ドイツの作家ロミー・ハウスマンの同名小説が原作です。原題は “Liebes Kind” で「親愛なる子よ」という意味。邦題の「汚れなき子」とは少しニュアンスが違うようにも感じますが、日本でも「汚れなき子」というタイトルで文庫本が出版されています。
物語の結末や流れがわかってしまうと面白くないので、簡単な紹介に留めようと思います。
[登場人物]
- レナ:「パパ」の支配による監禁生活から逃れようとしてひき逃げに遭う
- ハンナ・ゴリアテ:レナを「ママ」と呼ぶ12歳の少女
- ヨナタン:ハンナの弟。8歳くらい
- 「パパ」:謎の男。レナ、ハンナ、ヨナタンを外部社会から遮断して監禁、行動の細部までを支配
- イネス・ライジヒ:ひき逃げ事件ほかを担当する女性の警察官
- ルート・キュッパース:アーヘン大学病院の看護師。レナの搬送に付き添っていた少女ハンナの世話をする
- アイダ・クルト:アーヘン署の刑事
- ゲルト・ビューリング:州刑事局の刑事。失踪したレナ(当時大学生)を13年間探している
- マティアス・ベック:レナの父親
- カリン・ベック:マティアスの妻でレナの母親
- ハムシュテット先生:子どもを対象とする精神科医
【感想・メモ】
- 最後のほうまで「パパ」が誰かがわからない。そのせいもあって物語への興味・関心が持続する
- アイダ・クルト刑事の勇み足で地雷により足を失うSWAT隊員マックス。かなり大きな問題だと思うのだが彼女が責任を問われている様子がないのはなぜ?
- カリン・ベックを演じるのはジュリカ・ジェンキンス。ドラマ「ダーク」で1987年当時のクラウディアを演じた女優さん。「ダーク」でも地味にモテ役だった。本作でも「ゲルト刑事とかつて関係がありました設定」なのだが、どうしてもモテる女に見えないのは私の目がおかしいのだろうか
- [これは単なる私の仮説]「パパ」はハンナを “レナと自分の子ども” と思っていた。したがって支配・コントロールはしていたものの、忠実に指示に従ってきた聡明な長女ハンナの願いを聞き入れる素地(というか人間的な隙)があった。「パパ」からも「レナ」からもハンナは “親愛なる子” で、それが物語の終わり方を決めたのだと思う(※詳しく書くとネタバレするので、この程度にしておく)
小道具の使い方が上手で、面白いスリラードラマと思いました。モノが何かを象徴し、それが物語に意味を与え、視聴者が謎に思いを巡らせるタイプの内容です。