ベルファストが舞台の映画、ふたつ目は「グッド・バイブレーションズ」(原題 “GOOD VIBRATIONS” )です。
ひとつ目の「ベルファスト」が比較的普遍的な内容で、舞台となる場所や登場人物が変わっても成立しそうな映画であったのに対し、今回の「グッド・バイブレーションズ」は誰にでも成立する物語ではありません。ひょっとしたら観る人を選ぶかもしれません。しかしぜひ観ていただきたい、ものすご~くいい映画です。
実話ベースの映画で、混沌としたベルファストを拠点に音楽で人と人とを結び付けようとしたテリー・フーリーの物語です。
「カトリック教徒。共産主義者め」と同年代の子どもたちに因縁をつけられ、放たれた弓矢が当たり片目が義眼となったテリー少年。フォークやロックなど、音楽をこよなく愛する青年に成長します。ベルファストにやってきたミュージシャンのライブには必ず行く生活を送っていましたが、1975年に起きた、ツアー中のバンドがアルスター義勇軍によって虐殺されるという痛ましい事件以降、北アイルランドにやって来るミュージシャンが激減。当地の音楽産業は壊滅状態。そんなところから物語が本格的に始まります。
- 北アイルランド紛争はその後さらに20年近く続き、約3000人が命を落とした。
- “GOOD VIBRATIONS” は1982年に閉店。その後も開店と閉店を繰り返す。
- 映画の最後で「ザ・クラッシュ」のジョー・ストラマーによるアルスター・ホールイベントへの賛辞が紹介されている。
- イベントでテリーの歌う “Laugh at me”(ソニー・ボノ) が彼の人生を代弁している。
[ロケ地]北アイルランド、イングランド