成長は“自己納得”とマイペースで(1)


希望する働き方をみると、「能力・技術開発雇用」が33.5%となっており、全体の3人に1人は雇用されての能力・技術開発に関心があることがうかがえる。

【希望する働き方(アンケートより)】
・能力・技能開発雇用…33.5%
・マイペース雇用…27.6%
・才能・専門フリーランス…17.6%
・趣味・関心ビジネス起業…12.2%
・ホスピタリティビジネス現場…5.8%
・ベンチャービジネス起業…3.0%
・無回答…0.4%

注)「能力・技能開発雇用」…「能力や技能を伸ばせる企業や職場で働く」、「マイペース雇用」…「今の生活のペースを維持できる企業や職場で無理なく働く」、「才能・専門フリーランス」…「才能や専門性を活かして、フリーで働く」、「趣味・関心ビジネス起業」…「趣味や関心領域で、身の丈に合ったビジネスを立ち上げ、経営者として働く」、「ホスピタリティビジネス現場」…「福祉・介護など、人から直接感謝されるような現場で働く」、「ベンチャービジネス起業」…「ベンチャーで革新性・成長性のあるビジネスを立ち上げ、経営者として働く」

 

その一方で、性別、年齢別にみると、男性は女性、若年よりも年長者の方が「マイペース雇用」を指向する傾向がある(図表割愛)。

スキルや職能は、マイペースで成長させたいと思っている。自己成長についても、暮らし方同様に「自分で自分に納得がいけばよい」という“自己納得”感を大切にしており、他者に尻を叩かれて動くことを好まない。希望する働き方を選ぶ際、思い浮かんだことを4段階(「強く浮かんだ(4)」「多少は浮かんだ(3)」「ほとんど浮かばなかった(2)」「全く浮かばなかった(1)」)で回答してもらい、平均ポイントを算出したのが次表だ。

 

【希望する働き方を選んだときに思い浮かんだこと(アンケートより)】

1やりたい仕事、好きな仕事をできる3.28

順位 項目 ポイント(平均)
1 やりたい仕事、好きな仕事をできる 3.28
2 知識や能力を生かせる 3.27
3 能力を磨ける 3.25
4 納得のいく仕事ができる 3.17
5 適性のある仕事をできる 3.11
6 やり遂げたいという意欲をもてる 3.10
7 関心のあることを追求できる 3.06
8 安定した収入を得られる 2.79
9 仕事に見合った収入を得られる 2.65
10 高収入を得られる 2.63
11 同じような趣味・志向の人が職場にいる 2.58
12 仕事やプライベートを組織に束縛されにくい 2.53
13 仕事が安定していて失業しない 2.51
14 趣味を仕事にできる 2.49
15 社会の役に立つ 2.48
16 人に喜んでもらえる 2.47
17 休暇を思うように取れる 2.43
18 時間を自由に使える 2.37
19 社会や他者から評価される 2.30
20 家族が喜ぶ 2.29
21 社会保険や雇用保険が整っている 2.27
22 知人・仲間に自慢できる 2.12
23 世の中やプライベートの状況に合わせて働く場を変えられる 2.04
24 やりたくないことをしないで済む 1.85
25 福利厚生(保養施設など)が充実している 1.84
26 やり遂げねばと思わずに済む 1.84
27 仕事が楽 1.80

 

これによれば、平均ポイントの上位(青字)項目の評価主体は自分であり、自分が満足できるか、納得できるかの優先順位が高いことがわかる。一方、他者の目からの評価項目(赤字)の相対的な位置づけは低くなっている。

また、先にも示した通り、“正社員”は「こき使われる」「かわいそう」「忍耐」「拘束」「負わされる責任が重い」イメージをもたれている。“正社員”を、主体的な働き方のモデルではなく、むしろ“滅私奉公型労働スタイル”としてとらえがちな風潮は、フリーター人口増加の一要因となっている。


 

成長は“自己納得”とマイペースで(2) へ