帰属・承認欲求の対象は“自己選択型コミュニティ”(1)


暮らしている地域、家族や血縁といった自己選択権の弱い、インフラストラクチャータイプのコミュニティに対する関心は薄い。子供が生まれて近所付き合いをするようになった、老親の世話をするようになったというように、将来的にそれらへの帰属意識が深まる可能性はある。しかし若年層は、あるテーマや情報を介した、自己選択権のあるコミュニティに帰属し、そこからの承認を得ることをより強く求めている。そして、そこに次世代型生活価値のポイントがある。

本調査では「希望する働き方」「それについて思い浮かんだこと」について、因子分析を行ない、次のような因子を見出した。

【「希望する働き方を選んだときに思い浮かんだこと」の因子(アンケートより)】

 因子 評価項目(思い浮かんだこと)
仕事を通じて自己実現 適性のある仕事ができる
納得のいく仕事ができる
やりたい仕事、好きな仕事をできる
関心のあることを追求できる
知識や能力を生かせる
能力を磨ける
やり遂げたいという意欲をもてる
安定と社会保障 社会保険や雇用保険が整っている
仕事が安定していて失業しない
福利厚生(保養施設など)が充実している
安定した収入を得られる
他者からの評価 人に喜んでもらえる
社会や他者から評価される
知人・仲間に自慢できる
社会の役に立つ
家族が喜ぶ
個人生活の自由度 休暇を思うように取ることができる
仕事やプライベートを組織に束縛されない
時間を自由に使える
趣味と仕事の一致度 同じような趣味・志向の人が職場にいる
趣味を仕事にできる
世の中やプライベートの状況に応じ、働く環境を変えられる
仕事への消極性 仕事が楽
やりたくないことをしないで済む
やり遂げねばと思わずに済む
収入のよさ 高収入を得られる
仕事に見合った収入を得られる

全体としては、仕事に求めるものとして
Ⅰ. 「仕事を通じて自己実現」の因子に相当する評価項目
Ⅱ. 「収入のよさ」の因子に相当する評価項目
Ⅲ. 「趣味と仕事の一致」の因子に相当す評価項目
Ⅳ. 「他者からの評価」の因子に相当する評価項目
の順で、平均ポイントが高くなっている。

 


 

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