マイクル・コナリー原作のロサンゼルス市警察刑事ハリー・ボッシュを主人公とするミステリー小説「ハリー・ボッシュ・シリーズ」のテレビドラマ化作品「BOSCH/ボッシュ」のスピンオフ作品が順次リリースされています。
この5月は毎週のように「ベター・コール・ソウル」と「ボッシュ:受け継がれるもの」の配信があるので嬉しいです。少しずつ、各エピソードのあらすじと感想を投稿していきます。
「ボッシュ:受け継がれるもの」のオープニングテーマが、「BOSCH/ボッシュ」の “まったりとしたムーディーな夜” の感じからは打って変わり、アップテンポの曲になっていて「おっ」と思います。
エピソード1(新しい人生)
ハリー・ボッシュは私立探偵になり、娘マディは新人警官として働いています。ハリーは昔取った杵柄で、仕事の声がいろいろかかります。一方、マディは先輩警官にしごかれ、容疑者と格闘する日々。
「BOSCH/ボッシュ」で撃たれたチャンドラーは回復し、弁護士の仕事へ復帰します。医師殺しで逮捕されたホームレス、ジェフリーの弁護です。ハリーは、かつてチャンドラーのインターンを務めた娘マディに頼まれ、チャンドラーのために裁判で証言しますが、番狂わせが起こります。また、カール・ロジャース(殺し屋を雇っての殺人ほか、チャンドラーが撃たれたこと、マディを狙ったことについて指示を出していたヘッジファンド経営者)に対する再審が暗礁に乗り上げます。
ハリーは高齢の大金持ちヴァンスに雇われ、かつての恋人を探しますが、かなり以前に自殺していることが分かりました。当時、彼女は妊娠しており、お腹の子どもがその後どうなったのかを調べることをハリーは提案します。
そしてなんと、ハリーのあの素敵な家が地震で壊れます。素人目に見ても、傾斜にあって、建物を下から支えている柱(足場の金属管みたいなもの)が細すぎて、強度を期待できそうにありませんでした。「やっぱり壊れるんだ」と地味に納得。耐震補強が必要ですね。ハリーは一時的に別のところに住まいます。
エピソード1は、この先のストーリー展開に必要な伏線配置、それぞれのスタート位置が示されたという印象です。
エピソード2(危険な来訪者)
億万長者ヴァンスが私立探偵ハリーを雇ったことで、子どもがいないはずのヴァンスの死後相続について警戒心を抱く利害関係者。彼らはハリーの動きを監視しようとします。ハリーはヴァンスの子どもを探すにあたり、架空の人物を上手に演じて情報を当たっていきます。刑事や探偵たるもの、綻びの出ない人物像を設定し、上手に演技できることが大切であると改めて感じました。
新人警官のマディはいくつかの失敗もあって苦労が絶えません。ドラマで観る限りではアメリカの現場担当の警官とは大変な職務ですね。デスクワーク寄りの仕事(手続き担当等)ならばともかく、大柄な犯罪者相手となると、女性であっても心身が男性並みにタフでないと務まりません。マディは細い身体で頑張っています。
ロシアからギャングたちがやってきます。どうもカール・ロジャース(チャンドラーやマディの襲撃を指示したヘッジファンド経営者)周辺の人物のようです。
各登場人物が、それぞれに日々淡々と何かを進めています。
「ヴァンスの子どもはどこで何をしているの?」という疑問を抱かせ、一方でロシアからやってきたギャングたちの次なる動きに関心を惹きつけるのが、エピソード2の主たる役割と思われます。