全12エピソードからなるようなので、4エピソードずつ3分割で投稿しようと思います。
面白いサスペンスに出会えないときに観ることにしている韓国ドラマ。今回は「その電話が鳴るとき」(原題:지금 거신 전화는)。同名のWeb小説を原作としています。
私は海外ドラマを海外旅行の代替として味わっています。韓国は海外という感じがあまりしません。だから、あまり観ないのだと思います。韓国へは35年くらい前に行ったことがあります。岩っぽい荒涼とした風景、石っぽい建物、衛生状態の悪そうな市場、肉をよく食べる等、日本とは明らかに違う文化だったのですが、より広くみれば日本と似ています。
ドラマの登場人物も半ば自動的に日本の芸能人に脳内変換されてしまいます。「悪の心を読む者たち」を観ればキム・ナムギルが風間トオル(※若かった頃)に変換され、「その電話が鳴るとき」を観ればユ・ヨンソクが筒井道隆(※若かった頃)に変換されます。私が年寄りなだけとも言えます。
韓国ドラマを観ない者なりに感じる特徴
日本のドラマも観ないため気づかないだけで、実は韓国ドラマと日本のドラマには類似点があるのかもしれません。それはそれとして、韓国ドラマに感じる特徴は次のようなことです。
- メロドラマのエッセンス(切ない純愛、身分 o r 立場を超えた愛など)が盛り込まれる
- セレブの社会と貧しい階級を噛ませる
- 指で💛を作りたがる
- パターン化した典型的演技が多い(表情、せりふ回し、動作など)。たとえば犯罪者役、道化役など、俳優が異なっていても似た演技を披露する
- ラブストーリー・パートではもったいをつけ、エモーショナルなBGMを流して盛り上げる
エピソード1~4のあらすじ
※ ネット検索しているとサオンの姓が “ペク” になっているものと “パク” になっているものが見られます。本投稿では “ペク” とします。“백(ペク)” は “白(white)”、“박(パク)” は “ひょうたん(gourd/漢字では朴)” という違う意味をもつ姓のようです。日本で “佐藤” と “加藤” は違うというのと同じでしょう。
仕事帰りに手話通訳士ホン・ヒジュの車のシステムがハッキングされ、彼女はオッドアイの男に拉致されます。男は彼女の夫、大統領室報道官のペク・サオンに脅迫電話をかけます。電話番号は偽装されており “406-000-1290” を表示しています。
ペク・サオンはヒジュの母キム・ヨンヒに連絡します。彼女が娘ヒジュと共にいるように振舞ったため、脅迫電話をいたずらと判断した彼は「身代金は支払わない」と告げます。そのやりとりをヒジュは車内で聴いています。拉致脅迫犯はヒジュンのことを「姉ちゃん」と呼んでいます。ふたりが姉弟の関係なのか、日本の「ようよう、姉ちゃんよお」の「姉ちゃん」なのか、この時点ではよくわかりません。
オッドアイの男は①携帯電話がペク・サオンにしかかからない設定になっていること、②ボイスチェンジャー機能があること、③VPN使用により追跡が困難であることをヒジュに話します。サオンがいたずら電話と勘違いしたため、拉致脅迫犯は目的を遂げられませんでした。ヒジュは夫サオンの男に対する「死体になったら連絡してこい」という冷酷な言葉にショックを受けて車を暴走させます。
エピソード1:ヒジュとサオンの仕事や関係性を理解させるためのエピソード。契約結婚を強いられたヒジュは冷ややかな夫サオンの振る舞いに傷つき “406-000-1290” を使って電話をかけ始める。ヒジュの緘黙症が表向きのものであり、実は話すことができることが視聴者に明かされる
エピソード2:サオンは “406-000-1290” の男を捜し出そうとする。緘黙症ということになっているヒジュは夫サオンへの苛立ちを “406” の言葉としてぶつけ続ける。サオンには妻ヒジュに対する執着があり、表面的な冷淡さとは別の何かがありそうな様子が描かれる
エピソード3:サオンのオフィスに爆発物が届く。サオンと “406” の男(ヒジュ)は電話を通じて駆け引きを続ける(表向きは脅しとマウンティング、ヒジュを陰から突き動かしているのは夫から愛の確証を得られない境遇への不満)。サオンは、妻ヒジュと大学時代の先輩チ・サンウの関係を気にする。仮面夫婦のサオンとヒジュは子どもの頃からの知り合いであることが判明
エピソード4:サオンは妻としてのヒジュに少しずつ歩み寄る。ヒジュも夫の変化に気づく。“406” になりすまして揺さぶりをかけるのはヒジュから仕掛けたゲームだったが苦しくなっていく。ヒジュは大統領室付の手話通訳士に選ばれる。姉ホン・イナが姿を現す。サオンはヒジュが緘黙症でないことを知る
登場人物
[主人公たち]※ ふたりが夫婦であることは公にされていない。3年来の仮面夫婦
ホン・ヒジュ:緘黙症の手話通訳士。チョンウン日報会長の次女。ペク・サオンと政略結婚させられる
ペク・サオン:大韓民国のスター報道官。大統領室に所属(報道官室という自身の部署がある)。政治家の家系。ペク・ジャンホの孫
[ホン・ヒジュの家族]
ホン・イルギョン:チョンウン日報の会長。ホン・ヒジュの義理の父
キム・ヨンヒ:会長の後妻。ヒジュの生母で元クラブ歌手。元夫ナ・ジンチョル(クラブのMCだった?)は入院中
ホン・イナ:会長の長女。ヒジュの異母姉。チョンウンアートセンター代表。子どもの頃の交通事故で聴力を失った
[ペク・サオンの家族]
ペク・ウィヨン:大統領選候補者で自由民声党の党首。サオンの父
シン・ギュジン:ウィヨンの妻。サオンの母。交渉のプロ、犯罪心理学者であるらしい
[主人公たちの周辺人物]
ナ・ユリ:HBCの女性アナウンサー。報道官ペク・サオンの後輩にあたり、手話通訳士ホン・ヒジュと仕事をする機会がある
ヒョクジン:サオンの友人で記者
カン・ヨンウ:大統領室の課長。サオンの部下
パク・ドジェ:行政官。サオンを補佐している
イ警護員:サオンの指示でヒジュを警護している女性
チ・サンウ:ヒジュの大学時代の先輩。精神科医で汝矣島(ヨイド)が拠点。HBCのナ・ユリと知り合いになる。“ヌリ夢園” という児童養護施設の出身
姓名不詳の女性:ソンナン区手話通訳センター長
感想・メモ
- 話の先が見える感じはあるが、メロドラマ性によって結論が引き延ばされていく → 最後まで視聴してわかるストーリーの成り立ちは案外シンプルだと思う
- 手話通訳士の守備範囲が謎 → 手話は世界共通のツールに見えるが、バーバルな言語と同じで、それぞれ異なっている。パーティーでイギリス大使の妻のためにヒジュが手話通訳を行っている。彼女はイギリスの手話も使えるのだろうか?韓国の手話ならば大使の妻に通じないと思う
- ペク・サオンのヒジュに対する抑制的かつ禁欲的な接し方がツボ → いまどきサオンのような男性はまずいない。イケメンのエリートという条件面のアドバンテージに加え、希少動物的なありがたさが視聴者(特に女性)の心を掴んでいると思う