帰属・承認欲求の対象は“自己選択型コミュニティ”(2)


調査対象者全体を、因子スコアに基づきクラスター化(タイプ分け)したのが、次表である。

著しく大きなボリュームをもつタイプはみられない。どのタイプも、全体の10~20%弱となっている。

 

【8つのタイプとその特徴(アンケートより)】

タイプ名(全体に占める%) 特徴
現状安住タイプ(16.9%) 既婚女性(正社員、専業主婦)の多いグループ
身近な人たちとの愛情を大切に、日々楽しく生きること、共働きを希望。仕事は楽な方がよく、仕事を通じての自己実現を求めない。自由時間は、主に家族団らん
真面目しっかりタイプ(14.4%) 5割以上が正社員。専門学校卒、20代半ばの多いグループ
身近な人との愛情を大切に、社会や人々につくすこと、共働きを希望。安定した職場で、社会に役立つ仕事をし、見合った報酬を得て、休日はきちんと取りたい。自由時間は家族団らんや地域活動
自己探求タイプ(14.2%) 大学・大学院在卒、25歳未満、女性の多いグループ。約2割がフリーター、学生も3割弱
日々楽しく生きること、ディンクス、結婚や家庭の営みの型にこだわらない世帯、シングル生活を希望。仕事に自己実現を強く求め、安定や他者評価、個人生活の自由度、高収入は求めない。自由時間の過ごし方は多様。
他者承認タイプ(11.8%) 専門学校・高校在卒、25歳未満の多いグループ。2割弱がフリーター、学生も3割弱
地位や高い評価を得て、趣味を大切にすること、結婚や家庭の営みの型にこだわらない世帯を希望。仕事を通じ社会や人の役に立ちたい、収入や休日は多くなくてよい。自由時間はテレビ視聴が多い
夢見がちタイプ(10.9%) 大学・大学院卒、男性の多いグループ。1割強がフリーター、無職・その他が2割弱
経済的豊かさ、子供ができるまでは共働きで、その後はどちらかが子育てに専念する世帯を希望。周囲がうらやましがるような、高収入で安定した職場で、趣味と仕事を一致させながら、個人生活も大切に無理なく働きたい。やりたくないことはしたくない。自由時間の活動はあまり活発ではない
趣味と実益タイプ 23歳未満、男性の多いグループ
社会や人々につくすこと、趣味を大切にすること、日々楽しく生きること、シングル生活や結婚・家庭の営みの型にこだわらない世帯を希望。仕事に自己実現、個人生活の自由度、趣味的要素を強く求めるが、安定は求めない。自由時間は趣味に費やしている。知識吸収への回答率も高め
アグレッシブ・ハイリターンタイプ(10.7%) 大学・大学院在卒、23歳未満、男性の多いグループ。学生が4割弱
地位や高い評価を得ること、共働きを希望。仕事に強く高収入を求めるが、個人生活の自由度や趣味的要素は求めない。自由時間の過ごし方は、スポーツや知識吸収への回答率が高め。
無理せずいいところ取りタイプ(10.4%) 大学・大学院在卒の多いグループ。学生が4割弱
地位や高い評価を得て、身近な人との愛情を大切にし、共働きでともに育児をする世帯を希望。周囲がうらやましがるような安定した職場で、無理せず楽しく働きたい。自由時間は知識吸収への回答率が高め

 

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