「ペーパー・ハウス」はストーリーのまとまりとしてパート1と2、パート3~5がセットになっているようです。
パート4に至り、国家警察と生死をかけて戦うフェーズとなり、リオの奪還には成功したものの、何のために何をしようとしているのかが分からなくなってきた強盗団。“教授” も愛するリスボンを奪われ、白旗を揚げて投降したい気分になります。
[パート4のチーム編成]
パート4が始まった時点でナイロビは重傷を負っている。活動できるパート3からのメンバーはトーキョー、デンバー、リオ、ヘルシンキ、ストックホルム、リスボン、パレルモ、ボゴタ、マルセイユの9名。
人質として紛れ込んでいたマニラが新メンバーに加わる(パート3から存在はしていたのかも)。モスクワ(故人)の友人の息子で性転換者。デンバーのことが好き
コード名をもたない協力者がさらに登場(マニラの父ベンジャミン率いるグループなど)
混乱のなか、イカれた妊婦警部アリシア・シエラならびにタマヨ率いる情報局との闘いに勝利することを “教授” は誓います。
スペイン銀行のなかで、ボゴタに介抱されるナイロビ、仲間に身柄を拘束されているパレルモ、仲違いをするトーキョー、リオ、デンバー、ストックホルム。そして拘束していたにも関わらず、まんまと手錠抜けしたガンディア(スペイン銀行警備責任者かつ元特殊部隊の暗殺者)を追うトーキョーとヘルシンキ。
強盗団に立ちはだかるのは妊婦警部アリシアやタマヨたちだけかと思いきや、元暗殺者ガンディアという最強人間兵器がスペイン銀行内で強盗団に脅威をもたらします。
スペイン銀行内にいる強盗団のメンバーたちは、不気味な暗殺者ガンディア(⇒プロ)に始末されてしまうのでしょうか。銀行内が戦場と化し、どちらも満身創痍となります。
- 登場人物たちの、これまで安定していた関係がかなり揺れる。パートナー関係にあったデンバーとストックホルム、トーキョーとリオ。仲間としてやってきたデンバーとリオ。人質のなかではアルトゥーロ(造幣局長)とアマンダ(スペイン銀行秘書)など
- 元警部でありながら心理戦に弱いリスボン。見ていて不安になる
- 強盗団ではトーキョーのみならず、パレルモも暴走。頭を抱えっぱなしの “教授”
- 一方、元特殊部隊の暗殺者ガンディアも暴走。人質として囚われているときはよく分からなかったが、自由な身になって以降は「銃をもった非情なマシーン」に見事に変貌(こいつもイカれた奴だった)
- アルトゥーロはやっぱりゴミ男(私の勘は正しかった)
強盗団と国家警察との戦いにばかり目が行って忘れていましたが、金塊を溶かして目標量を持ち出すタスクがバックグラウンドで進行中です。それを首尾よく達成しなければなりません。
マルセイユは “教授” の命を受けてアルジェリアへ。“教授” は国家警察や情報局に対し、怒りに燃えた作戦を次々に展開。
強盗事件を担当していた警部アリシア・シエラは任務を解かれ、独自に捜査を開始します。
多面的な作戦展開の結果、ある大きな成果を得た強盗団は「この戦争に勝つぞ」と団結を強め、士気を高めます。その頃 “教授” には最大級の危機が迫っていました。というところでシーズン5へと続きます。
ドキドキハラハラの連続、ずっとクライマックスが続く感じです。
[キャスト紹介]
ナイワ・ニウリ(アリシア・シエラ役)
1972年パンプローナ生まれ。女優で歌手。母親はスペイン人、父親はヨルダン人。スペインの俳優には、歌手やダンサーでもある人が多い気がする。「ペーハー・ハウス」ではイカれた妊婦警部役が堂に入っている。
ロドリナ・デ・ラ・セルナ(パレルモ役)
1976年ブエノスアイレス生まれの俳優、ミュージシャン。幼い頃から演劇に興味を持ち、学校のワークショップ作品に参加。現在に至るまで国際的な評価も高く、いくつかの賞を獲得している。チェ・ゲバラの血を引く。作中では同性愛者であるが私生活では子どもが3人いる。現在のパートナーはジャーナリスト。アルゼンチン在住。「ペーハー・ハウス」を見て、この人は目の演技が素晴らしいと感じた。狂った目、怪我をしてからの目、みんなでサッカーをしているときやヘルシンキとの情事の後の目、それぞれ違う。
ダーコ・ペリッチ(ヘルシンキ役)
元セルビア人兵士という役柄通り、1977年セルビア生まれの俳優。幼い頃から芸術に興味があった。1991年にユーゴスラビア戦争が始まり、ザグレブのアニメーションスクールへ行くという夢が叶わなくなった。両親の勧めによりルーマニアの獣医学校へ進学。ルーマニア映画アカデミーの学生だった友人の影響で映画や演劇への情熱が再燃。短編映画に出演しながら学業を続けた。獣医学を修めた後も演劇やバンド活動を展開。国際的なアーティストたちとの出会いがきっかけでドイツへ移住。その後スペインへ移住した。気功のマスターでもある。作中でも執刀しているが(動物相手であるとしても)実践経験があるわけで、想像以上に多才な人。
ホービック・ケウケリアン(ボゴタ役)
1972年レバノン生まれの俳優。父親はアルメニア人、母親はスペイン人。元ボクサーで、スペインで二度、チャンピオンになった。ボクシングを辞めた後、スタンドアップコメディアンならびに作家として新しいキャリアをスタート。4冊の書籍を出版している。なぜボクサーからコメディアンなのかは不明ながら、こちらもヘルシンキ役同様に多才である模様。スペインはベルリン役やデンバー役のように、作家でもある俳優が多い気がする。
ルカ・ペロス(マルセイユ役)
1976年生まれの俳優。ユーゴスラビアからクロアチアが独立する前にザグレブで生まれ、5歳までそこにいた。父親は石油化学のエンジニアで、家族を海外に住まわせたため、オーストリア、アブダビ、アメリカと移り住んだ。その後、演技を学ぶためボストンとロサンゼルスに滞在。1990年代後半にクロアチアへ戻り、演劇、テレビシリーズ、映画の俳優として活動。クロアチアの首都ザグレブで暮らしていたが、2010年からバルセロナに住んでいる。政治的に不安定な国に生まれたためか、親がお金持ちだったのか、国外での暮らしが長かったようである。
[ロケ地]スペイン