「ボッシュ:受け継がれるもの」、既にシーズン2の制作が決定しているようです。
ドラマの「ポッシュ」シリーズは、エピソード相互や登場人物数やキャラのバランスが取れていて、トータルでのクオリティが安定しているところが魅力です。「続きをまた見よう」と思わせます。
今回はエピソード5(窮余の策)、エピソード6(非情の銃弾)を取り上げます。
エピソード5(窮余の策)
邦題は「窮余の策」ですが、原題は “Plan B”。私としては “Plan B” と言ってもらったほうがイメージが伝わってきます。
ハリーらはカール・ロジャースのアンダーグラウンド稼業の目論見を把握し、しかるべき対処の道を探ります。弁護士チャンドラーはカール陣営に対して圧力をかけて戦闘態勢をあからさまにしますが、相手側も手を打ってきます。ロシアのマフィアは弱みを握っていることをちらつかせ、カールを意のままに動かそうとします。チャンドラーは、脅して付きまとうロシアのマフィアに辟易するカールに対し、ある提案をします。
ハリーは、一方で億万長者ヴァンスの息子ドミニクに関する調査を継続しており、ドミニクに子どもがいたのではと、ベトナム従軍時の仲間ルイスを訪ねます。そんなとき、依頼人のヴァンスがこの世を去ります。
新人警官マディは、レイプ事件被害者であるタイ人女性の相談に乗ります。
モーリス・バッシの手助けを得て、ハリーが再び石油施設に侵入。カールやロシアマフィアの目論見を攪乱し、頓挫させようとします。そこまでの一連の流れが、エピソード5の見どころと思います。
エピソード6(非情の銃弾)
大金持ちの犯罪者カール・ロジャースが逃亡します。犯罪人引き渡し条約を結んでいないベトナムへの脱出を試みると、弁護士チャンドラーは推理します。ロシアのマフィアたちも彼を探します。
億万長者ゆえ、ヴァンスの遺体は解剖され、ハリーが遺言執行者に指名されます。貧乏なのも何かと大変ですが、お金持ちならではの苦労がしのばれます。
故ヴァンスと関わりのあった警備会社社長クレイトンは、ハリーとチャンドラーを監視していること、死んだヴァンスの周辺から手を引くべきであることを告げます。身の危険を想定して、ハリーは遺言書をかつての相棒エドガーへ預けます。
新人警官マディは、同期の女子警官が交通違反の取り締り中に狙撃されたことにショックを受けます。新人女子警官が撃たれたとニュースで聞いたハリーは娘マディではと居ても立っても居られず、元妻エレノアが狙撃されたれたときの記憶も去来し、心が大きく揺れます。
かつてロサンゼルス市警とFBIの共同捜査で連続強盗殺人事件を追っていたときの話をマディ―にするハリー(ここでのメインは亡き元妻エレノアとのエピソード)。その関係で得たお金で、あの眺望の素晴らしい家を買ったけれど、あれくらいのお金が再び入らないと修理できない、という趣旨のことを言っています。それってどういうこと?よく分かりません。ハリーの体験を元に映画が制作されたことにより、彼に何がしかの報酬が支払われたということでしょうか。
英語字幕では次のようになっています。
Bad guys were using the tunnels that run under the city to pull off their capers.
(悪者たちは、街の下にある下水管を使って犯罪をやってのけた)
Oh, man, that sounds like something out of a movie.
(まあ、映画の何かのよう)
Yeah.(うん)
Is that –?(ん?それ?)
(“THE BLACK” という映画のポスターらしきものを示しながら) Needless to say, they completely fucked it up.(言うまでもないが、出来は見事に滅茶苦茶だったよ)
That’s how you bought the house.
(それであの家を買ったのよね)
Yeah. I could use another windfall about now, fix it up.
(そうだ。今またお金が舞い込めば、修繕することができるんだけれど)
Maybe somebody will do a remake.
(多分、誰かがリメイクするわよ)
ハリーは本編「BOSCH/ボッシュ」ではロサンゼルス市警の刑事でした。視聴者から「市警の刑事の給料で、あんな洒落た家に住めるわけがない」という突っ込みでもあったのか、家の購入資金の出どころがハリーの口から語られたエピソード6なのでした。唐突に地震が来てハリーの家がダメージを受けたのも「ゴージャスに見えるかもしれませんが、実はこの家は安普請なんですよ」というメッセージだったりして。