最終章まであと一歩。ひた走る「エリート」シーズン7

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ドラマ「エリート」はシーズン8が最終と発表されています。ふさわしい幕を閉じるための下準備が繰り広げられていくシーズン7。シーズン3~4までの飛びぬけた面白さを維持できているかといえばそうでもないですが、視聴して損をした気分にはなりません。

イサドラをレイプした男子生徒3人組と移民の子ビラルはシーズン7には出てきません。3人組は罪を悔い改める生活をどこかで送っていることでしょう。ビラルはシーズン6でロシオといい感じになっていたので引き続き登場するのかと思いきや、消えていました。ロシオに関してはシーズン7で別の人間関係が描かれるため、展開上ビラルは “要らない子” になってしまったのかもしれません。一方ビラルの友だちダルマール(S6・E6に少しだけ登場。誰も覚えていないと思う)は続投。

そして、あのオマール・シャナが再登場。つながった眉毛が気になります。少し眉を整えればいい話と思うのですが、スペイン人的にはアリなのでしょうか。それとも「一本につながった眉=オマール」との認識によるものでしょうか。

[ストーリーの流れ]

何者かによって銃弾を撃ち込まれたラス・エンシナス高校。生徒たちの知らないところで捜査は進行。ディダクの家族とイサドラの両親のビジネスにおける敵対関係がクローズアップされます。

露出面積極大、不特定多数と肉体関係をもつクロエがラス・エンシナス高校に転入。彼女の母カルメン(変なおばちゃん)はイヴァンに接近。

イヴァンは退院後、ピザの配達に来たジョエルと知り合います。イヴァンを車ではねたのはパトリックではないかと疑われていますが、真実を隠し通そうとする人たちは策略を用意。

オマールはサムエルの死以来、ひどい鬱状態で投薬やカウンセリングを受けていました。彼のところにラス・エンシナス高校の有給インターン(学生サポートアプリの管理業務)の話が舞い込みます。辛い思い出があるため断りますが、結局は引き受け、教務主任ルイスのもとで働きます。

シーズン7の終わりが近づいた頃、ある人物が死にます。そして最終シーズンへと向かいます。

これまで通り、若者限定で新キャラを紹介します。これまでのシーズンにもおかしな親たちは出てきましたが、ラス・エンシナスの生徒たちの人間模様のほうが大きく取り扱われていました。シーズン7に至り、それでは限界が見えてきたのか、親たち(主に毒親のほう)が絡むシーンが増している印象です。

[シーズン7の新キャラ:誰かの親戚/誰かの恋人/その他]

クロエ ⇒ 制服(上着とスカート)を着ていても非常に露出度の高い女子生徒。セックス依存の傾向にある。母親のカルメンはイヴァンの生みの母(イヴァンもクロエもそれを知らない)

ジョエル ⇒ ゲイをカミングアウトして家を追い出された青年。遺産を得たイヴァンのサポートでラス・エンシナス高校で学ぶ。オマールとイヴァンとの間で揺れる

エリック ⇒ ニコの従兄弟。問題を抱えている人たちの集まるソーシャルセンターが主な居場所。ニコの家に身を寄せてラス・エンシナス高校に通う。クロエと肉体だけの関係をもつ

ダルマール(シーズン6にも少し登場) ⇒ オマールのルームメイト。ジョエルと同じ配達の仕事をしている

フィキレ・ベレ ⇒ 「ブラッド&ウォーター」のフィキレ(コシ・ンゲマ)が「エリート」(S7・E4)にチラっと登場。南アフリカ、ケープタウンのパークハースト学園で学べる交換留学制度の紹介で、南アフリカの高校生を代表してマドリードに数日間やってきているという設定(「ブラッド&ウォーター」では “パーカスト高校” と表記されていたが “パークハースト学園” と同義。字幕表記を揃えて欲しい)。イヴァンを南アフリカ交換留学へ誘う

シーズン7全体としては家族関係の問題(掘り下げは極めて浅い)、①自己肯定感(自己愛)の欠如した若者たち(クロエ、エリック、オマールなど)、②暗い過去から尊厳を取り戻しつつある若者たち(イサドラ、イヴァン、サラなど)、③ ①②をサポートする若者たち(ニコ、ソニア、ある意味でディダクやジョエルなど)を通じて、相互の依存関係や成長を描いています。

勉強している様子はなく、ロクでもないことにエネルギーを注いでいるラス・エンシナス高校の生徒たち。一部を除き裕福な家庭の子どもばかり。「ラクな生活でいいね」と感じる一方で、時間やお金の面で下手に余力があるからこそ道を見失って苦しみ、迷走。「それは幸せではないよね」と思います。

余談ですが、死亡事件の遺体には金色のシートが掛けられていました(E8の冒頭)。風が吹いたにしては不自然な感じで内側からシートが膨らみます。死体役が大きなため息でもついたのでは。あのシーンは撮り直したほうがよかったですね。

シーズン1~5(サムエルがいた頃)の魅力のひとつだったサスペンス性は弱まっていき、今やエロ&メロウで彩られた群像物になっていますが、最終シーズンをどのように盛り上げて収まりをつけてくれるのかを楽しみにしています。シーズン8のリリースは2024年と言われています。

最終シーズンへの出演が決まっているのは、これまでの登場人物ではナディア(オマールの姉でアメリカへ留学した人)とカルメン(クロエのお母さん)。詳しいことは、まだ公表されていません。カルメンが出てくるのであればクロエも続投かもしれません。

[シーズン7でお仕事を完了したかもしれないキャスト]

※ 一部、最終シーズンにも出てくる可能性があります。

アンドレ・ラモリア(イヴァン役)

この人については「シーズン5」のなかで既に書いている。父クルスの移籍により「カタールへ行く」ことを一旦は匂わせたもののシーズン6も続投。シーズン7で交換留学生として「南アフリカへ行く」ことを匂わせつつシーズン8にも登場するのかどうか、といったところ。なおイヴァン役で「ブラッド&ウォーター」(シーズン4)にゲスト出演することが決まっているようなので期間限定で南アフリカへは行くのだろう。「ブラッド&ウォーター」は現在シーズン3までをNetflixで視聴できる。出演者にイケメンは少ない。

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シーズン4がリリースされた。イヴァンも登場する。

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アレックス・パストラーナ(ラウル役)

1992年ベネズエラのカラカス生まれ。1年後にスペインへ移住したが国籍はベネズエラ。2017年にパリでエラスムス(ヨーロッパの教育、トレーニング、若者、スポーツを支援する欧州連合プログラム)を修了。当初はフランスに留まってエンジニアとしてのキャリアを積む予定だった。フランスから帰国してマドリードの有名な演劇学校「エストゥディオコラッツァ」で学んだ。サッカー、スノーボード、サーフィンなどを好む。この人を見ると「ゲーム・オブ・スローンズ」のティリオン・ラニスターを演じていたピーター・ディンクレイジを思い出す。ピーターの祖先はドイツ、アイルランド、イギリスらしいのだが、アレックスと顔が似ている気がしてならない。

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