日々の諸事が忙しく、なかなか更新できませんでした。
Netflixのハーラン・コーベンシリーズで、原題は “I Will Find You”。
息子殺しの罪で終身刑となったデヴィッド。死んだはずの息子マシューの写った写真を義理の妹レイチェルから見せられたことをきっかけに、事件の真相を探ろうとする物語です。
なお、これまでのハーラン・コーベン原作ドラマについては、こちら(↓)にあります。



導入部あらすじ
息子マシュー殺害の罪により、終身刑で服役中のデヴィッド・バロウズ。自身が息子を殺してはいないにも関わらず、証拠によって彼が真犯人であるとされました。
デヴィッド自身、息子の死については父である自分にも責任があると痛感しており、家族等とコンタクトを取り続けることには消極的。付与された実刑に甘んじた日々を送っていました。
そんなある日、彼のところに面会者がやってきます。義理の妹のレイチェルでした。彼女が見せた、大学時代の友人アイリーンがSNSに上げた写真には、死んだはずのデヴィッドの息子マシューと同じ頬の位置に同じようなアザのある少年が写り込んでいました。
その写真は「マシューはまだ生きている」ことの証。では①デヴィッド自身が確認した息子の死、②証拠に基づいての殺害犯としての逮捕、をどのように解釈したらよいのでしょう。
デヴィッドと彼の家族に突然訪れた大きな転機。彼は刑務所長に会って、その事実を伝えたいと考えました。しかし刑務官のテッド・ウェッソンはデヴィッドを懲罰房に入れ、彼のところへ面会者がやってきたことをテキストメッセージで何者かに伝えます。
刑務所長のマッケンジーは無実を訴えるデヴィッドに嘘はないように感じています。そしてデヴィッドの求めに応じて、マシュー殺害事件の捜査資料を閲覧させます。
いっぽうで刑務所長(元警官)と彼の元同僚レニー(デヴィッドの父)には隠匿したい秘密があるようです。そんなふたり(フィリップ・マッケンジー&レニー・バロウズ)の動きを探っている男がいます。
刑務官で内通者のテッド・ウェッソン、猟奇殺人犯で受刑者のロス・サムナーによって殺されそうになったデヴィッドは、刑務所長とその息子でボストン警察の警察官アダムの手助けによって脱獄を図ろうとします。しかしウェッソン刑務官によって感づかれ包囲されます。刑務所長とデヴィッドの乗った車は刑務所ゲートを突破しますが、周辺地域に緊急配備がなされ、脱走事件は現在進行中のニュースとして一般の人たちに向けて報道されます。
デヴィッドは義理の妹レイチェルの助けを得て身を隠し、刑務所長とその息子は疑いの目を向けられます。デヴィッドの息子マシューは何らかの意図によって何者かに連れ去られ、大きな企みをもつ存在によって片や獄中のデヴィッドは監視され続けてきた、ということが徐々にわかってきます。
登場人物
主人公とその家族
- デヴィッド・バロウズ:息子マシューを殺した罪で終身刑となり、メイン州のブリッグズ刑務所に服役中(5年目)。息子の死に対して責任を感じているが、息子を殺したのは自分ではないと認識。夜驚症の既往歴あり。ボストン大学法学部の元教授
- シェリル・ドリーズン:デヴィッドの元妻で医師。マシューの母。妊娠中で現在の夫はロナルドでボストン総合病院の事務長
- レイチェル・ミルズ:シェリルの妹(デヴィッドにとっては義理の妹)。ジャーナリストだが、ボストン・グローブ紙をクビになった。その後は新聞社の採用に落ち続け、大学で講師をしている
- レニー・バロウズ:デヴィッドの父で闘病中。リヴィア警察の元刑事でボストン在住
- ソフィ・バロウズ:レニーの妻かと思いきや、妹(デヴィッドの叔母)だった
ブリッグズ刑務所の関係者
- テッド・ウェッソン:刑務官。何者かにデヴィッドの動きを伝えている内通者。妻はオリヴィア、娘はリサ
- カルロス・ディエゴ:刑務官
- ルウ:刑務官(アジア系)
- フィリップ・マッケンジー:刑務所長。リヴィア警察の元刑事で、デヴィッドの父レニーとは元同僚
- ステラ:所長の秘書
- ロス・サムナー:受刑者のひとり。ウィリアムズ大学出身。11人を手にかけた猟奇殺人犯
- ラルフ・ヒッチェンズ:刑務所の副所長
警察/FBI関係者
- アダム・マッケンジー:ボストン市警の巡査部長。刑務所長フィリップの息子。デヴィッドの幼馴染
- ウェイン・セムジー:ブリッグズ警察の刑事
- マーフィ:ボストン市警の巡査部長。マーフィーの墓荒らしの通報を受ける
- ダニー・ラミレス:ボストン市警の巡査。レイチェル宅で射殺される
- マックス・ウィリアムズ:切れ者のFBI捜査官
- シモンズ:FBI捜査官
- デヴ・チョプラ:FBI捜査官
- ジュリー・デソーザ:FBI捜査官
- サラ・グリア:FBI捜査官。実はマックス・ウィリアムズとの間には深い因縁がある
※ FBIの人たちは「特別捜査官」「捜査官」「エージェント」等、いろんな呼称でいろんなドラマに登場しますが、いずれの呼び方でもアメリカ社会において違いはないようです(どう呼んでいても同じ)
スイスで5年前に起きた事件の関係者
- ダニエル・ミュラー:スイス連邦警察の刑事
- キャロライン・ケーニッヒ:スイス連邦警察の刑事
- ナタン&ブリジット:麻薬取引に関与していた24歳の夫婦。事件の被害者
- マルタン:被害者夫婦の息子
- オリヴィア:養子縁組を行う組織のスタッフ
その他登場人物
- ステファノ・スタヴロス:刑務所長フィリップ・マッケンジー、デヴィッドの父レニー、ヘイデンらの動きを探っていた男
- ヒルデ・ウィンズロウ:マシュー殺害事件当時のデヴィッドの隣人。事件の証言者。裁判の後にハリエット・ウィンチェスターに改名。娘はエル
- ジム・ドハーティ:ボストン・グローブ紙の編集長
- ヘイデン:レイチェルらの友人で美術商(?)。ボストン出身でニューヨークに部屋をもっている。資産家の息子。パムは彼の秘書
- カイル・“スカンク”・バーギン:デヴィッド、アダムと同じ高校に通っていた人物。アイルランド系マフィアであるニッキー・フィッシャーの手下
- ガートルード・ペイン:ペイン財団主宰者
- ジェイコブ・ヘラー:ボストン総合病院の医師。不妊治療が専門
- シーオ:マシューと同じアザを頬にもつ少年
- ジェリー:探偵業。元リヴィア警察の刑事。マッケンジーらの依頼で調べ事をする
- リアム・フィッシャー:ニッキー・フィッシャーの息子。既に死亡している
- リナ・フィッシャー:ニッキー・フィッシャーの娘
- エディ:アダム・マッケンジーの従兄弟。薬剤師
感想・メモ:面白かったけれど推理は難しくない
殺すはずがないのに、父である自分が息子を殺した犯人という証拠があり、裁判を経て終身刑に処せられる…。ぐいぐいと引き込まれて「何が真相なのだろう?」と興味が尽きません。率直に面白いと思いました。
ただし、いくつかの仮説・推理のなかのひとつには該当していたので、たどり着けないほど難解な筋書きというわけではありません。
ハーラン・コーベンの作品には「どうしたってドラマの情報から、事件の真相を推理するのは無理でしょう」というものもあります。したがって「捜索者の血」は視聴者のひとりとして、それなりの達成感に至れるドラマだったと思います。
エピソード7で比較的大きめのどんでん返しもあって、一筋縄ではいかない作りに感心しました。仇敵ではあるけれども真の敵でなかったり、それどころか刑務所から逃走中のデヴィッドや義理の妹レイチェルの味方として動く場面があったり。人間という生き物の複雑さ、奥深さに触れていた点もよかったと思いました。
不思議な点/奇妙に感じる部分もあって、物心つくまではいかなくても、さらわれた当時のマシュー(当時3歳)はバブバブ言っているような赤ん坊ではないわけで、自分に愛を注いでくれていた元の父親をきれいさっぱり忘れて、新たに登場した男性を自分の父親としてすんなり認識/記憶を上書きできるものでしょうか?私は3歳より前のことをよく覚えていますし、何を食べたとか、どこへ行ったとかの次元の話ではなく、日々ともに過ごしていた親ですよ。忘れますかね?
レイチェルがマシューを産んだわけではないことくらい事件を起こす前に気づいていただろうに、真犯人がマシューに執着した理由もよくわかりませんでした(出会ったら突如父性が芽生えたらしい/家族と思える家族が欲しかったらしいということは理解しました)。真犯人はサイコパスであるらしいので、常人の思考とは異なる回路をもっているのでしょう(と思うほかありません)。
トータルでは十分に楽しめる内容の推理ドラマでした。
