ドラマ「FARGO/ファーゴ」(シーズン1~2)を見て『与作が木を切り続ける』ことについて考えた

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この正月休みに「ファーゴ」(ドラマ版のシーズン1と2)を観ました。どちらも非常に面白いサスペンスドラマです。予想外の行動を犯罪者が選択して墓穴を掘っていく展開が多く、どうなってしまうのだろうとハラハラします。ミネソタ州、ノースダゴタ州、サウスダゴタ州辺りを舞台としています。ファーゴは架空の街です。

シーズン1は、不気味な殺し屋(ビリー・ボブ・ソーントン)と、先妻と後妻のふたりを殺すことになる保険屋(マーティン・フリーマン)を巡る話。

彼らを追う女性警官である副署長のモリー役が素晴らしい演技で観客を惹きつけ(この人、女優としては無名らしい)、モリーの父であるダイナー経営者のルー役がこれまた素敵。トム・ハンクスの息子であるコリン・ハンクスが真面目で気弱な警官の役を好演しています。

シーズン2は、ギャングの抗争に意図せずして関わることになってしまい、自らも、あの世に何人か送り込むことになる美容師(キルスティン・ダンスト)と肉屋(ジェシー・プレモンス)の夫婦と、それを追う若かりし頃のルー(その当時は州の警察官)を中心とした話。ルーを演じている俳優はシーズン1と2で違うのだけれど、こちらのルーもかっこよかったです。

なお時代は古いほうから、シーズン2(父警官の話) ⇒ シーズン1(娘警官の話) です。

どんな人も「自分はこういう者だ」という思いをベースに日々黙々と何かをし続けています。それが何であれ、何の疑いもなく同じことを繰り返しているのが人間であり、木を切る与作であり、機を織る与作の女房です。「与作」は北島三郎の古い歌なので、お若い方は知らないと思います。

シーズン1の保険屋はビクビクした小心者なのですが、さえない彼を折に触れ責め立てる古女房への怒りが爆発し、彼女を金槌で撲殺します。偶然知り合った殺し屋にそそのかされた面もありますが、殺すという選択をしたのは保険屋自身です。

その罪を自分の弟に擦り付けることに成功したあたりから、何をしてもダメ男だった保険屋は「自分に自信を取り戻した」らしく、全米のトップセールスとして表彰されるまでになり、彼に惚れ込んだ東洋人の後妻と贅沢な暮らしを楽しむようになります。その一方で、彼は自分の身を守るため、後妻を自分の身代わりに仕立てて死に至らしめるという選択をします。

シーズン2の美容師&肉屋夫婦は、ギャングの抗争に巻き込まれて人を殺すことがなければ「まあまあ普通に見える人達」でした。

美容師である妻は自己啓発セミナーにはまり、悟り・目覚めを探求しています。一方肉屋で働く夫は、自分の店を持ち、妻と子どもと幸せに暮らすことを夢見ていました。

1.  何かひとつのことをする(それは「たまたました」ことかもしれない)

2.  自分を守るために1を正当化する必要が出てくる(こうするのが最善/必然/仕方なかった)

3.  2が生じたために、次のアクション(言動・行動)を選択・実行することになる

4.  自分を守るために1~3をさらに正当化する必要が出てくる

5.  4が生じたために、さらに次のアクション(言動・行動)を選択・実行することになる

「正当化しなくてはならないこと」が増えると「隠さなければならないこと」も増えていきます。意識していないかもしれないけれど、大なり小なり誰にもあることです。

このドラマはサスペンスなので、悪事(殺人)やネガティブな要素(妻・家族・周囲の人に対する積年の恨みやコンプレックス)がキーとなって次の行動が選択されていきます。

たまたまの展開によって「ク〇」「キ〇ガイ」に見える人たち(何もなければ普通の人たち)とは対照的に、善なる存在として描かれるのが州警察官だったルーや、その娘の警察副署長モリーの家族。

この家族が素晴らしいのは、信頼や絆が強いことに加え、容疑者の人格を否定したり攻撃したりしないところ。

職務だから命を懸けて淡々と「なすべきこと」をしています。そうでないと、やっていられない仕事でもあるのでしょう。苦難が多く、大変過ぎるほどに大変でありながら、やはり与作的な人生なのです。

不気味な殺し屋も、ギャングもそれは同じ。

役割をこなすことで空しく見える人生もあれば、個人的な好き嫌いや価値観を捨てているがゆえに、役割とその人自身が輝く人生というのもあるように感じます。

毎日が「ヘイヘイホーでトントントン」な与作的人生かもしれないけれど、家族を守って大切にする。人生を丁寧に送るのは、平凡に見えて簡単なことではないよね、と感じたドラマでもあります。

なおシーズン2の美容師役キルスティン・ダンスト、肉屋役のジェシー・プレモンスは、この作品での共演がきっかけで結婚に至りました。

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今はじっとしている旅人
井上 あつこ

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