ドラマ「ペーパー・ハウス」の世界:パート3

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パート3は、私にとっての「暑苦しく、いけ好かない男」アルトゥーロから始まります。造幣局襲撃事件の人質だった彼は時の人となり、自由を得た今はヒーローとしてショーに出演しています。体験談を披露し、強盗団を非難して聴衆を煽ります。信奉者が多数おり、自己啓発界の精神的リーダーのようです。

その頃、強盗団メンバーは世界各地(隠れ家)へ高飛びして人生を謳歌。ナイロビとヘルシンキ(実はゲイ)はアルゼンチンのラパンパ、デンバーと人質だったモニカはインドネシアのジャワ島、トーキョーとリオも楽園のようなカリブの島(サンブラス諸島グナ・ヤラ)にいます。それぞれがどこにいるかを把握しているのは “教授” だけ。教授はフィリピンに潜伏していました。

ドラマ「ペーパー・ハウス」の世界:パート1
スペインドラマ「ペーパー・ハウス」パート1の魅力を語ります。
ドラマ「ペーパー・ハウス」の世界:パート2
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パート3の発端は、楽園生活の刺激のなさに退屈したトーキョーが単独行動に踏み切り、リオが尻尾を掴まれたことでした。結局のところ “穏やかなだけの平和” が好きでなかったのでしょう。トーキョーは恋人リオを島に残し、パナマでひとり自由を謳歌します。パナマにいる彼女と連絡を取ろうとしたリオは、ユーロポールに電波をキャッチされ、国家警察に身柄を拘束されます。

トーキョーは緊急時にのみ使用を許可された電話番号で “教授” に連絡、助けを求めるところからパート3が本格的に始動していきます。“教授” の手引きによって強盗団のメンバーは再会。リオの失態に憤りつつも「みんなの今は、死んだメンバーたちの貢献があったからこそ。それを思い出せ。誰もが感情に足を取られてミスを犯す」と “教授” に説かれ、リオ奪還に向けて協力することに。

[パート3のチーム編成]

パート2までのトーキョーデンバーリオヘルシンキナイロビのほか、6名以上が新たに加わる。

  • ストックホルム:元人質のモニカ。アルトゥーロとの間の子ども(シンシナティ)を育てている。パートナーのデンバーの反対を押し切り参加。コードネームは「ストックホルム症候群」から採った
  • リスボン:元警部のラケル。パートナーである “教授” とともに作戦を指揮する
  • パレルモ:コードネームはイタリアの都市名。ベルリンの親友で同性愛者。彼の死の件について “教授” を責める。チームに加わり現場を指揮する。ベルリンと同じ狂った目をしている
  • ボゴタ:溶接工。冶金学の専門家として強盗に参加。三大宗教の父祖アブラハムのように「7人の息子」が分散して世界各地にいる。
  • マルセイユ:“教授” と強盗団の間で情報を連携する役割。
  • ほかにもコードネームを明示されない強盗団の協力者がいる(マティアスなど)

拘束されたリオは拷問されています。“教授” は「権力の横暴に対する抵抗」という立ち位置を示し、スペイン銀行から金塊を奪うことにします。実はこの計画、造幣局襲撃の数年前から準備されていました。しかしスペイン銀行に対する略奪計画は造幣局襲撃以上の難易度、すなわち遂行不可能であると、“教授” は当時のベルリンやパレルモに訴えていました。今回、リオの奪還のために実行を決意します。

まずは1億4000万ユーロをマドリードの空からバラ撒き、国家警察に対して宣戦布告。紙幣のバラ撒きは「義賊」として権力側からの略奪品を大衆に分け与えることを意味します。次第に強盗団のサポーターが増え、世界各地で「ダリのお面」をアイコンとしたレジスタンス運動が湧き起こります。

[パート3のポイント]

  • 回想シーンによって “教授” とベルリンの関係が明らかになる
  • ベルリンは5年ほど前、イタリアで暮らしていて当時は “タチアナ” というパートナーがいた
  • 強盗団への新メンバー投入による、戦術バリエーションの拡充
  • 国家警察のイカれた女性交渉人アリシアの登場。妊婦。よくも悪くもコクあり過ぎ
  • トーキョーのトラブルメーカーっぷりにイラつくことができる
  • (私の目が確かならば)パトリック・クリアドがカメオ出演している

強盗団は政府側に立つ陸軍部隊(護衛隊)を装い、スペイン銀行への進入を試みます。作戦のコンセプトは「アイキドー(合気道)」。本来なら敵である人たちの力を使って目的を遂行しようというものです。危機を切り抜けるための細部のアイデアが秀逸。一方でせっかくのアイデアが上手く機能せず、危機に陥るパターンも面白い。

またしても想定外の嵐、パレルモは作戦が開始早々に負傷します。苦悩する “教授”。今回の作戦も目が離せません。“教授” の頭脳がなければ、各自専門性はあっても現場要員に過ぎない強盗団。絶えず不確定要素に左右され、穴と粗(あら)が増えていきます。

そして、あの「暑苦しい男」アルトゥーロが再び登場。ヘッドスライディングでスペイン銀行へ突入します。私は彼が好きではないのですが、信念に溢れ、人質救出の使命感に燃える人なのかしら?それとも元不倫相手のモニカ(ストックホルム)や生まれた息子への未練から?どちらにしても薄気味悪いのだけれど、ときどき「プッ」と笑ってしまうところがあるから許せています(笑)

パート3の最後、“教授” は理性を失い、強盗団に最大のピンチがやってきます。スペイン銀行を舞台とした、命をかけての戦いが始まったところでパート4へと続きます。

パート2が9エピソードだったのが、パート3では8エピソードとなります。さらにエピソード数が減りました。

[キャスト紹介]

アルバ・フローレス(ナイロビ役)

1986年マドリード生まれ。音楽家の家系に育ち、13歳で音楽や演技の勉強をスタート。母親も女優。親戚にミュージシャン、歌手、作曲家が多い。舞台でも活躍している。動物保護の観点からベジタリアンである。ナイロビは「こういう友達がいたら楽しいだろうな」というタイプ。

イツィアル・イトゥーニョ(ラケル改めリスボン役)

1974年バサウリ生まれの女優、歌手。バサウリ演劇学校で演技を学ぶとともに、バスク大学で都市工学と政治社会学を学んで卒業。バスク語を話すことができる。私の目には「スペイン版RIKACO」に見える。

エステル・アセボ(モニカ改めストックホルム役)

1983年マドリード生まれ。大学では身体や運動を科学的な学んだ。女優であり、プレゼンターでもある。確かにパァーっとしてますもんね。

[ロケ地]スペイン、パナマ、タイ、イタリア

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