インナーチャイルドとの二人三脚「マインドフルに殺して」シーズン2

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シーズン1はコチラ(↓)

テンポもノリも軽快なドイツのサスペンスドラマ「マインドフルに殺して」シーズン1
ドイツの作家兼弁護士カルステン・デュッセのベストセラー犯罪小説のドラマ化。コメディタッチです。

このたび、シーズン2が公開されました。

当シーズンでは、心理学やヒーリングの分野に詳しい人たちにはなじみ深い “インナーチャイルド(内なる子ども)” という概念を扱っています。

若き日のビョルンの父親も登場。家族に厳しく接し、子どもの望むものを与えることを好まない態度(質素倹約を是とし、贅沢や子どもの求めに応じることは甘やかしにつながるという価値観)や顔つきが、見事に「いかにも」で吹き出してしまいました。

与えることを忌避する親っていますよね。最近は友だちのような緩い親子関係が増えているので、そういう大人は少なくなっていそうですが。

基本的にはシーズン1同様、犯罪に手を染めている弁護士の物語です。

導入部あらすじ

刑事ニコル・エグマンは重要な証拠となりうるオモチャを手にしていました。人間の発言を記録し、リピートする鳥です。

腹部のボタンを押すたびに「依頼人を粉砕して自由になった」と繰り返す鳥のオモチャ。

ビョルン・ディーメルの犯罪関与の自白を手に入れたはずが、証拠を掴んで喜びを隠せなかったニコル刑事自身の声で上書きされてしまい、彼女は落胆と怒りに苛まれます。しかし彼女の確信は強まります。

その数カ月後。ビョルンは妻カタリーナ、娘エミリーとともにオーストリアの自然のなかで家族旅行をしていました。崩しパンケーキ(カイザーシュマレーン)などを楽しもうと、眺望のよい山小屋へ向かうディーメル一家。

しかし給仕はバックヤードでスマホ操作に没頭していて客席へオーダーを取りに来ません。ようやく出てきてメニューを配って回った後も、後からの来店客に対して優先的に対応し、ビョルンたちを後回しにします。無礼さと客の苛立ちに寄り添わない給仕の態度にビョルンは気分を害します。

それ以外にも意図的なのか偶然か、接客面での不手際が目立ち、家族を喜ばせるつもりが落胆ばかりでビョルンの怒りはさらに高まります。妻カタリーナはそんな彼をなだめます。夫婦間での言い合いにも発展して不穏な空気が漂います。彼は鼻持ちならない給仕に対し、密かに復讐の工作を行います。

妻の強い求めに応じ、旅行から戻ってのち、ビョルンは “マインドフルネス” のコーチであるヨシュカ・ブライトナーのカウンセリングを受けます。ビョルンも自分の怒りの予想外の高まり&その後の行き過ぎた行動に驚いていて、そのバックグラウンドを探ります。そして彼の怒りは “インナーチャイルド(内なる子ども)” が受けた傷(親子関係や満たされない思いから生まれたトラウマ)に端を発していることがわかりました。

そんな弁護士ビョルンは「水を得た魚幼稚園」を隠れ蓑にして、元顧客ドラガンのカルテル、そのライバルだったボリス・モロゾフのカルテルを動かしています。インナーチャイルドと対話し、チャイルドの望みを叶えることで日々の生活が楽しくラクになった頃、幼稚園の建物内に監禁していたボリスが脱走。しかし、なぜか地下室にて催眠鎮静剤による昏睡状態となって発見されます。

その後「ボリスを殺し、その首を箱に入れて幼稚園の向かい側にある遊び場の塀の上に置け。さもなくば女刑事にボリス監禁の証拠写真を渡す」という脅迫状が届きます。しかしビョルンのインナーチャイルドは、ボリスの殺害に反対します。

インナーチャイルドは、大人になったビョルンの内側に眠っているトラウマに気づかせ、彼の現実への対処を変えさせることで過去の傷を癒していきました。ときにビョルンの反社会的活動に対するヒントも授けます。しかし、インナーチャイルドの声ばかりに耳を傾けていたのでは上手くいかないことも出てきます。

いっぽうオーストリアで山小屋で起きた給仕転落死事故について、刑事ニコルの手に資料が渡ります。

主な登場人物

[シーズン1からの登場人物]

  • ビョルン・ディーメル:刑事弁護人で「水を得た魚幼稚園」運営者。妻はカタリーナ。娘はエミリー
  • ヨシュカ・ブライトナー:“マインドフルネス” のコーチ
  • サッシャ・イワノフ:カルテルのボスだったドラガンの子分で静かな性質。ブルガリア出身。ビョルンと利害が一致して「水を得た魚幼稚園」の園長となっている
  • ボリス・モロゾフ:かつてドラガンと悪事を行っていたが仲間割れ。ドラガンとは別のカルテルのボスとなる。アナスタシアは元恋人
  • ウォルター:ドラガンの子分で元軍人
  • ニコル・エグマン:捜査チームのリーダーで刑事。ビョルンの旧友。息子が「水を得た魚幼稚園」に通っている

[新たな登場人物]

  • ラウラ:バイエルン在住の医長(既婚者)との間に生まれたマックス(サメ組)の母で、幼稚園の役員会のメンバー。息子から地下室の “唇怪獣” について聞く。シングルマザーでビョルンに接近
  • クルト・フリーリンク:ラウラの兄。電動スクーターのベンチャー企業(CNモビリティ)を経営。ムラートは彼の運転手
  • ホルガーソン一族:アラブ系のギャング集団
  • クラウディア:幼稚園の役員会のメンバー。幼稚園の石油暖房システムをもっと環境負荷の少ないものに替えることに関心がある

感想:なぜか“いい話”に収束していくところもコメディ?

“常にマインドフルに自分に起きていることを感じながら、内側の傷ついた子どもを癒して和解していくと悪事すらもよい果実をもたらす” みたいな筋書きのシーズン2。

主人公ビョルンの内面のひとり語りに「デクスター 警察官は殺人鬼」や「YOU-君がすべて-」に似たテイストを感じたりもしました。

オーストリアの山小屋レストランの給仕は死にます。私もあの手のサービス従業員が嫌いなのでビョルンの怒りには共感しました。怪我をするような工作はいたしませんが。

私の場合「尊重されないどころかないがしろにされ、しかしその場のルールや支配力に従うしかない状況(≒ 給仕が客を選んで場を支配し、その力の傘の下で上手く振舞わないとメニューすらテーブルに供されないというシチュエーション)」に多大なるストレスを感じるわけですが、その核の部分には傷ついた “インナーチャイルド” がいるのかもしれないと思いました。

最も心に残ったのが冒頭の山小屋レストラン事件だったことに、我ながら苦笑。

刑事ニコルは残念ながら、あまりキレ者ではないですね。ビョルンの知恵と勇気が勝るという面もなきにしもあらずですが、ニコルのどんくささに助けられ、捕まらずに済んでいるように感じます。それもコメディの要素になっているのでしょう。

本作は評判のよいシリーズみたいで、既にシーズン3の制作が決定しています。

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