「ベター・コール・ソウル」シーズン6、エピソード12(後半5話目)のあらすじ&感想

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ドラマ以外にも言えることですが、人間とはおかしなところで、自分のクセやパターンを出すものです。“おかしなところ” とは、傍から見て “おかしなところ” であるというだけで、当人にとってはスイッチの入る何かが含まれています。

ジーン(ジミー/ソウル):キムが自分の安否を気にしていたと伝え聞く ⇒ 「えー!?嬉しいなあ。今なら関係修復できるかも」 ⇒ キムへ電話する ⇒ 思うようなコミュニケーションを取れない ⇒ 失望とフラストレーションを抱える ⇒ スイッチオン

キム:新たな人生を生きていたところ、職場へジーン(ジミー/ソウル)から突然の電話 ⇒ 「姿を消している立場で、電話なんぞかけてこないで。私には新しい生活があるのよ」 ⇒ 戸惑い/憤り ⇒ ジミーへの複雑な思い & 過去の行ないに対する罪悪感が刺激される ⇒ スイッチオン

大きく括ると、ジーン(ジミー/ソウル)もキムも、自分にとって重要だった愛情関係(パートナーシップ)に失敗しており、その事実が思い出されるような出来事があると、自動的にスイッチが入り、それぞれが持っている考え方のクセや行動パターンが暴走します。

ジーン(ジミー/ソウル)は、タクシー運転手ジェフらを誘っての “第2のゲーム” へと進みます。

一方、キムは済ませていなかった “過去の贖罪” へと向かいます。

エピソード12(灌漑[かんがい]事業)

冒頭はソウルの弁護士事務所。アメリカ領サモア大学のサーティフィケーションが映り、ボールを壁にぶつけている音がします。その後、キムが入室し、離婚申請書に双方がサインをします。以前のエピソードで、キムがソウルの元を立ち去ったとしても、妻であることに変わりはないよね、と思っていたので、ここで二人の区切りを確認できてよかったです。

さて、キムは現在フロリダで暮らしており、そこには男性の影があります。一言で言えば “冴えない男” で、あえて付き合う魅力はない気がします。しかし、キムの自己肯定感の低さを表す要素のひとつと考えると、非常に分かりやすいです。彼女のプライベートな生活には、喜びの気配がありません。弁護士時代に履いていたハイヒールも、実用重視の白いスニーカーに取って代わられています。

勤務先の “パームコースト・スプリンクラー” で、キムは “ヴィクター・セントクレア(ふたりで投資家ケンを騙した際のジミーの偽名)” を名乗るジーン(ジミー/ソウル)からの電話を受けます。前回のエピソードで、ジーンが怒りを露わにしながら電話していたのはキムだったのですね。彼女はこの会社で、カタログ製作の仕事をしています。

ジーン(ジミー/ソウル)は「あれから6年だと気付いた。積もる話でも」と言います。「あれから」とは “離婚” からなのか、“ソウルの失踪” からなのか。このドラマは、時間軸の見当が付きにくいです。あえてそのように作っているのかもしれません。

仮に “離婚” から6年だとして、 “離婚” はエミリオ(ジェシー・ピンクマンの仲間)を2回釈放に導く前のようなので、ドラマ「ブレイキング・バッド」スタート以前のタイミングと考えられます。「ブレイキング・バッド」はシーズン1~5からなりますが、何年間に亘る物語なのでしょうね。深く考えたことがありませんでした。

「ブレイキング・バッド」では、ジェシーのガールフレンドは「ジェーン ⇒ アンドレア」となり、DEAのハンクは「大怪我 ⇒ リハビリ ⇒ 復帰」であり、ウォルター先生の妻スカイラーは「妊娠 ⇒ 出産 ⇒ 子育て(まだ歩き出してはいなかったような)」なので、ウォルター先生がメス製造に関わるようになってから最期を遂げるまでに1~2年(+α)というところでしょうか。

となると、ソウル(ジミー)がジーンに姿を変えてから、ざっくりとした勘定で3年前後が経過しているということになります(「BB前1~2年」+「BB最初〜ソウル失踪まで1~2年」=「最短2年~最長4年」)。ソウルが、ウォルター先生&ジェシーと知り合いになるのが “離婚” より、もっとずっと後であれば、ジーンになってからの期間はもっと短いはず。エミリオが2回現行犯で捕まった後に釈放になった、その2回の間隔がどれくらいだったかにもよります。

さて、ジーン(ジミー/ソウル)と電話で話したキム。それがきっかけとなり、ベルナリオ郡(ニューメキシコ州)の裁判所へと足を運びます。その際、宣誓供述書を提出したようです。彼女は裁判所で、かつての公選弁護人としての自分を回想。その後、キムはハワード・ハムリンの妻シェリルを訪れます。そして事の顛末をまとめた文書を手渡し、物的証拠がないため、刑事事件としての訴追の可能性は低いと告げます。

一方、ジーンはバディ(タクシー運転手ジェフの友だち)が遂行しなかった任務を行うため、ガン患者であるターゲットの家へ侵入。予定通りのことをしたら立ち去るのかと思いきや、不思議な余裕をかまし(調子に乗っているとも言えるし、危ない橋を渡ることが好きとも言える)予定外の行動をします。

そういうところにも、思考や行動のクセ・パターンが表れます。

ジーンの予定になかった行動の影響が各方面に波及し、彼らは窮地に陥ります。

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