驚異のチームプレイと身体能力-「チアの女王」の陰にあるもの

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「チアの女王」に登場しているジェリー・ハリスが、児童ポルノの所持で逮捕されてしまいました。

「チアの女王」自体は、かなりよいドキュメンタリーだと思っています。Netflixに加入しているならば「ぜひ見て」とお勧めしたい作品です。

アメリカのテキサス州にあるナバロカレッジのチアリーディング部には、国中から優秀なチアの選手が集まってきます。オールスターレベルの選手が多いのですが、プロフィールはいろいろで、家庭的に恵まれた順風満帆な人たちばかりではありません。

アルコール、ドラッグ、暴力沙汰で刑務所行き一歩手前だった女の子(レキシー、マスタータンブラー)が、驚くような身体能力の高さに磨きをかけ、並外れて厳しい練習の日々を頑張りぬき、最終的に主役級の役割を果たします。努力以前の才能も必要で、ただの不良少女だったらありえなかったと思いますが、かなり荒れた思春期であったことは確かです。チアを続けるにはレッスン代、衣装代や遠征費など、とてもお金がかかります。レキシーはお金を払ってチアを学んだことがないそうです。高校を中退していて、それなりの手続きは踏んだのでしょうが、ナバロカレッジに入ることができました。それだけ突出した素質と能力があったのでしょう。

ある日親に捨てられ、トレーラーハウスで兄と暮らしていた可憐な女の子(モーガン、トップフライヤー兼タンブラー)もチアを通じて自分を発見し、技と限界を極めていきます。自分が必要とされているのかどうかがわからない、コーチのモニカの期待に応えたい、という言葉に、ネグレクトされて育った子どもの特徴が垣間見られ、複雑な心境になります。

ゲイであることでイジメられ、孤立感に苛まれ、感情のコントロールがうまくできなくなった黒人の青年(ラダリウス、スタンター兼タンブラー、母はドラッグで服役)も出てきます。

しかしジェリー・ハリスに少年愛の性癖があることは描かれていませんでした。それも当然。犯罪の範疇に入りますから。ジェリーは愛嬌があり、チームのムードメーカーでしたが、同時に「児童ポルノの所持で逮捕」と聞いても違和感のない雰囲気をもっていました。貧しい母子家庭育ちで、母親(のちにガンで死去)が苦労してお金を稼ぎ、彼にチアを続けさせました。

一方で、子どもの頃からスター選手、SNSのインフルエンサーでもある女の子(ガビ、フライヤー兼タンブラー)も出てきます。家族は彼女をアイコンとしたネットビジネスのマーケティングで生計を立てています。子役タレント出身みたいなものですから、お金はあるんでしようね。遠征も多かったでしょうし、ナバロカレッジに所属するようになるまで、ずっとホームスクーリングで育ってきました。彼女はナバロカレッジで初めて、集団での学生生活を送ることになります。

日系人と思われる女の子(アシュリー・サワイ)も怪我に泣きますが、トップクラスのプレイヤーとして登場します。

「チアの女王」、一見花形のスポーツ(あの激しさ、怪我の多さはスポーツ以外の何ものでもない)に自分を捧げて燃焼する、若者たちの光と影の記録です。

シーズン2についてはコチラ(↓)。

すごくよかった「チアの女王・シーズン2」何から語ろうか(1)
ナバロカレッジとTVCCのチア(Cheer)を比較した場合の基本的なポイントは3つです。
すごくよかった「チアの女王・シーズン2」何から語ろうか(2)
チームが「安心していられる基盤(Home)」であることについて書きました。
すごくよかった「チアの女王・シーズン2」何から語ろうか(3)
「チアの女王」について「感情(Emotion)」という側面から書きました。
すごくよかった「チアの女王・シーズン2」何から語ろうか(4)
「妬み・うらやみ(Envy)」という側面から、競争社会としてのチアの世界を取り上げました。
すごくよかった「チアの女王・シーズン2」何から語ろうか(5)
人間は経験を通して物事を再定義します。本ドキュメンタリーを「再定義・バランス調整(Redefinition & Rebalance)」という視点から俯瞰します。
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