高コスパなエージェントドラマ「ナイト・エージェント」(シーズン1・2)

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このドラマについて既に書いたつもりになっていましたが、「ナイト・マネージャー」と勘違いしていました。なお「ナイト・マネージャー」も新シーズンの公開が予定されていて楽しみにしています。

…ということでシーズン2がリリースされた「ナイト・エージェント」(原題:The Night Agent)。このタイミングでまとめて書きます。

なお、タイトルの「ナイト・エージェント」について。物語開始時点で主人公ピーターは “ナイト・アクション” に従事するFBI捜査官(電話番)であり、“ナイト・エージェント” に任命されるのはシーズン1の最後です。

シリーズのあらまし

シリーズ全体

●ピーターはFGI捜査官。ホワイトハウスの地下室で “ナイト・エージェント” からの緊急電話に対応するナイト・アクションの仕事をしていた

●ローズはサイバーセキュリティーの専門家

●ローズの伯父・伯母が襲われたことでナイト・アクションのピーターとつながりができる

●ピーターの父、ローズの伯父・伯母の死には職務上の謎がある

●ピーターとローズは事件の真相を追う仲間であると同時に恋心を抱く間柄

●結局のところ “ナイト・エージェント” とは何?(今ひとつよくわからん)と思うが、“アメリカ諜報機関の幹部による腐敗と背任を調査する極秘プログラムに従事する者” と理解しておけばよさそう。「ライン・オブ・デューティー」はイギリスの警察が舞台だが、そのアメリカ諜報機関版みたいなもの

シーズン1

FBI捜査官ピーターは、地下鉄内に仕掛けられた爆発物から乗客を守ろうとします。その事件から1年後、彼は夜勤でナイト・アクション(FBIの極秘捜査プログラム)の仕事(電話番)をしています。

ローズはビジネスに対する意欲満々のサイバーセキュリティ専門家ですが、情報漏洩を招いたことで顧客の信頼を失って会社をクビになります。そんなとき、ローマから帰ってきたキャンベル夫妻(伯父&伯母)の元を訪れます。深夜、伯父夫婦が「オスプレイへの警告」について深刻な会話をしているのに気づくローズ。そんなとき、夫妻は男たちによって急襲されます。

伯父の指示により、ローズは近隣住民ファイナーの家へ行き、ナイト・アクションに保護を依頼。キャンベル夫妻は殺害されましたがローズは助かり、その件を通じてピーターとローズが知り合います。ローズは伯父・伯母を襲った男の顔を目撃しています。ローズは「ホワイトハウスは信用できない」という伯母の言葉を気にし、彼らの死の真相を下っ端のピーターと突き止めようとします。ピーターは彼女を保護する一方で、彼女の協力を得て危機を乗り切っていきます。

彼らはアメリカ政権と武器取引の闇へと近づいていきます。

シーズン2

ピーター(コードネーム:アメリカマムシ)はナイト・エージェントの極秘任務でタイのバンコクに赴任。先輩アリスと共に捜査を行っていました。彼らは夜の街で二手に分かれて怪しい男たちを尾行しますが失敗。ナイト・アクションに助けを求めます。しかし、アリスは命を落とします。

ナイト・アクションが指定した脱出場所が筒抜けになっていたことに気づいたピーターは組織から離脱。姿を隠します。

一方のローズはITセキュリティの仕事に復帰していたものの、伯父・伯母の殺害から始まった一連の事件のPTSDに苦しんでいました。彼女に謎の男から「ピーター・サザーランドの居場所を知っているか?」という電話がかかってきます。ローズはホワイトハウスに連絡を取り、ピーターの上官にあたるキャサリンと落ち合います。キャサリンが情報共有に消極的だったためローズは得意のIT技術を駆使。ひとりでピーター捜索に乗り出します。

その頃、ニューヨークに潜伏中のピーターはバンコクで尾行に失敗したウォーレンの居所を掴もうと彼の息子イーサンに接触していました。そしてウォーレンの追跡中、10カ月ぶりにローズと再会します。

ピーターはウォーレンから “フォックスグローブ” という実験的な化学兵器計画の情報をバンコクで売ったことを聞き出しますが、核心に迫ろうとしたときウォーレンが何者かによって射殺されます。

FBIのキャサリンは、CIAの諜報員が上層部に報告したイラン人が関わる情報漏洩とウォーレンの案件とのつながりを調べるよう指示されます。

紆余曲折を経て、ピーターはローズの命と引き換えに情報仲買人のために動くことを強いられます。そして人々の命を救うという大義のため、エージェントとしての職務から逸脱した選択を行います。

登場人物

複数シーズンに登場する人たち

ピーター・サザーランド(主人公):FBI捜査官。ナイト・アクションの電話番。後に “ナイト・エージェント” となる。父もFBI捜査官だったが、国家反逆を疑われて不名誉な死を遂げた

ローズ・ラーキン(シーズン1・2):サイバーセキュリティの専門家

ミシェル・トラヴァーズ(シーズン1・2):アメリカ大統領

チェルシー・アリントン(シーズン1・2・3と続投予定):シークレットサービスのメンバー。バジャー(マディ:副大統領の娘)の護衛を担当。後に大統領の護衛となる。上昇志向が強い。シーズン2では最終エピソードに少しだけ登場

ジェイミー・ホーキンズ(シーズン1・2):FBI副長官。ピーターの上司。妻はシンシア。シーズン2では過去シーンに登場する

エイデン・モズリー(シーズン2・3と続投予定):ジェイミー・ホーキンズの後任のFBI副長官

リチャード・ヘイガン(シーズン2・3と続投予定):現州知事で、次期アメリカ大統領候補

シーズン1

ダイアン・ファー:大統領首席補佐官でホワイトハウスにいる。ピーターをナイト・アクションにスカウトした。直属の上司ではないが、ピーターに指示を出している(目印はタイ系白髪のビジュアル)。彼女の秘書がヴァレリー

ウィレット:FBI長官(目印は日系のビジュアル)

ベン・アルモラ/ネイサン・ブリッグス:シークレットサービス

エリック・モンクス:シークレットサービスのメンバー。かつて大統領を護衛し命を救ったベテラン。ケガによる休暇から復帰する

ヘンリー・キャンベルエマ・キャンベル:ローズの伯父と伯母。企業買収が表向きの仕事だが、対諜報活動の諜報員だった。仲間のローナは公共構造物等の情報を集めるのが担当だった

リアム:ホワイトハウス(FBI)の画像解析担当

シスコ・ジェンキンズ:メリーランド州の警察官。ピーターとはFBIアカデミーでの仲間

ゴードン・ウィック:殺し屋たちを雇っている。元海軍の起業家(片岡鶴太郎似)

デイルエレン:殺し屋。ウィックに雇われている。恋愛関係ともいえるがデイルは消極的

アシュリー・レッドフィールド:副大統領

マディ・レッドフィールド:副大統領の娘でジョージタウン大学の学生。彼女を誘惑するパウロ・ボネトは美術の教授で “New Leaf” の幹部

マテオ・ワーリー:美術教授パウロ・ボネトの仲間

オマー・ザダー:人民独立戦線のリーダー。バルカン人

ライリー:CIAのエージェント。シークレットサービスのアリントン捜査官の知り合い

アンドレイ・パヴェリッチ:滅んだ王室の一員。失踪前、バルカン半島で暗躍するアメリカの防衛関連企業ターンレイクを批判

ジム・ウィルソン:記者。ピーターの名づけ親

アレックス・デュモン:ピーターの父の友人であるFBI捜査官

シーズン2

アリス・リーズ(コードネーム:ハチドリ):タイの首都バンコクで任務についているナイト・エージェント。後輩のピーターの指導役。アイザック・リーズはいとこ

キャサリン・ウィーバー(コードネーム:トナカイ):工作責任者。ナイト・エージェントにおいてピーターとアリスの上官にあたる。ピーターとは浅からぬ因縁がある。ノア・ダベンポートはかつての相棒

サミ・サイディ:元デルタ・フォース軍曹。キャサリンによって “ナイト・アクション” に勧誘される

エミル・ギガー:スイス内務省元副大臣。スイス大使館員。キャサリンに協力している

バイロン・ゲドニー:CIA長官

ウォーレン・ストッカー:バンコクのCIA支局から情報を漏洩。別れた妻パトリシアとの間にイーサンという息子がいる。別れた妻の現在の夫はフランク

ジェイコブ・モンロー:情報の仲買人。バンコクでウォーレンから間接的にUSBを受け取る

ソロモン・ヴェガ:ジェイコブに雇われている男(目印はスキンヘッド)。“アーサー・ライト” が偽名のひとつ。元海兵隊員で意外に義理堅い。セレストという車いすの姉がいる

ダニベン:ソロモンらの一味

アッバス・マンスリ:イランの国連大使

ノール・タヘリ:国連イラン代表団の下級補佐。母アジタ弟ファルハードとともにイランからアメリカへ亡命したいと考えている。イスファハン出身

ハーレビジャン:ノールの同僚

ジャヴァード・ラーマニ:イラン国連大使の新たな警備責任者。ノールと同じイスファハン出身

エドワード:CIAのエージェント。有益な情報提供と引き換えにノールの家族を保護すると言っている

ジャクリーヌ・ローラン:フランスの外交官でDGSEの潜入捜査官

アメリ:フランス人。国連職員?

トーマス・バラ:どこの国の人なのか不明だが反西側勢力(“Bala” はヒンディー語圏、タミル語圏、古典ラテン語圏の姓らしい)。父ヴィクトルは戦争犯罪のかどでハーグに拘束されている。スローン・キロリーという恋人がいる

マーカス・ダーガン:トーマス・バラのいとこ

エリオット・クック:イギリスの要人。トーマス・バラとはオックスフォード大学時代の友人

ウィルフレッド・コール:コロンビア大学の化学の教授。化学兵器開発計画に関わっていた。妻グロリア娘ジェシーがいる

ラーズ・トルースト:国連事務総長の主任顧問

アルトゥーン:カリフォルニアにある、ローズの勤務するIT企業アドバースのCEO。

パトリック・ノックス:次期アメリカ大統領候補。リチャード・ヘイガンの対抗馬。元CIA長官

感想:すべてがほどよい優良な作品

この作品の魅力を一言で言うとしたら「すべてがほどよい」。

視聴しているとなぜか「HOMELAND」を思い出します(同作はFBIではなくCIAの物語ですが)。「HOMELAND」のようなスケールの大きさ、エクストリームな感じ、お金をかけている感はないけれど「盛り込まれる要素が互いにバランスが取れていて、どれも及第点」という感じです。すべてが平均的というわけでもなく、ドキドキするような盛り上がり、どんでん返しも用意されています。アクションシーンも迫力があります。

「HOMELAND」は、主人公であるCIAエージェントのキャリー、その周辺人物(一部)のメンタル面が危ういという特徴をもっています。その点で本作の主人公ピーターとローズは比較的健康度が高く(PTSDはあるようです)「仕事は凄腕だがメンタルがヤバイ」みたいなのは今どきじゃないんだろうなと思いました(極端なキャラ、パターンの繰り返しは飽きられやすい)。自分の身の回りにもいそうな “それなりにできるヤツら” “好感をもてるタイプ” が奮闘します。

シーズン1エピソード1が列車爆破事件から始まるところは「ボディガード-守るべきもの-」を思い起こさせます。奇妙な男女の殺し屋がペアを組むのもしばしば見かけるパターンです。どこかで観たような要素をかき集めた感はありますが、無駄が少なく、テンポよく進行し、トータルでの完成度が高いように感じました。

例えばシーズン2で化学兵器製造ラボでローズたちと敵の闘いが繰り広げられます。殴ったり蹴ったりし合うより毒物を防御するマスクを奪ったほうがダメージを与えられるじゃん的な「とんでも」はあります。でも、まあまあ許せる範囲。

シーズン3の制作が計画されています。人気作品なのでしょう。現時点ではシーズン3にローズの登場は予定されていません。ローズ役のルシアン・ブギャナン(トンガ系ニュージーランド人の女優)はピーター役のガブリエル・バッソとの相性がよかったように感じました。主人公が恋の相手と自然な感じで離れ離れになるとしたら「ジャック・リーチャー」に似ています。

[ロケ地]アメリカ、カナダ、タイ

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