“正社員”のイメージに否定的、でも“フリーター”とは言われたくない


“フリーター”と呼ばれる若者は、フリーターになりたかったのだうか。インタビューでは、「フリーターという響きは、仕事に無責任な人のようで好きではないが、他にあてはまり言葉がないので仕方がない」という声が大きかった。

“フリーター”という言葉が生まれたのは1987年。“積極的フリーター(将来に対するビジョンあり)”に近いニュアンスで、若者を応援する言葉として創られたが、言葉の与える印象は変容しつつある。今回行なった企業対象のアンケート調査によれば、パート・アルバイトなど非正規雇用者を戦力として活用する仕組みを実施しているのは、全体の3分の2であった。しかし“フリーター”への期待度は極めて低いという結果となっている。フリーターの多くはパート・アルバイトであるにもかかわらず、言葉の与えるイメージが、実態と乖離のある「フリーター像」を作っている。

またフリーターのインタビューからは、“正社員”のイメージへの否定的な態度もうかがえる。“フリーター”とは言われたくない、しかし“正社員”には組織に拘束されるイメージがあり、それも自分の望むところではない。マイナス要因の最小化を図ろうと、心が決まらぬうちは、「カタチを決めずに生きていこう」とする。

【“正社員”と“フリーター”のイメージ(インタビューより)】

正社員 フリーター
フリーター後期男性 人に使われるのなら、自分が社長になる方が気が楽 好きな言葉ではない。でも何と表現するかというと、フリーターしかない
フリーター後期女性 休みなく出て、朝まで働いても残業代は一切ないみたいで、かわいそう 若い頃はともかく、フリーターという言葉に、あまりいいイメージはない
高卒フリーター男性 責任があるから踏み込めない 仕事に不真面目、熱意がないと思われるので、自分からはあまり言わない
高卒フリーター女性 何十年も同じ道を通って同じ電車に乗らないといけない。忍耐力がある 「フリーターでしょ?プーじゃん」と言われるからイヤ
元フリーター正社員男性 会社にしばられて自由がなさそうに思っていたが、入ってみたら楽だった プー太郎。ほぼ無職で、定食に就いていない人
元フリーター正社員女性 仕事が終わらないと帰れない。アルバイト時代のイメージどおり (過去の自分の説明に、“フリーター”ということを使った人はいない)

注) “フリーター”については、過去や現在の自分を、その言葉で表現した場合に具体的なイメージを聴取

 


 

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