ロシア国境近くの北欧ノワール「ボーダータウン 犯罪が眠る街」シリーズ(シーズン2)

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シーズン1はコチラです。

ロシア国境近くの北欧ノワール「ボーダータウン 犯罪が眠る街」シリーズ(シーズン1)
“北欧ノワール” は観てはいても書いたのがごくわずか。せっかくの正月休みということもありフィンランドの「ボーダータウン 犯罪が眠る街」シリーズを取り上げることにしました。まずはシーズン1です。

演じている俳優陣について

カリの娘ヤニナ役のオリビア・アイナリの母親はハープ奏者のローラ・ヒンニネン。オリビアは著名なオペラ歌手ヨルマ・ヒンニネンの孫で彼女自身、音楽活動を行っているようです。

また「牛太郎」みたいな姓のニコ・ウシタロ役のイルッカ・ヴィリ。調べると “フィンランドのフリーランス俳優” とありました。どこにも所属していないという意味でしょうか。なかなか興味深い経歴で「森林研究者である父親の仕事でアメリカ、イギリス、オーストリアなどで暮らした。彼はチリの交換留学生でもあった」ということでフィンランド語、英語、スペイン語、ドイツ語、スウェーデン語が話せるそうです。

このドラマ、大男と大女が演じておりまして、例えばカリの妻ポーリーナ、娘のヤニナ、レナ、彼女の娘カティアは身長が170㎝以上です。主役のカリは190㎝以上あります。男性出演者は軒並み180㎝以上です。相対的に見ていると巨人によるドラマに感じられないのですが、隣に日本人が立つことがあるとしたら小人に見えると思います。

シーズン2

シーズン1同様、扱う事件によっていくつかのパートに分かれています。「五指練習」(エピソード1~2)、「春の祭典」(エピソード3~4)、「猫のゆりかご」(エピソード5~6)、「血染めの乙女」(エピソード7~8)、「影をなくして」(エピソード9~10)という構成。シーズン2は全般に粒揃いの内容です。

「五指練習」(エピソード1~2)

普通と違っていたため居場所がなかった子ども時代のカリにどのように向き合っていくかについて悩む両親、カリと面談し両親にアドバイスを与える教師(あるいはカウンセラー)という過去シーンからシーズン2はスタート。

依然としてカリの妻ポーリーナはロベルト・デガーマンの元で働いています。脳腫瘍が再発していますがカリには伝えていません。娘のヤニナはエリアスとの関係が続いています。カティアに父を名乗る服役中の男アレクサンデル・スラベックから電話が入ります。FSB(ロシア連邦保安庁)はフィンランド警察が彼に接触しないことを希望します。

それに先立ってソニア・ハルコラと息子サシャが射殺されます。ソニアには暴力的な元夫がおり接近禁止命令が出されていました。ドラマを観れば分かる通り、ソフィアは「2000年代の初めにクプチノに住んでいただろう?」と確認されたうえで殺されているので射殺者は夫ではありません。そしてソニアに電話をした最後の人物がカリの妻ポーリーナ。ソニアと息子はシェルターで暮らしており、デガーマンの事業計画上、シェルターから立ち退くことへの同意を取り付けようとしていました。

【評価】◎

シーズン2に入り、盛り上がってきたように感じる。大きなこと(国家レベル)と小さなこと(個人的な因縁)が絡むと面白くなっていく。

「春の祭典」(エピソード3~4)

カティアは自分の生い立ちについて知りたいと思っており、カウンセラーの勧めもあって育ての母レナの協力を求めています。しかしふたりの足並みは揃いません。ロベルト・デガーマンとエリアス・ストロムの父ポール(林業における大物)が死を迎えます。カリの妻ポーリーナの病状が悪化します。

ペルトラ保育園長スザンナ・レヒトの自宅地下で胎児のホルマリン漬けが見つかり、発見者の部下から通報があります。胎児はスザンナの子であることがDNA鑑定で明らかになりますが、どのような経緯でそこに置かれたのかは分からないまま。スザンナは26年前に改名していました。彼女には隠している過去がありそうです。そして保育園に勤務していたロニヤ・レッピサルミの死体が発見されます。

【評価】◎

「スザンナにとって不都合な何かをロニヤが握っており、口封じで彼女を殺した」と考えるとシンプルな事件であるが真相はもっと複雑だった、という話。興味深い一方で恐ろしい物語。

「猫のゆりかご」(エピソード5~6)

妻ポーリーナの病気が再発したためカリは休職中。家事をしたりポーリーナに付き添ったりしています。娘ヤニナはエリアスと引き続き交際しています。

恐喝に遭っている少年をバス車内で救った青年クラウス・ラッシラ。ガールフレンドのリーナに会いに彼女のアルバイト先 “砂の城” へ行ったところを射殺されます。カリが休職中であるため巡査部長のニコが指揮を執ります。ニュース報道を聴くにつけ、気もそぞろになって現場周辺へ足を運んでしまうカリ。

別の場所で若い女性が銃撃されます。カリの代わりに重責を担うニコは精神的に追い詰められ、家にいながらにして捜査に協力してくれるようカリに頼み込みます。隠されていた超常的な能力をカリは発現し始めます。ひょっとしたら精神障害の一種かもしれませんが、彼の場合は幻覚が捜査にヒントを与えます。さらに3人目、4人目が射殺されます。

【評価】◎

仕事が大好き過ぎて事件のことが気になって仕方ないカリが可愛い。事件は意外な展開を見せ、カリが家庭に軸足を置くという新機軸もあって、これまでのエピソードとは違う風向きを見せる。

「血染めの乙女」(エピソード7~8)

ヤニナはカフェで働いています。いくつかの理由で父カリとの関係はギクシャクしています。カリの妻ポーリーナの病状は安定し仕事にも復帰しています。母は娘に音楽の道を勧めます。ニコが指揮を執る体制を維持したままカリは職場へ復帰します。

動画ブロガー(そういうジャンルがあるんですね。YouTubeではない模様)で学生のラウラ・カントラがフォロワーから情報を得て、あるアパートの一室へ引っ越します。浴室の壁の向こうに若い女性の死体を発見。以前の入居者エベリーナは行方不明になっていました。

【評価】◎

相も変わらず、図らずも家族をないがしろにしてしまう捜査官カリ。キレつつも受け入れている妻子も大変だ。今回の事件についても視聴者のツボを押さえた安定のクオリティ。ヤニナ役オリビア・アイナリが音楽一家出身者として本領を発揮。当人が歌っているとしたら美しく澄んだ声(アフレコっぽい)。

「影をなくして」(エピソード9~10)

重犯罪調査班(SECRI)を率いていたタイナがヘルシンキの中央警察(NBI)に引き抜かれることとなりニコが後任の内示を受けます。ロベルト・デガーマンと彼のもとで働くポーリーナはシェルター問題をどのように扱うかについて合意に至っていません。

殺害されたセッポ・ラーコネン弁護士(S2・E1~2)の息子ふたり(バルデクとニコライ)がカリの家にやってきます。母アンナ=カタリナが妹マリアを連れていなくなったというのです。メールには出張でポーランドへ行くこと、マリアを連れていることが書かれていましたが、それ以降連絡が途絶えたとのこと。警察に取り合ってもらえず、母と妹が事件に巻き込まれたと思われる根拠を携えて彼の家にやってきたのでした。

家族と過ごしたいこと、勤務時間外であることから速やかに自宅から出ていくように伝えても彼らは去らず、もみ合いの末カリが軽傷を負います。警察が駆け付けますが、立てこもり状態となり膠着。そんな折、デガーマンの会社で働いていた警備責任者ヨハンナ・メッツォも行方不明となっていることが判明。アンナ=カタリナ・ラーコネンもデガーマンと仕事をしていました。カリはラーコネン兄弟監視のもと、彼らの母と妹の失踪について推理。ニコは重傷を負い、レナはロシアへ向かいます。

【評価】◎+

しばらくの間、影が薄かったデガーマン周辺に怪しい動きが。過去の事件の点と線がつながり出すことで新たな展開、より深い闇へと足を踏み入れる。カリ周辺の人たちの多くが事件に巻き込まれて壮大なスケールとなり、カリやレナが一家で事に当たっていく点もシーズン2の終わりにふさわしい。

ロシア国境近くの北欧ノワール「ボーダータウン 犯罪が眠る街」シリーズ(シーズン3)
フィンランドのドラマ「ボーダータウン 犯罪が眠る街」シリーズのシーズン3。ちょっと突飛なところもあるけれど “北欧ノワール” のなかではバランスが取れていて優れた作品でした。

[ロケ地]フィンランド(ラッペーンランタ)、リトアニア

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