ITコンサルが犯罪組織に潜入するルーマニアのドラマ「スブテラン」

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①ルーマニアのドラマを観る機会が少ない、②スパイ・潜入ものが好き、という理由で視聴しました。タイトルの “スブテラン”(原題:SUBTERAN) はルーマニア語で “地下” 。“地下組織” という意味かもしれませんが、“潜る・潜入” にも通じています。

“IT業界で働いていたシングルマザー” らと “ブカレストを拠点とする犯罪組織” とのせめぎ合いを描いています。

こんな感じで物語は始まる

女性(カメリア)が男性(ボーンズ)によって車内に拉致されています。母と息子に無事を伝えさせてくれと懇願する彼女に対して「あと2日間、君が死んだと思わせる」と男が言うシーンからエピソード1がスタート。

その36時間前、カメリアは “ルーマニア持続的発展機構” を訪問していました。そこで通信速度が遅い原因を突き止め、管理者にアドバイスを行っています。一方、カメリアの恋人で警察官のルカはボーンズから着信。ボーンズは情報提供者で、いわゆるタレコミ屋なのか、それとは異なる筋の人物なのか、この段階では不明です。

情報提供者のボーンズは「19時半にバンクの部屋へ。彼はタナセと手を切る。証人保護を依頼する」とルカに言いますが、それには上司の承認が必要と警察官であるルカは告げます。

タナセとは犯罪組織のトップのようです。その頃、手下のドラクはバンクによってビットコインを盗まれた、口座が空になっているとタナセに報告。タナセはバンクの裏切りに対して至急手を打つよう指示します。

グランドホテルのバンクの部屋にボーンズが現れます。19時半にやってくる予定の警察官ルカにすべてを話すよう言っています。タナセを出し抜いてバンクの安全を確保するつもりのようです。しかしバンクとボーンズも一枚岩ではないようで、ボーンズはバンクに気づかれぬようにして盗聴器をランプシェードに取り付けます。

訪れた警察官ルカに対し、タナセの情報を渡す代わりに外国への逃亡を助けるようバンクは言いますが、娼婦になりすましたタナセの娘ティリによってルカとバンクは射殺されます。

彼女がルカとバンクを射殺して持ち帰ったノートPCは、タナセに関する情報や盗んだビットコインが保管された “目的のそれ” ではなかったことが判明。重要な情報の入った別のノートPCを警察の押収品から回収するようタナセは命じます。

恋人ルカを失うと同時に、事件の様子をWebカメラで目撃してしまったカメリア。ルカを殺害したティリと瓜二つの妹クリシを射殺します。カメリアは “ソニア” を名乗り、ITスキルを武器に “ボーンズ” と組んでタナセの組織と対峙します。

登場人物

カメリア・セルブ:ITコンサルタント。シングルマザーで息子マテイ母ドロテアルカ・ヴォイネアという警察官の恋人がいる。亡き父ドルーも警察官

ボーンズ:本名はマリウス・ローマン

ニコラエ・タナセ:犯罪組織のボス

バンク:タナセの会計士。グランドホテル特別室の宿泊客。本名はホラティウ・ウンケセル

ドラク・ネグレスク:タナセの手下。タナセの娘ティリとデキている

ティリ・タナセ:ニコラエの長女(双子の姉妹)。奔放で残酷

クリシ・タナセ:ニコラエの次女(双子の姉妹)。アタマがよくないにも関わらず、主導権を握りたがる性質

サビン・ゴレスク:検事長

イオン・タトゥ:警視。ルカの上司

ドブレスク:IT担当の警官

ヴァシレ・コーマン:セルブ家の知人。ルカの同僚で警察官

ラルス:タナセの取引相手

ネル・ジス:カメリアの母ドロテアの隣人

感想:脇が甘いのはお国柄なのか?

ルーマニアは日本に比較して治安がよくないと思われます。安全安心の環境でホンワカ暮らしている日本人が旅行すると、たちまちスリ、置き引き、ひったくり、ボッタクリに遭うイメージです。

本作によればルーマニア警察の警視はラグビーシャツで執務し、私服警官の服装も “休日のお父さん” のようで緩すぎます。軽く羽織るような警察のジャンパーや制服もすぐに手に入り、顔や首に素人と思えないタトゥの入った男でさえも警官を装えます。救急車の内部には救護人用のジャンパーや帽子が放置されており、それを奪って着れば救急隊員になりすますことができます。

サッカーの代表試合があれば男たちは仕事を忘れて観戦に熱中し、警察署内でも大画面に向かって警官や職員が声援を送ります。そしてお祭り騒ぎに乗じたギャングらに急襲されます。

ルーマニアってそういうお国柄なのでしょうか。そもそも治安のよくなさそうな土地柄ですが、それにも増して社会全般のセキュリティ意識がとても低そうと感じるドラマ。

それを除けば、緩急や盛り上がりもあって悪くないので「観て損をした」と感じることはないでしょう。主人公カメリアとボーンズが恋人関係にならなかった点も私はポジティブに評価しています。

小難しくはなく、どんな人でも楽しめる内容ですが、結末が「あれ?」という感じ。それぞれの立場から、それぞれの利を取ってのラストシーンでしょうか。新しく生まれた悪の親玉は生き長らえ、検事長や警視の真実が何なのかわからなくなります。

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