ハーラン・コーベンはアメリカの推理小説作家。彼の作品を元にしたドラマをいくつも視聴していますが、これまでブログに書いたのは「偽りの銃弾」についてだけ。しかも単独記事ではありません。
「偽りの銃弾」についてはコチラで少し取り上げています(↓)。

そんな彼(アメリカ人)の小説を原作とする「ジャスト・ワン・ルック」はポーランドの作品。ドラマ化にあたって設定をポーランドに変更したのではないでしょうか(調べていませんが)。
ドラマの印象を一言でいうと「昭和100年(知っているかい?今が令和7年であることを)」。好みはそれぞれでしょうが「今のわりには古式ゆかしい」感じがしました。
そのトーン&マナーから、昭和のメロドラマのようなウクライナのサスペンス作品「トワイライト」を思い出してしまいました。

私にとって「ジャスト・ワン・ルック」は今ひとつでしたが、Netflixにおいて現時点で視聴できるハーラン・コーベン原作ドラマを簡単にまとめておきます。両者は5年間で14作品を映像化する契約を結んでいるそうです。今後さらに製作されるということですね。
5年に亘っての契約を結ぶくらいなので、ハーラン・コーベンの小説は人気があるのでしょう。ドラマに限って言えば、最近ドラマ化されたものより、製作年の古い作品のほうが面白い傾向にあります。粗製乱造化しているのか後々まで記憶に残る内容がのものが少なくなってきています。失踪、死んだと思われていたが生きていたという展開が多いです。
なんやかやディスっているみたいですが、下記のうち「イノセント」は毛色が違っていて、とても面白いです。特に後半のエピソードにおいて “性的コンテンツ” の濃度が高く、シリアスな内容なので、その点が気にならない方にはお勧めできます。ハーラン・コーベン原作ドラマが、すべてこの水準の出来ならば最高だと思います。
「ザ・ストレンジャー」「SAFE 埋もれた秘密」も良作。
2025年
ジャスト・ワン・ルック(6エピソード)
- 導入:アーティストのグレタは2009年に起きたクラブ火災の被害者。そのショックで一部の記憶を失っている。ある日、写真を現像に出したところ、15年前に撮影したと思われる一枚の写真が紛れ込んでいた。それを夫ヤツェクに見せたところ、彼は家から出ていき、そのまま姿を消す
- 組み立て:夫ヤツェクを探すグレタ → それと並行して2009年のクラブ火災で娘アレックスを失った元検事が囚人の証言に基づいて事件を再捜査 → 15年前にバンドのメンバーだった人物が次々に死ぬ → 真相やいかに
- 舞台:ポーランド
- 原題:Tylko jedno spojrzenie
ミッシング・ユー(5エピソード)
- 導入:婚約者が突然姿を消してしまったカット・ドノヴァン警部は新たな出会いを模索中。出会い系アプリで元婚約者そっくりの男性を発見。巡査部長の父を殺害した罪で服役中の犯人が驚くべき真相を告白する
- 組み立て:カットは父クリント・ドノヴァン巡査部長を殺害される → 婚約者ジョシュが失踪 → 11年後に元婚約者にそっくりな男性を発見 → アプリを通じてコンタクト → 父の殺害犯モンティの死期が近いことが判明 → モンティは「取引で罪を被った」と実行犯であることを否定 → 刑務所の面会記録からジョシュがモンティに面会していたことが判明 → カットの人生の “背後にあるもの” やいかに
- 舞台:イギリス
- 原題:Missing You
2022年
ホールド・タイト(6エピソード)
- 導入:アンナにはアダムという18歳の息子がいる。親友イゴールが亡くなって以来、挙動不審のアダムを心配し、夫の反対を押し切ってスパイウェアを彼の携帯にインストールして監視していた。ある日息子が姿を消す。一方、娘オラの通う小学校ではイジメがはびこっている
- 組み立て:息子イゴールの死に不審なものを感じているイゴール母 → イゴールの死について何か知っていそうなアダム(アンナの息子)→ アダム失踪 → 真相やいかに
- 舞台:ポーランド
- 原題:Zachowaj spokój
2021年
イノセント(8エピソード)
- 導入:兄イスマエルに誘われて行ったクラブでの揉め事に巻き込まれ、ダニを殺してしまった法学生のマテオ(マット)は過失致死で4年間の懲役を言い渡される。苦難が次から次へと訪れ、最終的に父母と兄を失う。パートナーのオリビアとは仲睦まじいものの、それでもなお不穏な出来事が彼らを襲う
- 組み立て:法学生だったマットは服役 → 出所 → 兄の法律事務所に就職 → 思い出となっていた女性オリビアと再会 → 幸せな家庭を築く → 兄が脳出血で亡くなる → オリビアが妊娠 → マット夫婦は新居へ → 近隣住民にウーゴ(クラブの事件の際に兄と喧嘩)とエバ(喧嘩の原因を作った)がいることを知る → オリビアが仕事と称して秘密めいた動きを始める → その一方で修道女の死にまつわる捜査が進行していく
- 舞台:スペイン、コロンビア
- 原題:El inocente
忽然と(5エピソード)
- 導入:2010年6月のニース。ギョームは兄フレデリック、自身のかつての恋の相手ソニアを失う。10年が経過。ギョームは母フロランスの葬儀に参列後、恋人ジュディスにプロポーズ。ジュディスは、その後行方知れずとなる
- 組み立て:ギョームは兄と初恋の人を失った7年後に青少年支援の仕事を通じてジュディスと出会う → その3年後にギョームの母が他界 → ジュディスにプロポーズするが彼女は姿を消す → ギョームは手を尽くして捜すが見つからない → とある殺人事件現場にジュディスの痕跡が発見される → 死んだ母フロランスが死体の上がっていない兄フレデリックの行方を追うよう探偵に依頼していたことがわかる → 真相やいかに
- 舞台:フランス、イタリア
- 原題:Disparu à jamais
ステイ・クロース(8エピソード)
- 導入:メーガンがパーティーから帰宅すると「キャシーへ」と書かれた封筒とワインが玄関前に置いてあった。有力者の20歳の息子カールトンが失踪。ブルーム刑事が対応する。不本意な仕事をしているカメラマンのレイは何者かにカメラを奪われる
- 組み立て:結婚を控えたメーガンには、かつて「キャシー」としての人生があったらしい → ブルーム刑事は金持ちの息子カールトンの失踪事件を担当し、17年前の類似事件を思い出す → その頃、カメラを奪われたレイが失踪したカールトンを撮影していたことが判明 → 3人(メーガン/ブルーム/レイ)の間に見えないつながりがあることが示唆される → 鍵になるのはスチュワート・グリーン → 彼らの不穏な日常やいかに
- 舞台:イギリス
- 原題:Stay Close
2020年
ザ・ストレンジャー(8エピソード)
- 導入:若者たちが集まったキャンプファイヤーのシーン。弁護士アダムには息子がふたりいて関係は悪くない。妻コリンヌの出張中、サッカーのクラブハウスで謎の女がアダムに近づく。2年前のコリンヌの妊娠流産は嘘だったと告げる
- 組み立て:妻コリンヌ、息子ふたりと幸せな家庭生活を送っていたアダム → クラブハウスで謎の女がアダムに対して妻への不信感を抱かせるようなことを囁く → コリンヌの身辺を探るうちに疑心暗鬼に陥っていくアダム → 息子たちの周辺にも事件が起きる → 真相やいかに
- 舞台:イギリス
- 原題:The Stranger
その森に(6エピソード)
- 導入:1994年、若きパヴェウはサマーキャンプの監督者として、母の指導の元で働いていた。彼を含む4人の高校生(パヴェウ/アルトゥル/ダニエル/ラウラ)が行動を共にした。その後、アルトゥル、ダニエル、パヴェウの妹カミラ、モニカの4人が森に入り、モニカの遺体が発見され、ほかの3人は行方不明。その25年後、検察官となったパヴェウはかつてサマーキャンプを舞台に起きた悲惨な事件の手がかりを得る
- 組み立て:中年男の死体が発見される → 男はパヴェウ&25年前のサマーキャンプの事件に関する記事を所有 → 警察はパヴェウに聴取 → 死体がアルトゥルであることが判明 → 妹カミラにも生存の可能性が浮上 → アルトゥルの母は中年男の死体を「息子じゃない」と言う → 真相やいかに
- 舞台:ポーランド
- 原題:W glebi lasu
2018年
SAFE 埋もれた秘密(8エピソード)
- 導入:妻レイチェルを亡くした医師のトムは地域社会に溶けこんで、ふたりの娘と暮らしていた。ある日、長女ジェニーがパーティーから帰宅しなかったため、彼は捜索に乗り出す
- 組み立て:妻の死から1年、医師のトムは近隣の女性(メイソン巡査部長でヘンリーの母)と秘密の関係にある → 長女ジェニーは感づいている?彼女には何か悩みがありそう → ジェニーの恋人クリスの家庭も問題を抱えている → トムは娘ジェニーの携帯電話にスパイウェアを仕込む → ジェニーとクリスはシア宅で催されたアルコ―ルあり、ドラッグありのパーティーに参加 → ジェニーとクリスが行方不明に → 父トムは娘を捜し出そうとする → 地域・学校などを巻き込んでの事件や秘密が明らかになっていく
- 舞台:イギリス
- 原題:Safe