子どもがしっかり者でよかったね。実話ベースの犯罪ドラマ「ダーティ・ジョン-秘密と嘘-」

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このドラマ最大のびっくりポイントは、これが「実話」ということ。多少の脚色はあるのでしょうが「えええ!こんなことがあるの?!」と驚愕します。

こんなすごい話が「実話」であるというのが、このドラマをオススメする理由です

  • 主人公のデブラはシングルマザーで、大成功したインテリアデザイナー。経営者でもあり、非常に裕福です。であるにも関わらず、ネットの出会い系で知り合った、どこかしら安っぽくマナーの悪いジョン(自称アフガニスタン帰りの医者)に惹かれ、すぐに深い仲になります。もっとマシな出会い方ってなかったのかしら?アメリカってそういうのが普通なの?
  • 出会って2カ月で結婚。早すぎです。デブラの子どもたちは無礼なジョンが大嫌いでした。一個人としてもわきが甘く、経営者としてのリスク管理も不十分。ジョンに惚れ込んでいること、自分があまりに裕福なことから、何の疑問ももたず、彼女のほうが喜んで経済面を担っていました。
  • そんな母親を心配した子どもたちの忠告に対し、デブラは聞く耳をもちません。仕方ないので、子どもが身銭を切って探偵を雇う等の調査に乗り出します。どれだけ心配かけているんですか!お母さん!
  • 不審点が明るみになってきたため、子どもたちの意見もあって、ようやく離婚を決意するデブラ。しかし情にほだされ復縁するなど、阿呆としか思えない行動を採ります。その後、いよいよ別れを切り出されたジョンは、いやがらせを始めます。勤務先にあの手この手でしつこくクレームを入れられたことにより、長女は出社できなくなります。次女はナイフを持ったジョンに襲われ、殺されそうになります。子どもたちがイヤな目、危ない目に遭っても、通常モードで、善人で優しい母みたいなのをやっています。子どもたちはそれを受け入れているようなので余計なお世話と思いますが、デブラは相当鈍いのでは?
  • デブラの母も、娘(デブラの姉)を射殺した娘婿を赦し愛するという「愛の人」だったようです。しかしデブラの場合は、彼女自身の愚かな選択のために、自分だけでなく子どもたちまでもが不愉快な目、危険な目に遭っています。ものごとを「愛」という言葉で美化してはいけません。
  • ナイフで襲われた次女は、正当防衛でジョンに大怪我を負わせます。母親がクズ男に引っかかったせいでエラい目に遭ったにも関わらず、その後も母デブラとは仲良しです。できた娘だねえ。
  • 次女の正当防衛によってジョンは脳死状態となり、デブラは生命維持装置を外すかどうかの選択を迫られます(まだ離婚は成立しておらず、一応妻だったので)。「そんな重大なこと、私には決められないわ」と、その決定権をジョンの姉妹に譲ると病院に伝えます。気持ちはわかりますが、調子よく逃げてませんかね?
  • 病院にやってきたジョンの姉妹に「ハーイ、はじめまして。デブラです。会って欲しい人がいるの」と笑顔で挨拶し、ジョンとの格闘で負傷した次女に引き合わせます。次女は涙ながらに、ジョンに怪我をさせたことを謝罪します。その行為や流れの意図がよく分かりません。

ジョンは見事なまでにクズ男、”クズ of クズs”。刑務所帰りでトレイラーハウス暮らし。もちろん医者ではありません。一連の悪夢が終わった後、デブラは彼の住まいを初めて目にします。「こんなところで暮らしていたなんて知らなかったわ」。あのー、あなたは彼と結婚していたのでは?

最初から最後まで「何言ってんですか?お母さん!」なドラマです。

ジョンのクズっぷりはドラマで実際に見ていただければ。クズに育った気の毒な成育環境というのはあるのですが、デブラでなくても、あんなのに付け入られたら人生真っ暗です。その点に関しては、デブラに同情します。

現在は「ダーティ・ジョン-秘密と嘘-」のドラマ編しか見られませんが、かつてはモデルとなった母娘が出演しているドキュメンタリーみたいな、トークショーみたいな番外編の番組も公開されていました。

この家族が変わっているのか、アメリカ人とはそういうものなのか、親子で顔出しして事件の顛末を語っていました。

医者を騙るジョンは、現れるときはいつもスクラブ(手術のときに着用する上衣)を着ていたことから、娘たちは彼の素性に疑問を抱いたそうです。医者であることをアピールしようとしたのでしょうが、本物の医者が院外にスクラブ姿で現れることはないそうです。

「恋はもっと慎重にならなくてはと思ったわ」と少女みたいなことを笑顔で言う中年の母。「DVやハラスメントに困っている女性たちのための活動」を始めたようなことを、その番組では言っていました。ケチをつけるわけではありませんが、アメリカの人って、過去の体験をポジティブな方向に昇華しようとする傾向が強いと言いますか、そのようなアクションを採ることを素晴らしいことだと思っていませんかね。

なおドラマではデブラの子どもは3人の兄妹として描かれていますが、実生活ではもうひとり女の子がいて、その子は母親に嫌気がさして離れ、交流がないとも言っていました。その「いなくなった子」が “最も普通“ に思えてしまう私なのでした。

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