活舌&イントネーションに聞こえるという仮説を立ててみます(そうではなく吹き替えに整合性を欠いただけのことかもしれません)。
●「未来における過去の暗黒を通して魔術師は見たいと望む。ひとつの声が放たれ、ふたつの世界の間で唱える。“火よ。我と共に歩め”」と “マイク” が言うと、彼とクーパーの顔が交互に映され重なります。何かが統合に向かったのかもしれません。
●“マイク” とクーパーは暗い室内を進み、階段を昇ります。階段の上部で爆発が起きます。ふたりはさらに進みます。白い煙が噴き出しています。
●クーパーは煙に向かって「フィリップ!」と声をかけます。ロン毛クーパーが夜のガソリンスタンドの2階から入って対面した、あの装置と同じものがあります。
●クーパーとフィリップの会話です。話しているのはほとんどフィリップですが。“1989年2月23日” という日付を指定して、クーパーがそこへ行けるようにしてくれているのではないかと思いました。
- フィリップ:「頼む。明確に言ってくれ」
- クーパー:「日付は1989年2月23日だ」
- フィリップ:「君のために見つけよう」「この中は滑りやすい」「また会えてうれしいよ、クーパー。ゴードンに会ったらよろしく言ってくれ。正式じゃないほうを覚えていてくれるだろう」「ここで君はジュディを見つけるはずだ」「恐らく誰かがいる」「君はこれを私に求めたのか?」
●白い煙のなかから “悪魔マーク” が出てきます(以前も書いた通り、私が “悪魔” だと思っているだけです)。マークの線は分解されて無限大(∞)のような形、あるいは “8” になります。
●フィリップは言います。「よし、いいぞ。君はもう行ける」「クーパー、忘れるな」
●“マイク” は「これは電気だ」と繰り返します。
恐らくここからは “1989年2月23日” に始まるストーリー
●本家では、その深夜にローラ・パーマーは殺害されています。なので本来ならば、そうなるはずです。パーマー家の前にバイクが停まり、金髪女性を後ろに乗せて走り去ります。その様子をリーランド・パーマーが見ています。
●バイクを運転していたのはジェームズ・ハーリー。女性はローラ。山道でバイクが停車すると、その先に次元を超えてやってきたクーパーが現れます。彼は様子を窺っています。
●ジェームズとローラはキスをします。「ジェームズ、愛しているわ。ふたりで遠くへ逃げよう」と一旦は言いますが「いけない、彼があなたを殺す」。そして次元超えクーパーのいる方向を見て叫び声を上げます。「彼に見つかったら。ボビーは男を殺したの」とローラ。「何を言ってる。彼は誰も殺していない」とジェームズ。「目を開いてよく見て。あなたは私を知らない。私には秘密があるの。ドナでさえ私を知らない。あなたのローラはもういないの。いるのはこの私だけ」。ローラはジェームズに別れを告げているようです。
●ふたりは帰路につきます。途中でローラはバイクから降ります。ジェームズはバイクに乗るように言いますが、ローラは拒否。「愛してるわ。ジェームズ!」と言って泣きながら林の中に立ち去ります。ジェームズはバイクで走り去ります。
●林の中のローラ。近くに車が停まっており、ならず者ちっくな男2人(レオ・ジョンソン、ジャック・ルノー)と女(ロネット・ポラスキー)がいます。
●ローラは次元超えクーパーと対面します。「知り合いだっけ?待って、夢であなたに会っている」とローラ。クーパーはローラに手を差し伸べます。ローラも手を伸ばします。
●シートで覆われたローラの死体が消えます。
●再び暗い林の中。「どこへ行くの?」「家に帰るんだ」と言ってクーパーはローラの手を引きます。
●鏡を見つめるジョスリン・“ジョシー”・パッカード。
●ログハウス風の家(?)に入ってくるピーター・“ピート”・マーテル。湖へ釣りに行くと言っています。
●振り返るジョスリン・“ジョシー”・パッカード。いかにも1980~90年代の西洋人が好みそうな東洋人女性のビジュアル。
●湖で釣りをするピーター・“ピート”・マーテル。
●セーラ・パーマーの家。この世のものならぬ奇妙なわめき声が聞こえてきます。リビングに現れたセーラはローラの写真を床に置き、ナイフのようなもので写真立てを叩き続けます。
●林の中、クーパーに手を引かれるローラ。そこには葉をつけていない白い木が立っています。「ジッジッ」という音の後に悲鳴が聞こえ、ローラが姿を消します。
●森の光景はフェイドアウト。ステージの光景にフェイドイン。Julee Cruise による楽曲 “The world spins”。声も曲もいいと思います。
登場人物メモ
※本家に登場している人は一部を除き、割愛しています。
[ワシントン州ツイン・ピークス関係者]
ジェームズ・ハーリー:グレート・ノーザン・ホテルで警備員をしている。1989年当時の映像では地味で内向的なイケメンである。ローラと密かに交際するバイカーだった。歳をとって干からびた感じになったのであろう
ピーター・“ピート”・マーテル:本家ではシートに包まれたローラ・パーマーの死体を発見する人。本作では過去映像で登場。次元超えクーパーの働きにより筋書きが変わったのだろう。演じていたジャック・ナンスは53歳で不審死。妻キャサリン・マーテル役だったパイパー・ローリーは2023年10月に逝去
結局、どういうことなの?
ジェフリーズ、ブリッグス少佐を巡る人間関係
まずは今回のエピソードで得た情報を含め、人間関係を整理するとこんな感じ。
[フィリップ・ジェフリーズとの関係]※“青いバラ事件” 捜査チームリーダー
デイル・クーパー特別捜査官:“青いバラ事件” 捜査チームにおけるフィリップの仲間
レイ・モンロー:フィリップの情報屋
ドワイト・マーフィー刑務所長:レイによれば「フィリップとグル」
ロン毛クーパー:ロン毛クーパーはフィリップを仲間だと思っているが、フィリップはそうでもない?
*ゴードンやアルバート、フィリップと面識のないタミーも“青いバラ事件” 捜査チームの現メンバー
*クーパーもロン毛クーパーも “フィリップ” という存在に会うことができるようだが、クーパーはグレート・ノーザン・ホテルのドアから、ロン毛クーパーはガソリンスタンドの外階段からアクセスしている。すなわち両者の入口は異なる
[ブリッグス少佐との関係]※風船のような顔で出てくるサイキック
ウイリアム・ヘイスティングス:高校の校長。図書館司書ルースとともに異次元について調べていたときに少佐に出会う
デイル・クーパー特別捜査官:少佐とは本家からの知り合い。異次元にいる少佐と適宜連絡をとっている模様(いつ、どんなふうにというのはよくわからない。夢を通じて?)
ロン毛クーパー:会話から推測するに、どこかで少佐と会っているらしい
何者かによって作られた存在の人たち
この次元と異次元の間を取り持つ存在は以下のような感じ。
[意図あって作られた存在]※誰の意図かは不明
- ダギー・ジョーンズ(髪が茶色&ロン毛のほう):クーパー捜査官と入れ替わりで赤い部屋へ。金の玉になる
- ダイアン・エヴァンス(髪が白いほう):アルバートに撃たれて身体が消失。赤い部屋へ。金の玉になる
[スピリットの乗り物]
- ナイド:ダイアン・エヴァンスのスピリットが幽閉されていた場所
- ロン毛クーパー:邪悪な存在 “ボブ” の入れ物になっている
で、結局、どういう話だったの?
かつて、ブリッグス少佐は極度にネガティブな力 “ジュディ” というものがあることを知りました。それを探そうとした少佐は死に、クーパーは姿を消しました。クーパーの最後の言葉は「ほかのみんな同様に僕が消えたら、あらゆる手を尽くして見つけ出してほしい。僕は一石二鳥を狙う」というものでした。
ダギーは感電によって完全覚醒してクーパー捜査官となり、ツイン・ピークス保安官事務所へと向かいます。それを知ったFBIフィラデルフィア支局のみなさんも出発します。
正しい座標へやってきたロン毛クーパーも最終的に保安官事務所に姿を現します。
ロン毛クーパーを本物のクーパーと思い込みそうになる保安官事務所の人たち。しかし本物のクーパー捜査官から電話が入り、状況を理解します。
ロン毛クーパーはルーシーに射殺されます。黒い影の男たちが延命措置をとり、ロン毛クーパーからボール “ボブ” が離れます。そのとき本物のクーパー捜査官が到着。フレディがボール “ボブ” に鉄拳を見舞って倒します。クーパーがロン毛クーパーの左薬指に緑の指輪をはめるとロン毛クーパーの身体は消え、赤い部屋に指輪が転がり落ちます。
クーパーは保安官にグレート・ノーザン・ホテル315号室の鍵を渡すよう言います。
ツイン・ピークス保安官事務所へFBIの人たちも駆けつけ、彼らは再会を喜び合います。
ナイドとクーパーが手を合わせると、ナイドは消え、赤い髪のダイアンがそこにいました。ふたりは愛を確認し合います。
この辺りからクーパーの第4の意識(夢を眺めている人)の働きが強くなっていきます。
クーパーは “カーテンコール” での再会を約束。グレート・ノーザン・ホテルのボイラー室近くのドアを315号室の鍵で開け、中へと入っていきます。そこには “マイク” がおり、先へ進んでフィリップ・ジェフリーズ(謎の装置)の所へ行きます。そしてクーパーを “1989年2月23日” に戻すよう手筈を整えてもらいます。
映画「マトリックス」じゃないですが、人間の体験に身体は不要で、膨大な記憶をもつ宇宙の貯蔵庫と、それを中継する脳があればいろんな次元、いろんな記憶、いろんな体験にアクセスできるということを伝えているんじゃないですかね。割と近い将来、この世界にも実現するんじゃないかと私は思います。
次元超えクーパーは、ローラが殺された “1989年2月23日” に戻ります。それ以降、本家で使われていた映像がメインとなります。
次元超えクーパーは “1989年2月23日” の出来事を変えることで過去と未来を変えようとしているようです。それが “一石二鳥” の意味するところと思います。
最終エピソード1話を残し、未回収の伏線(「結局あれは何だったの?」と思ったままの箇所)はいろいろあります。それは最後まで観てから別途まとめます。