きちんと観るとすごいドラマ「殺人を無罪にする方法」

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シーズン1から公開されるごとに散発的に視聴してきた「殺人を無罪にする方法」。このたび最終シーズン6が公開され、シーズン1から改めて見直して、実はすごいドラマだったことに気づきました。

サスペンスや刑事ものが好きなので見始めたドラマです。いわゆる法廷ドラマでもあります。私は法の解釈や駆け引きには関心がありません(難しいことを考えるのが好きでないので)。

刑事法を実践的に学ばせることで人気のあるアナリーズ教授とその教え子たちが、偶発的に起きた殺人事件の容疑から逃れようとします。嘘を隠すために嘘を重ねるがごとくに、殺人事件への関与を隠そうとして罪を重ね、隠し通せなくなっていきます。

物語のベースにあるのは

  • アメリカ社会における黒人の不当な扱い(黒人は犯人にされやすく、有罪になると社会復帰が困難)
  • 保守的な南部出身で、同じ黒人同士であっても男性から軽んじられてきた女性アナリーズが目指したのが弁護士
  • アナリーズや彼女を取り巻く人たちは成育歴での虐待や差別により心身に傷を負っている(社会的に成功しても癒されることがない)

といった要素です。以前こちらの記事に書いたようなことを前提としています。

アフリカ系アメリカ人が逮捕されやすい現実を分析したドキュメンタリー「13th -憲法修正第13条-」
「ボクらを見る目」の制作&監督エヴァ・デュヴァネイによるNetflixドキュメンタリー映画「13th -憲法修正第13条-」は「自由の国」アメリカの歩んできた道、抱えている課題を提示するものとして興味深い内容です。

アナリーズは威圧的、攻撃的、いつも不機嫌な指導者で、学生や部下をよく怒鳴り叱責し、しかし陰ではメソメソ泣き、弱気でアルコール依存症、ときどき無邪気で可愛らしく、黒人女性らしくボテっとした唇。ことあるごとに「私は、あなたたちを守ろうとしているのよ!なぜそれが分からないの!」と喚く姿は「重い女」という印象で、好きなタイプではありませんでした。

アナリーズの愛人だった刑事レイヒは、彼女の画策により殺人の容疑者として拘束され、失職し、かと思えば無罪放免となり、復職を世話されます。その後もいろいろあって、彼は敏腕弁護士アナリーズに利用された自分を許せず、彼女に対して憎しみを抱くようになります。彼女の有能さ、パワフルさに魅力を感じて集まった学生たちも、失望して離れていきます。彼らはFBIと取引し、アナリーズを殺人事件の首謀者として有罪にすることに加担します(アナリーズは誰も殺していない)。

彼女はキーティング5(学生)や部下、レイヒを含めた周囲を大切にし、彼女なりの愛を実践し、弁護士として社会的に守ろうとしていたことが徐々に明らかになります。いつも怒っているし、やり方が奇想天外で分かりづらかったので理解を得られなかっただけです。言ってみれば「勝利や成功を得るにあたり、強烈な痛みを伴う。伝説的な弁護士アナリーズは、そんな黒人女性でした」というドラマですかね。

FBIとの取引で免責され、高額な和解金を得たアナリーズの元愛人レイヒは司法支援センターを設立します。彼が免責され、多額のお金を得たことについて批判的な反応をネットサーフィンで見かけることがあります。彼は懐の深い「いい人」だと私は思いますけれどね。アナリーズに翻弄され、何度も煮え湯をのまされたにも関わらず、彼女を最後に助けました。

アメリカ社会の光と影(差別・虐待・移民・貧富など)、ロースクールでの学びの厳しさ、訴訟社会の歪みなど、その特徴に触れられる点でも興味深いドラマです。

このドラマ出演者に関するちょっとした驚き。

  • アナリーズの母オフィーリア役 → トランぺッター、マイルス・デイヴィスの元妻。2021年1月28日に96歳で逝去。まさに生涯現役
  • レイヒの父レイヒ・シニア役 → 歌手アレサ・フランクリンの元夫

シーズン1から観ているうちに、情報を整理したくなりました(↓)。

「殺人を無罪にする方法」人間&事実関係の整理(盛大にネタバレ)
シーズン1~6について、大筋での人間関係と事実関係(誰が誰を殺したのか)を整理しました。
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