2021年のサスペンスドラマ「埋もれる殺意 30年目の贖罪」をようやく観た

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師走ということで「なるはや」でこなしたい仕事がありますが、材料(データ)が届きません。時間が空いたのでブログを更新します。

Amazonプライムビデオで「埋もれる殺意」の「30年目の贖罪」(2021年作品)が配信されるようになりました。画面には「30年目の贖罪」のシーズン1と表記されていますが「埋もれる殺意」シリーズのシーズン4という位置づけが正しいはずです。

味わい深さで魅了するイギリスのドラマ「埋もれる殺意」シリーズ
白骨化した遺体を発見するところから始まるサスペンスドラマ。とっても良作と思うのに日本ではシーズン3までしか配信されていません。

制作国イギリスにおいてはシーズン5まで公開されており、シーズン6も予定されているみたいです。

シーズン4の紹介

シーズン5に警部キャシー・スチュアート(ニコラ・ウォーカー)が出演していないことだけは、以前から知っていました。その理由もシーズン4で明らかになります。

「30年目の贖罪」(6エピソード)

警察の動き

ロンドン北部ハーリンゲイの廃棄物処理場で首と手首から先のない死体が発見され、警部補サニル・“サニー”・カーン(サンジーブ・バスカー)の率いるチームが捜査を担当することになる。死体は最近のものでなく、30年間冷凍保存されていたようだ。その頃、警部キャシーは体調不良により早期退職を考えていたが、退職年金受給に必要な勤続期間が3カ月不足していると告げられる。パートナーのジョンとのリタイア生活を視野においている彼女は、葛藤を経て現場に復帰。発見された死体を調べていくうちに、警察学校の卒業生(新米警官)が事件に関わっていた可能性が浮上する。シーズン4は、シーズン1~3と異なり “白骨死体” ではなく、“冷凍されていた死体” から捜査がスタートする。

登場人物

[警部キャシーと彼女の関係者]

キャシー・スチュアート:ビショップ警察の警部。体調不良で休暇を取得。パートナーのジョン・ベントレー、息子アダム、認知症気味の父マーティン・ヒューズがいる。父はジェニーという新パートナーと暮らしている

サニル・“サニー”・カーン:警部補。キャシーの元部下で捜査チームを率いている。娘ふたりのシングルファーザーだが、恋人サルがいる

マレー・ボールティング:巡査部長。サニーの部下

フラン・リングリー:巡査。サニーの部下

ジェイク・コリアー:巡査。サニーの部下

カレン・ウィレット:巡査。警部キャシーが陣頭指揮を執るようになった頃、捜査チームに復帰。シーズン1にはいた

リアン・バルコム:監察医

クライヴ・アンドリュース:警視。キャシーの上役にあたる

ジェイ:植物学者。捜査に協力する

アルフィー・バーチ:万年筆を解析する人

[その他の登場人物]

ラム・シドゥ:トイッケナム警察風俗取締課の警部。ロンドンのサウソールに実家(服飾店)があり、父(名前不明)母リヤ弟バルがいる。妻アンナは高齢出産をしようとしている。ルーシー・マイヤーズという臨時職員にハラスメントで訴えられる

フィオナ・グレイソン:心理療法家。ピーク・ディストリクトのバクストン在住。パートナーのジェフ・トムリンソン息子サム娘モリーと暮らしている

リズ(エリザベス)・ベイルドン:イーストアングリア警察本部長候補で警視監補(出世中)。上司はロビン警視総監ユージニアという家政婦に母アイリーンの世話を任せている。ジャネットという女性がパートナー。ケンブリッジ在住

ディーン・バートン:事業家。ケント州ロチェスター在住。妻マニー、ふたりの息子ジャックキャスパーがいる。メアリー・クインは母だが疎遠である

ロバート・フォバティ:死体が入っていた冷凍庫の購入者。死体発見の2カ月前に死亡

アラン・ハミルトン:当時の巡査。ロバート・フォバティを飲酒運転のかどで逮捕

マシュー・キアラン・ウォルシュ:死体となった人。見習いの電気技師だった。クライヴという兄がいる。ジェロームという遺児がいることが判明する

イアン・ヘンダーソン:警察学校の教官

スージー・モンゴメリ:パブ「アイフィールド」の店主

メモ・感想

このシリーズは社会問題を伏線に含むことが多く、本シーズンでは “移民問題と人種差別” “障がい者とその家族” “LGBTQ” と思われる。

警部ラム・シドゥの実家はロンドンのサウソール。そこにはインド系移民の一大コミュニティが形成されている。移民(マイノリティ)というアンデンティティが彼の “厄介なパーソナリティ” を作り出している。

“移民問題” は欧米諸国の大きな課題であり、よき市民もいれば、何か気に食わないことがあると “人種差別” とか “レイシスト” とかと騒ぎ立てることで我や主張を通す人たちもいる。登場人物の警部ラムは、イギリスの人々の手に余る後者の人物として描かれている。イギリスで「アジア系」というと「インド・パキスタン系」を意味することが多いのだなと気づいた。

ラムの妻アンナは46歳で妊娠、障害児が生まれるリスクが大きいことが懸念されている。産むか産まないか、夫婦の意思と絆の強さが試される。

ディーンの長男ジャックは障がい者。ディーンはそういう息子をもったことにより、障がい者を対象とした慈善事業に情熱を注ぐようになるが、健常な次男キャスパーについては放任気味である。次男はそれを悲しく感じている。愛情、関心とケアが障害児に集中することで健常な兄弟の心に影が差すという事象は、現実社会でも散見されるパターンである。警視監補リズは同性愛者で、母親との間に確執がある。

①今は離れた場所で暮らしている、各種の課題を抱えた人たちが30年前の殺人事件に関わっている

②彼らには “自分の家族” に対する深い(あるいは複雑な)思いがあり、愛する人たちに対し “よき家庭人” でありたいと思っている

という作りが、このシリーズならではの味わい深さと思う。

私は警部キャシー・スチュアート(ニコラ・ウォーカー)が好きだったので、シーズン5以降に登場しないのは残念。日本語吹き替えの声質が好みだったということもある。

ともあれ、シーズン5(2023年作品)も早期にアマプラで公開してほしい。

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