面白かったのにシーズン3で終了へードラマ「デッド・トゥ・ミー~さようならの裏に~」

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2019年にシーズン1、2020年にシーズン2がリリースされています。じんわりと面白くて私は好きでした。しかしその後、シーズン3がなかなか配信されませんでした。コロナ禍と主役クリスティナ・アップルゲートの病気により撮影が遅れたとのことです。コメディタッチの犯罪ものです。エピソード数はそれぞれ10と多めですが、一話あたり30分程度なので気楽に視聴できます。

残念ながらシーズン3が最終です。シーズン1と2について何も書いていなかったので、そのあたりのおさらいも含めようと思います。

シーズン1:ジェンとジュディの出会い

舞台はカリフォルニア州ニューポート・ビーチやラグナ・ビーチ辺りだと思います。

ジェン(クリスティナ・アップルゲート)は不動産エージェントの仕事をもち、ふたりの男の子の母。ある日、交通事故で夫テッドを失います。愛する人を亡くした人たちが集まるサポートグループでジュディ(リンダ・カーデリーニ)と知り合います。ジュディが無邪気で隙があり好感が持てるタイプであったことからジェンは心を許しふたりは親しくなります。

このドラマはジェンジュディ、どちらも “ジ” で始まり、“ジェ” とか “ジュ” とかの区別もつきづらいので便宜上「ジェン⇒過激」「ジュディ⇒天然」と補足することにします。

サポートグループでジュディ(天然)は「8週間前に婚約者を亡くした」と語ります。それはグループに参加する口実で嘘。ジェン(過激)の夫を車ではねて死なせたのはジュディ(天然)であり、常人には理解できないことですが悲嘆にくれるジェン(過激)を助けたいと思って彼女に近づいたのでした。

ジュディ(天然)には元婚約者スティーヴがいて、彼との子どもを5回流産していました。スティーブとジュディ(天然)は、ジュディ(天然)がジェン(過激)の夫のひき逃げ犯であることを隠さねばならないと考えています。しかし罪悪感が募ります。少しずつ嘘がバレていき、ジュディ(天然)は窮地に立たされます。

グリーフ・ケアの宿泊研修でジュディ(天然)と親しくなった刑事ニックがひき逃げの捜査を行います。

夫を殺されたジェン(デスメタル好きで激しやすい)と子どもたち、ひき逃げ犯のジュディ(天然のスピリチュアル系)、ジュディの元婚約者である色男スティーヴらが、ときにユーモラス、ときにシリアスなハラハラするドラマを繰り広げます。

いろんなエピソードを経て、彼女たちの立場がある意味で対等になったところでシーズン1は終了。

シーズン2:増えていく秘密

シーズン2では、ジェンとジュディは親友であると同時に秘密を共有する仲になっています。ふたりは秘密を守り通さねばなりません。にも関わらず、隣人カレンがふたりを追い込むことのできる動画を撮影していたことに気付くジェン(過激)。初っ端からピンチです。

行方知れずのスティーヴを捜す双子の弟ベン(ジェームズ・マースデンの一人二役)が登場。スティーヴのマネーロンダリング疑惑に対してFBIが動き出します。酒浸りになっていた元刑事ニックは、ペレス刑事の捜査に協力するよう言われます。このペレス刑事(ディアナ・マリア・リバ)が非常にいい味を出していまして、このドラマへの彼女の貢献度はとっても高いと思います。

ジェン(過激)のふたりの息子にまつわるエピソードも盛沢山(次男ヘンリーの友人シャンディのサイコパスっぷりが面白い)。海外ドラマお約束のLGBTQの要素も展開。登場人物それぞれの行動と選択が予期せぬ出来事を引き寄せ、人間模様も複雑になっていきます。

ジェンとジュディは唯一無二の友人。にも関わらずなのか、だからなのか、激しい感情のぶつかり合いを見せます。その後、ジェン(過激)はある決意をします。それがサプライズを生み、彼女たちにとってよき “解放” を生んだかのように見えましたが…。

ジェン(過激)の息子チャーリーは母とジュディの秘密を知ったのか?スティーヴの双子の弟ベンにも何か秘密があるのでは?という疑問を残しつつ、シーズン3へ向かいます。

シーズン3:選択のときを迎えるジェン&ジュディ

車に当て逃げされたことにより、ジェンとジュディは怪我を負います。一方で、森で遺体が発見され、ペレス刑事、ジェン&ジュリー、スティーヴの双子の弟ベンはそれぞれの立場で対処を迫られます。

ベンはアルコール依存症で、その原因は兄スティーヴら家族関係にあったようです。そんなベンとジェン(過激)は距離を縮めます。いっときジュディ(天然)といい間柄だった警官のニックは、かつて自身が依存症であったことからベンに好感をもちます。

ジュディ(天然)に重大な病の疑いが浮上。またスティーヴの失踪の鍵を握る “木製の鳥の置物” が予期せぬ展開で人手に渡りジェン&ジュディは困惑します。警察内部は事情があって一枚岩ではありませんがFBIのモラニス捜査官は真実に迫っていきます。

犯罪ドラマとして視聴すると、①しでかしたことを隠匿したい人たち、②真相に迫りたい人たち、③意図せずして事件の糸口を掴んでしまう人たち、大きく言って三者の駆け引きが面白いです。④他意はなく事件にも無関係ですが関係者が事件の糸口を掴むきっかけを作ってしまう人たちも登場します。

人間ドラマとして視聴するとジェンとジュディ、どちらも恋をしたり親密な間柄になる人が出てきたりしても、結局のところ互いが一番信頼し愛し合うかけがえのない間柄である(人間同士として)というところにほっこりします。

エピソード10「行きつく先」でジェンとジュディは自分の人生について選択します。シーズン3最終話の後半に至っても新たな展開があって飽きません。祝福の暗喩もありますが、一方で抜け出ることのできないカルマ的循環を感じさせるエンディングです。

シーズン2⇒3の間が少し開いたせいか、想像していたよりも登場人物たちが歳を取っていました。

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