「ザ・チーム ヨーロッパ大捜査線 3都市連続殺人事件」(2015年)の後追い、東欧バージョンと思われます。原題は “Zasada przyjemnosci(快楽の原理)” で2019年の作品。

ドラマは “場所の軸” と “時間の軸” によって作られるものですが、3カ国(ウクライナ/ポーランド/チェコ)にまたがっての “時間の軸” のつながりがわかりづらいかったかなと(特に前半エピソード)。
場所がどこで、この場面は何時何分の出来事であるかは表示されます。きちんと記憶/記録できる人には何かの助けになるのかも(ならないと思うけれど)。私は注意深いほうではないため “時間の軸” に関して、どちらが先の出来事で、前と後の間にどのような因果関係があるのかというところまで思いが至りませんでした。
各国の物語は面白かったですし、個性の異なる街並みや生活文化にも興味を引かれました。ウクライナのセルヒー警部の赤い車など、とても味わいがあります。
導入部あらすじ
ウクライナ、ポーランド、チェコ。それぞれで発生した事件に “類似点” と “つながり” が見い出され、3カ国は合同で捜査を行います。
[ウクライナのオデーサ]
船の上空に鳥が集まり、けたたましく鳴き声を上げている。不審に感じた男たちが泳いで沖まで見に行くと、船上には右腕を切断された若い女性の遺体があった。検視の結果、死後3~7日とみられた。その後、ホテル内レストランの冷凍庫で凍った右腕(中指にピンクの石の付いた指輪あり)が見つかる
捜査担当:セルヒー・フランコ警部、ボーダン・オスタシェンコ。上位者はアルテム・エフレーモフ
[ポーランドのワルシャワ]
豪雨の水辺に停車中のカップル。彼らの車に故意に車をぶつける白いマスクの男。カップルの車のフロントガラスにバットを叩きつけ、彼は姿を消す。残された車のトランクには毛布に包まれた右腕があった。車の所有者は保険会社支店長ヴィトルト・パトリック・ブロニシ。彼は「車は奪われた」と主張。監視カメラには彼の車とそれをつけているミニバンが映っていて、後者はチェコのプラハで登録された車であることがわかる。その後ミニバンから腕を切り落とされた女性の遺体が発見される(20~30歳/死後2~3日)
捜査担当:マリア・ソコロフスカ警部、ユーゼク・クラヴィエッツ警部補、マレク・ミエルニク(+たまにボレク)。上位者はマリウス・ウォズニアク警視正
[チェコのプラハ]
劇場ではコメディ作品が上演されていた。小道具のカバンの中から右腕が見つかる。検視では20~30代の女性のものとされ、凍った状態で保管した後にカバンに収めたと考えられた
捜査担当:ヴィクトル・セイファート警視、オタ・ヴァレンタ警部ほか。上位者はミロスラフ・ロズナー
同時期に3カ国で起きた事件。いずれの被害者も死後に右腕を切断されていました。動機は性的なものではないと考えられました。
ウクライナのオデーサでは、深夜の馬車に乗った男性弁護士が白い目出し帽の男によって襲われる事件も発生。馬車の屋根部分から情報屋スコーピオの頭部が発見されます。事件には地元マフィアが絡んでいるとウクライナ警察のセルヒー警部は考えます。
いっぽうポーランドでは、発見された遺体がチェコ人女性であったことから、ワルシャワ首都警察の警部マリアとプラハ市警の警視セイファートが一足先に情報共有をスタートしていました。
ウクライナで発見された女性遺体がポーランド人であったことが判明し、ウクライナ警察もチームに加わり、3カ国の合同捜査へと広がっていきます。
情報屋を除き、その時点までに発見されていたのは若い女性の2遺体と切断された腕3本。その後、右腕を切り落とされた女性の遺体がチェコ(プラハ)のケーブルカーの屋根上から発見され、3遺体と3本の腕となります。最後に発見された遺体には冷凍保存されていた痕跡が残されていました。
登場人物
警察関係者
ウクライナ
- セルヒー・フランコ:ウクライナ警察刑事課の警部。フリージャーナリストのユリア・クラシェンコ(鼻ピアス)と肉体関係がある。彼の父ステファンは妻を殺害されて後、その妹ナディアと暮らしている
- ボーダン・オスタシェンコ:セルヒーの補佐をしている
- アルテム・エフレーモフ:セルヒーの上司。かつてセルヒーの父親の同僚だった
- オリハ:病理医
ポーランド
- マリア・ソコロフスカ:ワルシャワ首都警察の警部。音楽家の血筋。銃の不適切な使用に関して内部調査の対象となっている。姉はバーバラ。甥がいる。父は著名なチェリスト
- ユーゼク・クラヴィエッツ:マリアの相棒の警部補。プライベートのパートナーはユスティナ。前妻との間に娘がいる
- グッチオ:病理医
- ボレク:情報解析(IT系)捜査を得意とする。ヘビメタ愛好家
- マレク・ミエルニク:刑事。拘置所では自分のことを「巡査部長」と呼ばせていた。薬物依存。ゲイである
- マリウス・ウォズニアク:警視正。マリアの上司
- ワシアク:マリアに対して、銃の不正使用(過剰防衛)の内部調査を行っている
チェコ
- ヴィクトル・セイファート:出世できなかったプラハ市警殺人課の警視。よく咳をする。近々引退する意向。妻とは離婚した。妊娠中の娘はヤナ。絵描きの娘婿はルボル。実は元弁護士
- ダニエラ・ヘゲロヴァ:セイファートの恋人で検事。次期地区検察庁長官。シングルマザーで息子がいる
- オタ・ヴァレンタ:警部。セイファートの相棒。画廊で働くペトラという年上の恋人(娘あり)がいる
- イヴァン:新任の病理医
- コホウト:地区検察庁長官だったが栄転予定
- ミロスラフ・ロズナー:セイファートの上司
- マテイ&ロマン:道路パトロール中の警官
- トマス&ヤヒム:尾行、張り込み、監視を担当する刑事
ドイツ
- レフ・ザミャーチン:セルヒー警部の父ステファンの知人で、ドイツのプレンツラウ在住の元軍医でロシア人。3年前に類似した事件(ヴェルナー・クラウゼ殺害事件)に関わる
- アルミン・ホフマン:3年前に発生した類似事件の所轄の警察署長
事件の関係者/周辺人物
ウクライナ
- オレナ・サコヴィッチ:モデル志望の26歳。旅行先のドイツで行方不明となり、20年間交流のなかった異母姉アリサが捜索願を提出
- スコーピオ:セルヒー警部の情報屋をしているチンピラ
- ヴォロディーミル・チェルニアスキ:弁護士で大手法律事務所の幹部
- キリル・マトヴィエンコ:地元のマフィアで武器商人。前妻と娘はキーウ在住。20歳下の後妻はロンドンにいる
- ミロン:オレナが所属していたモデル事務所の経営者
ポーランド
- スタニラフ・クワシニャク:ギャング、麻薬密売人。首都警察のマリア・ソコロフスカ警部によって射殺されたが、実は国家警察の情報源だった(当人は出てこない)
- ヴィトルト・パトリック・ブロニシ:トランクから腕が見つかった車の所有者。保険会社の支店長。これまでに数人の部下を愛人にしてきた。オレナ・サコヴィッチを自宅に滞在させたことがある
- ワンダ・ブロニショワ:ヴィトルトの妻。鳥類学者
- エディタ・パヨンク:ヴィトルト・パトリック・ブロニシの現在の愛人。彼が支店長を務める保険会社に勤務
- アンジェリカ・ムシャウ:28歳。ブロニシの部下だった。元愛人であるが1年前にレイプ被害で彼を訴え、解雇された3カ月後(すなわち8カ月前)から行方不明となる
- ベアタ・ヴィツォレク:ブロニシの元愛人のひとり。彼女も解雇された後に行方不明となる。隣人はサウィツカ(肝っ玉の据わったおばさま)。叔母はゾフィア・ルドニック
- ステファン・ジズガ:チェコ登録のミニバンを運転していた男。元窃盗犯
- レオニード・リトコフスキ:ワルシャワ在住のロシア人。ウクライナの武器商人キリル・マトヴィエンコが乗っているクルーザーの所有者。※ 字幕には「レオニード」と書かれているが「ウラジミール」が正しいのではないかと思う
- ボジェナ・カチマレク:歌手やモデルを志望。1年前まで母ヤニナ・ザヒリタの兄夫妻と暮らしていたが、その後ワンジャと同居
- ジグムント・ベドナレク(ジャンニ):B級ホラー映画制作に資金提供しているレキン・フィルムの代表。愛玩犬を抱いていることが多い。彼の弁護士はザレンバ
チェコ
- ピーター・ソボタ:劇場の支配人。演技学校の校長でもある
- マルケータ:舞台監督。腕の入ったカバンの管理担当者
- ハナ:舞台女優
- ヤロミール:カバンの中に腕を発見する舞台俳優
- イジー・マトウシェク:元法務大臣。現在は大手法律事務所幹部。妻と娘がいる
- ズディニェク・ヴラベッツ:元は売れない役者。撮影現場向けの輸送会社を経営しており、遺体が見つかったミニバンの所有者。過去に2年間、イジー・マトウシェクのシークレットサービス(運転手)をしていた。妻はダナ
- ミラン・ソヴァ:ヴラベッツの知り合い。ウクライナから石炭を輸入する貿易会社の役員、クラーラ投資会社の代表を務める。妻カーラとの間に息子がいる
- ヴェラ・ヴィトヴァ:ホレショフ出身。ヴラベッツの友人トマシュの妹で26歳。売れないモデルでB級映画に端役で出演。ヴラベッツからミニバンを借りる。
- リダ・ベエロヴァ:ヴェラと同じ事務所に所属。彼女とともにB級映画に端役で出演。両親や姉はインテリで社会的成功者
- ベエロワ:芸能事務所のマネージャー
- アントン・フリート:オーストリア人のカメラマン。カタログ撮影がメインの仕事
- ピスクン:ミラン・ソヴァ殺しに関わったウクライナ人の殺し屋
- ビエリアウスカス:ミラン・ソヴァ殺しに関わったリトアニア人の殺し屋
- ルデク:ホラー映画の撮影スタッフ
- カレル・ハロウシェク:錠前屋を雇った美形の男
ドイツ
- ヴェルナー・クラウゼ:存在が秘匿されていた孤児院にて教育係を務めていた
- ハイケ:バーの中年女性(推定:女主人)
- ヘレナ:バーで働く若いポーランド女性
- タマラ:国立公園内にある介護施設で働いている。ヘレナの叔母
- マリオン:介護施設となる以前(孤児院だった時代)から働いている女性
- ピーター・シュミット:孤児院でヴェルナーに狙われた旧東ドイツの少年
感想&メモ:多要素てんこ盛り。締めくくりが雑なのが残念
真剣に理解しようとすれどするほど情報量の多すぎるドラマ。面白いのだけれど、わかりづらい。
たとえばワルシャワ首都警察とポーランド国家警察が、後者の情報源の逮捕を巡って揉めます。両者に立場や意見の相違があることは理解できます。筋書きに多少の影響があることもわかります。しかしドラマの材料(伏線)を増やし過ぎたことにより、うまく回収しきれていなかったように感じます。
それ以外にもネタバレにはなりますが、代表的なところを取り上げて整理/解説したいと思います。
腕とボディの切断により、9パターンにまで妄想が拡大
まずは3カ国で発見された3つの遺体の右腕が切断されていたことについて。
最後まで観たうえで整理するとこんな感じです。
[3人の被害者と発見場所]
※ 遺体の身元特定がなされたのは① ⇒ ② ⇒ ③の順/殺害は③ ⇒ ② ⇒ ①の順
- ヴェラ・ヴィトヴァ ⇒ ポーランドへ向かったチェコ人の売れないモデル兼端役女優
- 【右腕】ポーランド(ワルシャワ)で、同国の保険会社支店長ヴィトルト・パトリック・ブロニシの所有車から発見
- 【遺体】ポーランドで、チェコのズデネク・ヴラベッツ所有のミニバンから発見
- ボジェナ・カチマレク ⇒ 高級ホテルに宿泊していた歌手&モデル志望のポーランド人
- 【遺体】ウクライナ(オデーサ)の船上で発見
- 【右腕】ウクライナの宿泊ホテル内レストランの厨房の冷凍庫から発見
- オレナ・サコヴィッチ ⇒ ドイツの空港で自撮り後、行方不明になったモデル志望のウクライナ人
- 【右腕】チェコ(プラハ)で演劇の小道具(カバン)から発見
- 【遺体】チェコのケーブルカーの屋根の上で発見
ある人物の右腕はウクライナで見つかり、ボディは別の国(例えばチェコ)で見つかったというような地点クロスがあったとしたら、最大で3×3の9パータンがありえました。さすがにワケのわからないことになっていたことでしょうが、とりあえず “同一人物・同一国内” であったため、情報処理のキャパを超えずに済みました。
そして3人の被害者以外にも、行方不明者がいました。
[行方不明の女性たち]
※ 後に発見される人を含む
- アンジェリカ・ムシャウ:ポーランド人。保険会社支店長ヴィトルト・パトリック・ブロニシの元部下で元愛人
- ベアタ・ヴィツォレク:ポーランド人。やはりブロニシの元部下で元愛人。恐らく愛人としての順序は「アンジェリカ ⇒ ベアタ」
- リダ・ベエロヴァ:チェコ人。モデルとしても女優としても売れず、要人相手のシークレットな接待要員となる
すべて20代後半、見た目の麗しい女性たち。
「どこにあった遺体、どこにあった右腕が、どの国の誰のものなのか」は、捜査を開始してすぐには判明しません。行方不明枠の遺体である可能性も捨てきれず、視聴しているうちに広がっていく妄想にアタマがパンクしそうになりました。
家族、ジェンダーについて語り合うJIT。お約束なのか
本作の合同捜査チームはウクライナ、ポーランド、チェコからなります。それぞれが家庭や家族関係、性的役割等に問題意識や課題を抱えていて、それらが描写されます。
警察関係者のすべての考え/想いではないでしょうが「刑事の仕事は結婚や家庭には向かない」というのが3カ国の刑事に共通した見解のようでした。
[ウクライナのセルヒー警部]
「テーマ:父との和解」
父が刑事だった。追っていた殺人犯によって、逮捕直前に母を殺害される。その後、父は母の妹と暮らすようになる。父や叔母から、物理的にも気持ちの面でも長く疎遠になっていた。気づけば17年経っていた。
しかし父の使っていた古い車を愛用し、右腕切断殺人事件発生後に見立てをもらいに父を訪れる。父を許せない気持ち、越えたい気持ちに縛られてきた。…ということは「父親=どうでもよい存在」ではないのだろう。
フリージャーナリストのユリアと肉体関係があったが「利害の一致」という建前(壁)がないと女性と付き合えない人なのかもしれない。これまでいろいろと傷ついてきたのだろう。
「刑事というのは家族を不幸にする人種だ」と、ボーダンに語っている。
[ポーランドのマリア・ソコロフスカ警部]
「テーマ:伝統的な家族像/性的役割から自由であること」
代々音楽家という名門の血筋であるが、体裁を重んじて認知症の妻(マリアにとっては母)を亡き者のように扱う手前勝手な父親を憎んでいる。特定の恋人はもたず、行きずりの男性との肉体関係を好む(常に自分自身が選択権をもち、男性からの支配を徹底的に排除)。
このドラマに限らず、自分の女性性を抑圧し、危険で男性の多い職に就き、男性以上の能力を発揮する女性、ミソジニーを極端に嫌悪する女性は、そんなふうに描かれることが多い。なぜ?
姉に対して「刑事は結婚に向かない。男でもね。離婚する運命にある」と語る。
[チェコのセイファート警視]
「テーマ:家族と自分を大切にする」
大学で法律を学んだ父親の夢を叶えようと弁護士になり、後に理想に燃えて警官に転向。
妻とは離婚したが、その後の関係は悪くなく、娘や娘婿との関係もよい。検事の女性と大人の関係にあったものの、職業倫理に反すると感じたのを機に距離をとる。
ベテランということもあって物静かで寛容な人物に見えるが、職務や理想に対して忠実で頑固という点で、それを理解する人でないと打ち解けない/話がかみ合わない、「わかりあえる人とわかりあいたい。ほかの者たちはどうでもよろしい」タイプの人物なのかもしれない。
「引退するには早すぎない?」と問いかけるマリアに対し「若い頃は仕事に明け暮れていた。家族を二の次にしていたら崩壊した」と語る。
このあたりの刑事ならではの苦しみを理解/共有する場面が多いのもJITシリーズならでは。このテーマに時間を割きすぎな印象をもちましたが、国をまたいでの異文化理解を兼ねた自己開示のもたらす醍醐味なのかもしれません(少し遠い間柄のほうが正直になれる、というケースは少なくない)。
腕を切断された3人の女性殺人犯の動機は?
本作は10エピソードからなり、3カ国の女性が殺された後に腕を切断された事件は、エピソード9終盤で突如、ドイツで3年前に起きた事件との関連が疑われることになります(しかもセルヒー警部の父の見立てと情報によって)。そしてなんとなく犯人がわかってしまった私。しかし犯行の動機についてはよくわからないまま終了。3年前の事件でも被害者の右腕を切断していたようですが、それと同じ手口にした理由も今ひとつわからない。
快楽を得ることを目的とした殺人ではなさそうですし、彼女たちに個人的な強い恨みがあったわけでもないと思うのですね。深読みすれば、背景にある巨悪のネットワーク、自己顕示欲/承認欲求を満たすために権力者に身体を預けて大金を得る女性たちや性的搾取の構造に罰を与えたかったのでしょうか。
ドイツで起きた3年前の事件をもみ消した所轄警察署長アルミン・ホフマンへの “メッセージ” だろうかとも勘繰りました。ホフマンは犯人の味方であったようです。犯人はゲイであるか、トラウマによって女性との性交渉を好まなかったように思います。
犯人がセイファート警視によって射殺されたところでドラマは幕を閉じます。①犯人の真の動機&目的は何だったのか(3カ国の刑事が自説を披露し合うシーンはありましたが仮説に過ぎない)、②合同捜査チームはどんな感じで解散に至ったのか、それらがわからないため消化不良な印象が残りました。
家族や恋愛、ジェンダーについてJITのメンバーが語り合うシーン、素敵なカップルと感じましたがプラハ市警のオタ警部と年上の恋人のやりとりを削ってでも、収まりをきちんとつけてほしかったです。
犯人が、強者が弱者を捕食するという世の理に深い悲しみをもっていることだけは伝わってきました。
大局では相互に関連があるが、実は別々の事件だったりする
大きくみて、ひとつの流れのなかにあるように見えたいくつかの事件。それらは3つのグループに分けられます。
「悪事のお仲間。力をもつ巨悪の人たち」間の牽制がひとつのまとまり
メンバー間で共有する秘密があり、秘密を守り切らないと自分たちの立場が危うくなります。そのひとつは2軍以下の芸能タレントを接待要員とする売春クラブの運営。もうひとつは非合法ビジネスで得た大金の資金洗浄。
【巨悪グループ】
[ウクライナ]チェルニアスキ(弁護士)、マトヴィエンコ(マフィアで武器商人) ※ 別枠で彼らの情報を集めていたスコーピオ(セルヒー警部の情報屋)
[ポーランド]リトコフスキ(ポーランド在住のロシア人)、ジグムント・ベドナレク(通称ジャンニ/レキン・フィルム代表)
[チェコ]マトウシェク(元法務大臣)、コホウト(地区検察庁長官)、ヴラベッツ(輸送会社経営/警官に撃たれる)、ミラン・ソヴァ(投資会社代表) ※ 別枠でミランの妻カーラ
殺された人 自殺した人
こうしてみると、チェコ勢の死亡率が高いですね。
「芸能界の底辺で足掻くモデルや女優たち」の殺害でひとまとまり
首を切られた後に右腕を切断された3人の被害者はヴェラ・ヴィトヴァ、ボジェナ・カチマレク、 オレナ・サコヴィッチ。法にも倫理にも抵触しないイベントコンパニオンもしていたようですが、要人相手の接待要員として駆り出されたり、枕営業をしていたり。
その手配や管理を行う者、あるいは顧客だったのが、上記の「悪事のお仲間。力をもつ巨悪の人たち」。社会的強者の彼らに比べると、彼女たちは格段に弱者であり、搾取される側。警部マリアが感じていた苛立ちは、その点に見出されます。
「ヴィトルト・パトリック・ブロニシと愛人たち」でひとまとまり
ブロニシはオレナを自宅に滞在させたり、彼の所有する車のトランクからヴェラの右腕が見つかったりで、3カ国にまたがる連続女性殺人事件に関与していそうに見えました。しかし実際には2人の愛人の殺害という、別件の犯人でした。
ウクライナで噴出した不満
本作も「ザ・チーム ヨーロッパ大捜査線 3都市連続殺人事件」と同じように、ワルシャワのシーンはポーランド語で、プラハのシーンはチェコ語で、オデーサのシーンはロシア語で、異なる国の刑事がやり取りするシーンは英語で撮影されました。
しかしウクライナが舞台なのにウクライナ語が使われていないことについては、ウクライナ人の一部がSNS等で遺憾の意を表しました。
